ノルウェーの国民的作家Knausgård(クナウスゴール)のキュレーション力に称賛!展覧会Towards the Forest/ ムンク美術館
10月8日(日)で最終日を迎えたムンク美術館の展覧会Towards the Forest。
ノルウェーで国民的人気を誇る作家のKarl Ove Knausgård(カール・オーヴェ・クナウスゴール)が展覧会を企画したことでも話題を集めました。
美術史ではない分野からキュレーターを指名したムンク美術館の決断も素晴らしいと思います。
Knausgård(クナウスゴール)は自伝的小説「わが闘争」(全6巻)が有名。
ノルウェー国内だけでなく、国際的にも人気を集めている作家です。
本展覧会で展示された作品の一枚にSnow Landscape, Thuringia (1906)という雪景色の風景画があります。
ムンクは同様のモチーフで5枚描いているのですが、そのうちの一枚を見た際に、当時19才の若きクナウスゴールの心には強くうったえかけるものがあり、涙したとのこと。
このエピソードから、人並ではない感受性の持ち主であることと、芸術作品の真髄にあるものを捉える力があるのだと感じます。
また、展覧会カタログのクナウスゴール自身による文章から、美術史専門用語をあえて使用はしていないものの、美術史に関する知識は豊富であることがうかがえます。
この展覧会の特徴は、Knausgård(クナウスゴール)が、従来とは異なるアプローチで展覧会を作り上げたこと。
あえて美術史専門家のアプローチを取らないことで、今まで公開されることのなかった(あるいは、あまり公開されてこなかった)作品を多数展示し、さらに新しい視点からエドヴァルド・ムンク作品を見せることに成功しました。
Towards the Forestは、ムンク作品の素晴らしさと共に、Knausgård(クナウスゴール)のキュレーション力の素晴らしさも感じられた展覧会でした。
ムンク美術館では10月28日(土)から新しい展覧会HEAD BY HEAD - CRONQVIST | BJØRLO | MUNCHが開催されています。
ムンク作品をスウェーデンのアーティストLena CronqvistとノルウェーのアーティストPer Inge Bjørloの作品と共に展示しています。
因みに冒頭写真は今夏オスロで撮影した青空。
芝生に霜が降りる等、ここ数日でオスロは寒さが増してきました。
写真のような、青色と雲の作り出すデザインが素敵な夏空には程遠い季節です。
* All photos credit to the author.
筆者
ノルウェー特派員
る。
2015年よりノルウェーのオスロで生活。北欧の食やカフェ巡り、美術やアート・デザイン、雑貨に興味津々。
【記載内容について】
「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。
掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。
本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。
※情報修正・更新依頼はこちら
【リンク先の情報について】
「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。
リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。
ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。
弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。