ニューヨーク市再開への道 2021年11月のニューヨーク市長選挙に向けて

公開日 : 2021年06月10日
最終更新 :

2021年11月の米ニューヨーク市長選挙に向けて

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2021年5月23日 セントラルパーク [Photo by Hideyuki Tatebayashi] Do not use images without permission.

ニューヨーク市の現在のトピックは、2021年11月のニューヨーク市長選挙に向けて、2021年6月22日の民主党予備選に出馬している候補者のレース。現デブラシオNY市長は、2021年で任期満了の退任になります。2021年6月12日から早期投票が始まるので、テレビで候補者たちのCMが頻繁に流れています。

ニューヨーク市は移民が多く、ほとんどの国の人種が揃っているのではないかと思えるほど。それだけに、文化も習慣も言語も宗教も違い、市をまとめるのは計り知れない苦労があります。現ニューヨーク市長は、コロナ禍でも初動が遅く(当時の米大統領及び州知事もですが)、リーダーシップもイマイチでした。正直、ニューヨーク市民には人気はなかったと感じます。

新しいニューヨーク市長には、リーダーシップと治安の回復を求めたいですね。政治家は「経済再開」、「観光客誘致」とお金のことばかり頭にあるようですが、アンチ・アジア人などのヘイトクライム(憎悪犯罪)がなくなり、市民が安心して暮らせる町になって欲しいものです。現在は地下鉄での犯罪(憎悪犯罪や傷害事件など)、ストリートでの犯罪(憎悪犯罪や銃撃による殺傷事件、誘拐など)が続き、治安が悪いため、外出時はたいへん緊張しています。しつこいホームレスも多く、観光客が治安がいい町と感じるとは思えません。

世論調査で高い支持を得たアンドリュー・ヤン氏

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マンハッタン チャイナタウン (C)Sara Aoyama

8人の候補者の中で、2021年4月~5月世論調査で支持が高かったのは、元弁護士・実業家、台湾系アメリカ人のアンドリュー・ヤン氏。明るく、攻撃的でなく、はっきりした話し方は好感度が高く、よい印象を受けました。若い候補者(46歳)に新しい風を吹き込んで欲しく、またアジア人が市長になることで、アンチ・アジア人などのヘイトクライム(憎悪犯罪)が収まるのではないのかという期待もあります。

ヤン氏は、2020年の米大統領選にも立候補していましたが、予備選挙で票を伸ばせなかったため撤退。現NY市長デブラシオ氏も、同様に米大統領選に立候補、途中撤退しています。

6月22日の民主党予備選に出馬している候補者で、現在優勢なのは

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(C)The NY1

ところが、ニューヨーク市長選の民主党候補争いでリードしていたアンドリュー・ヤン氏が、The NY1(NYCのローカルテレビ局)による最新世論調査(2021年5月17日~5月31日)では、支持率を6ポイント落としたことが判明。

現在の首位は、元警察官でブルックリン区長のアフリカ系のエリック・アダムス氏が22%、第2位のヤン氏が16%、第3位が元ニューヨーク市衛生局長キャサリン・ガルシア氏が15%と、第2位と第3位が接戦。第4位のニューヨーク市会計検査官スコット・ストリンガー氏は選挙直前になって30年前のセクハラ告発されており、市長レースに最後まで絡めるのか不明。首位のブルックリン区長ですが、現在のブルックリン区は治安がいいとはいえず、ニューヨーク市全体が治められるのかという懸念も。

ニューヨーク 2021年6月8日現在ワクチンの接種率

独立記念日までに完全再開したいとしているアメリカですが、ニューヨーカーのワクチン接種率はどうでしょうか。

2021年6月8日現在のデータでは、NYCを含むニューヨーク州全体で18歳以上のワクチン完全接種率は58.7%、926万8352名(1回目のみ済ませた人も含めると66.4%、1千50万899名)。ニューヨーク州全体で「18歳以上の完全接種率」は58.7%と順調ですが、12歳以上の完全接種率を含めると47.5%でまだ半分以下です。アメリカの接種目標率は70%以上で、7月4日の独立記念日までには、フルオープン(完全再開)にしたいとしています。

筆者

アメリカ・ニューヨーク特派員

青山 沙羅

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

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