大阪の地蔵盆

公開日 : 2018年08月26日
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地蔵盆(じぞうぼん)は、地蔵菩薩の縁日で、厳密には毎月24日であるが、一般的には、その中で特にお盆にも近い旧暦7月24日のものをいう。

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地蔵盆は近畿地方を中心とする地域で盛んな行事である。一方、関東地方や東北地方では地蔵信仰自体が浸透していないため、ほとんどの地域で地蔵盆は行われない。

大体旧暦の7月24日を新暦に置き換え8月の23・24日に開催する地域がほとんどです。大阪は、町内会や個人所有のお地蔵さんが多く、町会の行事として行っている地域が多いです。

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[北区本庄西で撮影]

市営住宅でも集会場横にお地蔵さんを祀っている地域もあります。

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地蔵祭では、地蔵のある町内の人々がこの日にかけて地蔵の像を洗い清めて新しい前垂れを着せ、化粧をするなどして飾り付けて、地蔵の前に集って灯籠を立てたり供え物をしたりして祀る。地蔵盆の前後には、地蔵の据えられる家や祠の周囲などに、地蔵盆独特の提灯が多く飾られる。京都では子供が生まれると、その子の名前を書いた提灯を奉納する風習がある。おおむね女子は赤、男子は白で、その子が地蔵盆に参加しているあいだは、毎年飾られる。

地蔵菩薩は中近世以降子供の守り神として信仰されるようになった。広く知られた伝説によれば、地蔵菩薩が、親より先に亡くなった子供が賽の河原で苦しんでいるのを救うという。このことから地蔵祭においては特に子供が地蔵の前に詣り、その加護を祈る習わしになっている。ところによっては、仏僧による読経や法話も行われるが、おおむねそれらの多くは子供達に向けたものである。地域によっては、地蔵盆当日の朝に「数珠回し」を行う。これは、町内の子供が、直径2〜3メートルの大きな数珠を囲んで座り、僧侶の読経にあわせて順々に回すというものである。

今日では地蔵盆は子供のための祭とも言え、地蔵に詣った子供達は地蔵の前に集まった席で供養の菓子や手料理などを振る舞われる場合が多い。また地域の子供達が一堂に会するため、子供達に向けたイベントも行われたり、そのまま子供達の遊び場となることもしばしばである。

初日朝に地蔵盆の用意をし、仏僧による読経、子供におやつの配布(日に一度か二度)、夜のイベント(踊りや線香花火など)。翌日、おやつ配布、お供えのお下がり配布、後片付けといった流れが多いようである。しかし、子供が少なくなったことや大人たちの都合がつきにくくなったりすることから、一日で終えてしまう町内も増えつつある。また、地蔵盆における福引は、「ふごおろし」とも呼ばれる形式で行われていた。福引担当の家の向かいの家から渡したロープにつるし紐で手繰り寄せた。その後、その品を紐で1階へ下ろして渡すものである。しかし、最近ではこういった福引はほとんど見られなくなった。

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お地蔵さんをみんなで管理し、地蔵盆を行うことが地域コミュニティの行事として大事な役割を担っていることは、お地蔵さんから現代の人へ対してのメッセージなのかもしれませんね。

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