衝撃的な名前の「水攻め饅頭」清鏡庵  ~岡山市高松地区~

公開日 : 2021年07月01日
最終更新 :
筆者 : mami

こんにちは~。岡山特派員のmamiです。

岡山県は2021年6月21日より、緊急事態宣言が解除されました。多くの施設で営業が再開されていますが、県は6月21日から7月20日までをリバウンド防止強化期間としています。

とは言え「岡山デスティネーションキャンペーン」が来年7月1日から始まるのに先立ち、プレキャンペーンとして、今月7月1日から県内でさまざまなイベントが開催されるようです。もちろん、新型コロナウイルスの感染状況などにより、企画・開催の中止や延期、施設によっては臨時休業や営業時間の変更などもあると思いますが、リバウンド防止強化期間と言いながらも、県民のほとんどがまだワクチンを打っていない最中に、キャンペーンが始まることに戸惑いも感じています。

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今回は、蛙ヶ鼻の堤防跡で地元ネタを提供してくださった方からの情報を中心にアップしますね。

「水攻め饅頭」という和菓子があると聞き訪問したのは、備中高松城址の首塚のすぐ北に店舗を構えていらっしゃる「清鏡庵」さんです。お店の名前の清鏡は宗治の戒名、「高松院殿清鏡宗心大居士」からつけられたそうです。

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"水攻め"のための堤防を築いた際に秀吉が職人たちを鼓舞するために配った饅頭なのか?

と、思いを巡らしながら清鏡庵(せいきょうあん)さんの店内を見渡します。

店内のショーケースは昭和レトロ感あふれる懐かしいものです。ちょうど、二代目の御主人がおいでになり、お話を聞くと70年もの歴史を持つ老舗でした。水攻め饅頭は、ひとつ89円で手頃な価格です。

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ほかにも宗治公を偲んで名づけられた宗治饅頭や季節の和菓子、羊羹などもあります。

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お店の奥には羽柴秀吉の"毛利攻め"に関する資料も展示されていました。

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また、備中高松城址にまつわる冊子や書籍も売っていました。

緊急事態宣言のせいで備中高松城址の公園内の資料館が臨時休館だったので、今回の記事の参考資料として1冊買い求めたら、とっても喜んでくださいました。

清鏡庵の御主人は、先代のお話しのときに何もおっしゃられませんでしたが、帰ってから補足事項を調べていると清鏡庵の先代とは、備中高松城水攻め研究の第一人者ともいえる故林信男氏でありました。私の買った冊子も林氏と日本城郭史学会の池田昌一氏との共著でした(お菓子のことだけでなく城跡のこともいろいろと聞いていればよかったと悔やまれました)。

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さて、お饅頭のほうですが、上が「水攻め饅頭」で、こし餡を薄皮で包んだもので、ほぼ餡をいただいているようなお饅頭です。小ぶりながら、ずっしりとした重みがあります。岡山銘菓の大手饅頭に似ていますが、こちらの方があっさりしていて口どけもよく私は好みでした。ちなみに甘党の夫は、大手饅頭のこってりした甘さの方がいいと言っておりましたが......。

下は「宗治饅頭」で黒と白の餡がありました。こし餡を、しっとりとした生地で包んだ、昔ながらの饅頭です。ちなみに、どちらもひとつ89円です。賞味期限が2日間と短いのでおみやげに持ち帰るには注意が必要です。できたてを公園内のベンチに座りほうばるのもいいかもしれませんね。

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また、清鏡庵さんのある通りを西へ歩いていくと宗治公の胴塚があります。

民家の庭先を横切るような場所の奥にあるので通るのを躊躇しますが、「胴塚」と書かれた案内板があるので通っていきます。

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民家のお庭の一角にひっそりと残っていました。ここに手厚く葬られたことと思います。船上で城主の介錯を行った家臣、国府市祐はここで自刃し、そのまま墓穴に落ち込んで城主に殉じたという壮絶な逸話が書かれ、

"この主にしこの臣あり、主を思う 眞情躍如たるものがある"

と、結ばれていました。

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ほかにも城跡の南に舟橋と呼ばれる橋がありました。当時はこのように架橋した橋があったわけではなく、堀に舟を並べ、攻撃の際には橋として使い、防衛の際には撤去できる機動性を備えた橋のことらしいです。

■清鏡庵

・住所: 岡山県岡山市北区高松511-1

・電話番号: 086-287-2143

・営業時間: 8:00~19:00

・定休日: 毎週木曜日

筆者

岡山特派員

mami

岡山生まれの岡山育ち。岡山市内在住の生粋の「おかやまっ子」です。

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