岡山に来たら備前焼をお土産に ~備前市伊部~

公開日 : 2019年10月30日
最終更新 :
筆者 : mami

今年もあと、2か月で終わりますね。

今回から備前市をご紹介します。

備前市は、岡山県南東部にある市で備前焼と耐火煉瓦の町です。旧備前市、旧日生町、旧吉永町のエリアから成り立ちます。

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備前市といえば備前焼を思いうかべる方も多いと思います。

「日本六古窯」のひとつで、縄文から続いた世界に誇る日本古来の焼き物技術を継承しています。最近は「きっと恋する六古窯」のキャッチコピーで日本遺産にも選ばれています。

伊部(いんべ)駅に降り立つと、赤れんがの煙突がみえる家並みが広がり、落ち着いた味わい深い備前焼をショーウインドーに並べる店が連なります。

先月は、10月19日~20日まで、備前焼祭りが開催されました。

毎年10月第3日曜日と前日の土曜日に予定されていますが、今では2日間で約10万人もの人出でにぎわう、県内でも有名な祭りとなり、多彩な催しが予定されています。

その中でも、多くの人のお目当ては、各店舗や特設会場作品を正札から2割引で買えたり、人間国宝に指定された名工の作品入りの福袋が発売されたりすることでしょう!

臨時列車も出ますが、この日は早朝から岡山駅も多くの人でごった返し、伊部駅は小さな駅なので岡山駅で帰りのチケットも買うようにとアナウンスですすめているほどの人出です。

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伊部を訪れたのは、祭りの日ではなく、平日の昼下がりでした。ちょうど、登り窯で窯焚きをしている窯元があったので見せていただきました。

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備前焼は、良質の陶土をろくろで一点一点成形し仕上げます。乾燥させ釉薬も施さず、絵付けも一切せずそのまま焼いたもので、土味がよく表れている焼き物です。

焼き味の景色(種類)は、窯変、胡麻、棧切り、緋襷など変化に富み、作品の詰め方や挟んだワラの科学反応、燃料の松割木の焚き方などで景色が変わり、一点として同じ形も焼き味もありません。1200度以上の炎の力によって七〜十昼夜かけてじっくり焼き締めます。こうして「投げても割れぬ、備前すり鉢」といわれるような硬質の備前焼が誕生します。実際、作家さんが備前焼のぐい飲み同士をぶつけてみせてくましたが、澄んだクリアな金属音がしました。

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店内のギャラリーには、備前焼を使ったテーブルがディスプレーされていました。

保温力が強く、熱しにくく冷めにくくい備前焼は、湯飲みや徳利だけではなくビアジョッキなども作られています。さらに備前焼の内部には細かな気孔があるため、飲み物を香り高くまろやかで、こくのある味にし、花瓶の花は長持ちするといわれています。また、表面には小さな凹凸が多いため、食物が皿肌に密着せず、ご飯つぶなど一粒一粒が箸で取りやすく、水分の蒸発力が弱いのでお料理の乾燥を防ぐと言われています。

わが家でも備前焼の花瓶や湯飲み、皿などを愛用しています。人間国宝といわれる方々の作った美術品としてのイメージもある備前焼ですが、流通する焼き物は上質な日常使いの道具としての備前焼です。岡山に来られたら「お茶碗を買いに行こう」という感覚でお気に入りの一点を見つけてはいかがでしょうか。伊部ではなくても岡山駅など県内の土産物店には必ず備前焼が売っていますよ。

交通アクセス(車)

   山陽自動車道備前ICから約15分または、和気ICから約10分

交通アクセス(公共)

   JR赤穂線伊部駅からすぐ(岡山~伊部約40分)

   宇野バスは岡山から「片上・伊部方面行き」伊部駅前バス停下車

筆者

岡山特派員

mami

岡山生まれの岡山育ち。岡山市内在住の生粋の「おかやまっ子」です。

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