クメノサクラ・沖縄では年に2回お花見ができます!

公開日 : 2018年03月29日
最終更新 :
筆者 : 菅原 啓

一般的にお花(桜)見と言えばソメイヨシノが有名ですが、年に一度だけのイベントですね。

ですが沖縄では寒緋桜とクメノサクラの二種の桜が咲くので、お花見が二度楽しめるんです。

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ソメイヨシノの花びらは、ひらひらと舞いながら散っていきますが、寒緋桜は花ごとポトポト落ちるので、風流さを感じる事はできません。

クメノサクラの花は、はじめ白い花ですが中心部が次第にピンク色に変化し、かすかに高貴な香りがします。

そして散り際はソメイヨシノの花びらのように、一枚一枚風に乗って舞い踊りながら散ります。

開花時期はその年にもよりますが、3月中旬辺りが見ごろです。

寒緋桜は1月下旬〜2月上旬が見ごろなので、二度楽しめると言うことなんです。

そんな桜を見に、沖縄本島北部の本部町伊豆味に行ってみました。

美ら海水族館へ行く途中、県道84号線沿いにあるので、分かり易いですね。

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伊豆味の信号を通過してすぐ、次の信号を一つ通過すると左手に派出所が見えてくるので、その手前を左折します。

看板やのぼりが出ているので、直ぐにわかります。

今年は「第2回 もとぶ・伊豆味 クメノサクラ祭り」が3月11日〜 3月31日まで 開催されています。

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沖縄県人にもあまり知られてないクメノサクラ。

その由来は1950年代、ここ伊豆味に農業試験場がありました。

この試験場の技師として宮城恒男さんが職員として赴任し、宮城さんの上司が久米島に出張された時、クメノサクラを見て「こんな白い桜は沖縄本島にはない」という事でクメノサクラの穂木を持ち帰り、伊豆味にて宮城さんが接木をして広めたのが始まりです。

久米島では 「クメノサクラは中国から来ている」と伝えられていますが、未だにはっきりしていません。

昭和30年代、伊豆味地区では家々の庭や畑の隅にクメノサクラが1~2本はありました。

しかしその当時は衣食住にも事欠く時代でもありましたので、そのクメノサクラに施肥したりする余力がなく、消滅寸前の状態になってしまいました。

桜吹雪になって散りゆく様子は沖縄で生まれ育った人たちに大きな感動を与えます。

伊豆味区には「十八日会」という任意団体があり、毎月18日に模合をして世間話や色々な話をしています。

その中でクメノサクラの話が出て、「以前にあったクメノサクラをもう一度咲かそう」と平成19年に寒緋桜を300本購入して、 公民館の裏山の森と伊豆味駐車場に植樹をしました。

さらに農会原(ノウカイバル)、親名原(ウ ェンナーバル)、クカルビバル、大友利原(オオトモリバル)の集落にもクメノサクラを植栽し、伊豆味区内6か所でクメノサクラの花を観賞することができます。

平成21年に寒緋桜を台木にしてクメノサクラの穂木を接ぎ木しました。

平成22年3月「十八日会」だけで第1回の花見会を実施しました。

平成25 年10月「本部町まちぐるみ花いっぱい推進協議会伊豆味支部」を結成し、伊豆味区全体の組織として歩みだしました。

一応クメノサクラも大きく育ち花もきれいに咲くようになったので、区民全体に呼びかけて平成26年3月2日に「第1回伊豆味クメノサクラ花見会」を実施できるようになりました。

以降毎年「伊豆味クメノサクラ花見会」が実施されています。

将来の構想としては、クメノサクラを伊豆味区全体に寒緋桜とクメノサクラを共存できるように植栽し、1月のカンヒザクラのピンク、3月はクメノサクラの白い花で日本一早い花見祭りが見られる「サクラの伊豆味」を目指しています。

沖縄県や本部町とも共催できるような協力関係を作り上げ、「沖縄花と緑の名所」になるよう、県民や観光客の協力を得ながら、肥培管理・植栽管理等努力を続けています。

「この事業は、平成 26 年度沖縄グリーンプロモーション事業として沖縄県の支援を受けています。」

以上、本部町花いっぱい推進協議会伊豆味支部(支部会長 伊良波 幸秀)の看板掲載文引用。

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クメノサクラは徐々に知られるようになり、沖縄県内各地でもちらほら開花のニュースが出てきました。

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那覇市首里石嶺の久場川公園予定地の自治会管理敷地に約20本、今年は良く咲いてます。

宜野湾市志真志のジブガーラでは9本が満開です。

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私の知るところでは、那覇市奥武山公園内の沖宮周辺に3年前に植樹されましたが、これからが楽しみですね。

それから恩納村安富祖にある沖縄県民の森にもありますよ。

沖縄全域にクメノサクラが覆いつくされたら、嬉しいですね!

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