オスロでの大気汚染対策ディーゼル車規制は観光客に影響を及ぼすか

公開日 : 2016年02月09日
最終更新 :
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 4日、オスロ市議会は大気汚染の悪化が続く警報日には、市内中心地での市道でのディーゼル一般車を禁止する案を可決した。

 市内の公共駐車場も使用禁止される。議会の権限では「国道」を規制することが現在は難しいため、車の利用が禁止されるのは一部の中心地エリアの「市道」のみ。「国道」は走行可能だが、市内のどこが市道か国道か把握できている人は数少ない。運転手たちの間では混乱が予想される。

 オスロ市議会の方針に懐疑的なノルウェー車連盟(NAF)は、「市道を避け、国道を走ろうとする運転手が増加した場合、一部の道路が渋滞し、そこであらたな排ガスが排出されるだろう」と非難。「混乱を引き起こすだけで、根本的な解決にはならない」としている(ノルウェー国営放送局

 ノルウェー国鉄NSBは、国営放送局に対し、大気汚染警報日と突如言われても、車を使用できなくなった市民に対しての余分なバスを緊急で出す余裕はなく、そのような準備はできていないとコメント。

 違反した者には1500ノルウェークローネの罰金が科せられるが、取り締まる警察署にはさらなる人材を投入する余裕がなく、通常の交通取り締まりで対応するのが限界としている(国営放送局)。

 例外もあり、バス、トラム、地下鉄などの公共交通機関、患者を乗せた車や、商品を運ぶ商用車、公共サービスに使用される車などは対象外とされている。

 よって、交通機関で移動する旅行者へ大きな影響はないとみられるが、ディーゼルエンジンを使用している団体旅行者向けの貸し切り大型バスはどうなるか不明だ。また、真冬日のいつ大気汚染が悪化するかは予測不可能なため、外国人旅行者にどのように周知がされるのかは明らかになっていない。

 提案者の市議会は、なんとかなるだろうと楽観的だが、前例がないだけに、交通機関など関係者や車を使用する一般市民からは混乱を懸念する声があがっている。

 オスロ観光局VisitOSLOに旅行者への影響について問い合わせたが、「回答することができない」と返事がきた。

Photo&Text:Asaki Abumi

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