新大統領はマクロン氏に! ルーブル前で集会が開かれた理由

公開日 : 2017年05月08日
最終更新 :
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5月7日の第2回投票を受けて、新大統領に前経済相エマニュエル・マクロン氏の当選が確実となりました。マクロン氏の支持者は、集会会場であるルーブル美術館前に、続々と集まっています。

パリ市内に数多くある広場の中で、なぜルーブル美術館が選ばれたのでしょうか? 

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現地メディアによると、ルーブル美術館という右でも左でもない、中立的なイメージがその理由になった、ということです。

当初マクロン陣営は選挙イベントの候補地として、エッフェル塔を背景にしたシャン・ド・マルス公園を検討していました。しかしパリ市の許可が下りませんでした。というのも来週末から、パリ市も立候補している2024年五輪の、IOC視察団がパリを訪れる予定です。そのためパリ市は、視察前に選挙イベントで芝生が荒れるのを避けたかっため許可しなかった、ということです。

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ではルーブル以外の場所では、だめなのでしょうか? コンコルド広場は1995年にシラク元大統領、2007年にはサルコジ前大統領が選挙後のイベントを開き、右派の印象が強くあります。シャン・ド・マルス公園の反対側、トロカデロ広場も、今回の大統領選に出馬していた右派フィヨン氏が、選挙戦で集会を開いており、そのイメージが付きまといます。

一方、バスチーユ広場およびレピュブリック(共和国)広場は、左派のイメージが強い場所です。前者はオランド大統領が当選した2012年の象徴的な場所でした。後者は今回の選挙の候補者、急進左派メランション氏や左派アモン氏が集会を行っています。また2016年に起きた労働法改正反対デモの中心地でもありました。

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しかし、ルーブル美術館は元王宮だった場所です。王制のシンボルのような所で、共和国の選挙イベントを開くリスクはないのでしょうか?

現地メディアによれば、今やフランス人はルーブル宮を(王制のシンボルとしてではなく)世界を代表する美術館として見ています。エッフェル塔と並び、世界のだれもがイメージする、フランスを代表する場所といえます。そして右派にも左派にも印象が偏っておらず、それが今回の選択になったということです。

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

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