2021年2月NYCグランドセントラル駅発電車内で日本人が遭った犯罪被害

公開日 : 2021年02月10日
最終更新 :

2021年2月7日(日)グランドセントラル駅発電車内で強盗未遂

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2020年3月当時のグランドセントラル・ターミナル (C)Linda

2021年2月9日付 在ニューヨーク日本国総領事館の「電車等を利用する際の注意喚起」(メーリングリストでの配信)によると、2021年2月7日(日)グランドセントラル駅発、メトロノースのハーレムライン電車内で強盗未遂の被害があったそうです。未遂ではありますが、「髪を掴まれ、窓に頭を打ち付られて、ハンドバッグを取られそうになった」などショッキングな状況が起きています。

2021年2月7日(日)夕方、グランドセントラル駅発、メトロノースのハーレムラインにて強盗未遂に遭ったとして、在留邦人の方より以下のとおり報告がありました。

グランドセントラル駅にて先頭の車両に乗車したところ、車両には4人ほどの乗客がおり、自身は6人がけの椅子に1人で座っていた。20代と思われる身綺麗な男女2人が車両に入ってきて乗客を物色して、被害者に「お前にも子供がいるだろう、わかるだろう、食べ物をくれ」と言って迫ってきた。

被害者は物乞いを断り、IDの提示を求めて警察へ通報する旨を告げ、携帯電話で男女の写真を撮影したところ、男女は興奮して罵倒し始めたため被害者は911通報したが、車掌が男女を追い払ったため、警察官の臨場は要請しなかった。

その後、車掌が他の乗務員を呼ぶために被害者の元を離れた際、先ほどの男女が車両に戻り被害者は加害女性に髪を掴まれて窓に頭を打ち付られてハンドバッグを取られそうになった。被害者がバッグを離さないでいると加害女性はバッグに手を突っ込み財布を取ろうとしてきた。男は加害女性が財布を取ろうとした行為を驚いた様子で見ていたが、他の乗客が大声で車掌を呼ぶと男女は逃げていった。

コロナ禍によるNYC治安の悪化

コロナ禍により、NYCの治安は悪化しています。地下鉄でのホームレスの物乞いがしつこい、凶暴化している傾向と言われます。危険を感じたら、別の車両に移る、下車するなどした方がよさそうです。在ニューヨーク日本国総領事館の「ニューヨーク市の治安について」から犯罪率を引用しました。

ニューヨークの殺人・拳銃発砲事件計.jpg

在ニューヨーク日本国総領事館 ニューヨーク安全マニュアル 2021年度版によると、殺人や拳銃発砲事件等の暴力犯罪は2020年6月以降に急増しており、「殺人事件は前年対比+44.8%」、「拳銃発砲事件は+97%」とほぼ倍増。2020年6月以降に凶悪事件が増加した要因は、長期間のロックダウンで失業者や精神的に不安を抱える人々が増えたこと、ブラック・ライブズ・マター抗議活動(黒人人権運動)の活発化にともない、警察官が積極的な職務執行をできない状況にあったことなどが挙げられています。

犯罪認知件数NYC.jpg

2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、総件数は前年よりもわずかに減少(マイナス0.7%)しましたが、「殺人」「侵入窃盗」「自動車窃盗」および「拳銃発砲事件」は前年よりも増加。ロックダウン後ニューヨークから避難して、不在となったアパートや閉店中の店舗などでの被害が増加したそうです。

私も友人宅の近所で、「夜中に窓の外の音で目を覚まし、何かと窓をのぞいた主婦が拳銃で射殺された」というショッキングな事件があった話を聞きました。窓の外にいたのは自動車窃盗犯で、目撃されたと思い拳銃を使ったようです。それを聞いて、物音がしても、絶対窓の外をのぞくことはやめようと思いました。犯罪の様子は屋外の防犯モニターに映っていたそうですが、犯人が捕まったのかどうかは不明です。

アジア人へのヘイトクライムについて

新型コロナウイルスの感染拡大にあわせて、中国系を中心とするアジア人に対するヘイトクライムも大きな問題に。アジア系の人が道路を歩行中に「中国に帰れ」と言われていきなり殴られるケースなどもあり、2020年10月日本人男性が暴行被害に遭っています(過去記事 2020年10月現在 ニューヨーク市において日本人が遭った犯罪被害について)。

2020年8月には、NYPDにアジア人ヘイトクライムの特別捜査班が結成されているそうです。中国人も韓国人も日本人もアジア系は顔が似ており、すべて中国人と見なされるので恐怖を感じます。状況が改善されることを祈ります。

■関連記事

詳細については、下記に目を通され、ニューヨーク在住の方はくれぐれも注意してください。

外出時等の安全対策に関する注意点について(NYPD) 在ニューヨーク日本国総領事館

ニューヨーク安全マニュアル 2021年度版 在ニューヨーク日本国総領事館

■在ニューヨーク日本国総領事館

筆者

アメリカ・ニューヨーク特派員

青山 沙羅

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

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