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「フィリピンの教育事情」

カテゴリー:文化・芸術・美術 投稿日:2016年11月20日

――教育こそが未来へのパスポートだ。米国の黒人公民権運動家であったマルコムXは教育についてこのように述べています。しかしながら、この彼曰く"未来へのパスポート"が抱える問題は、"残念ながら"、世界中で最も深刻な問題の一つと言わざるを得ない状況です。日本における教育問題ひとつをとってみても、ゆとり教育の弊害やいじめ問題、英語教育の遅れ等様々な問題が挙げられます。しかしながら。発展途上国におけるそれは先進国におけるそれと比較できないほどに深刻なものとなっています。ということで、今回ここではそんな深刻な教育問題を抱えている発展途上国の一つであり、私たちが実際に教育支援行っているフィリピンにおける教育事情について書いていきます。

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 現在のフィリピンの教育制度は、K-12と呼ばれるもので、小学校6年間、中学校4年間、高校2年間の12年間の基礎教育に加えて、幼稚園を義務化したものですが、2012年までは、小学校6年間、中等教育4年の6-4制をとっていました。フィリピンでは長い間、"アジアで唯一中等教育が4年間しかない国"であったのです・日本の教育は6-3-3制ですが、日本と同様の制度を持つ国々と比べて、基礎教育機関が2年間少ない。このことは、12年間分の学習内容を10年間で詰め込むことによる教育の質や学力の低下、高い失業率、海外との格差、様々な問題を抱えていました。こういった問題に対処するため、当時のベニグノ・アキノ政権は上記のような教育改革を実施したのです。

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 しかしながら、フィリピンにおける教育問題には教育制度の問題以外に、"3T不足"という問題が依然として深刻です。この3つのTは。teacher、teaching room、textbookの頭文字。――つまり3T不足とは、教師、教室、教科書が圧倒的に不足している状況を指しています。私たち学生NGO ALPHAは、このうちteaching room(教室)を建設することで、フィリピンに対する教育支援を行っています。

 加えて問題となっているのは、ドロップアウト問題です。貧困層の子供は、労働力として使われることも多く、学習意欲を失いがちで、そのために小学校の段階からドロップアウト=中退してしまう子が多くいるというのが現状です。K-12制は、上記のような問題に対処できる一方、次のような懸念点をはらんでいます。つまり、2年間の学習期間の延長は。子どもの親にとってみれば、総合的な学費が上がることを意味し、それが貧困層であったら、負担は非常に大きいものとなるということです。これによって、教育格差がより広がってしまうのではないかという懸念があるのです。

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フィリピンはこういった深刻な教育問題を抱えています。私たちは教育支援を微力ながら行っていますが、国による根本的な解決の動きが無い限りは、フィリピンの教育問題が解決する日は訪れないでしょう。今年はちょうど、フィリピンでは大統領選が行われ、大統領が新しくなりました。これからの国がたどる道は果たして。

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2009年設立の学生NGO。東京・吉祥寺を拠点にフィリピン共和国パナイ島への教育支援活動を行っています。都内の大学生と代表理事により構成されています。春・夏の年に2回、2週間メンバーが支援地に渡航し、小学校の建設活動とオリジナルのワークショップ授業を行います。 “Everybody Smile!” をモットーに、支援先の子どもたち、村の人々、団体メンバーの全員が笑顔になれるような活動を目指しています。

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