【NYC生活】コロナ禍で42万人のニューヨーカーがNYCから脱出

公開日 : 2020年08月26日
最終更新 :

人影がないマンハッタン

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人影が消えたマンハッタン タイムズスクエア近く 2020年8月中旬撮影

2020年8月中旬頃、久しぶりにマンハッタンのミッドタウンへ出かけて、人影が少ないのにビックリ。ホテルや高級住宅物件が建ち並ぶ、57丁目の超高級コンドミニアムへとある用事ため行ったのですが、そのコンド内にも人の気配が少ないのです。高級コンドに住むお金持ちや投資目的の外国人は、ほとんどがセカンドハウス(別荘)や自国へ移動したのでしょう。近くにある有名なカーネギーホールは3月以来閉鎖されたまま、5番街の高級ブティックも経済再開以来、お店を開けることは許可されていますが、人影はなく静まり返っています。

経済再開が始まっても、マンハッタンはゴーストタウンのままなのだと、驚きました。私を含む一般庶民が住むクイーンズ区は、まだ人がワサワサいるのです。タイムズスクエアあたりはどうだろうと歩いて行くと、ほとんど工事関係者ばかりで、これまた人影が少ないのです。

誰もいない地下鉄のホーム

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誰もいない日中の地下鉄のホーム ブロードウェイの劇場街近く 2020年8月中旬撮影

ブロードウェイミュージカルの劇場街もやはり閉鎖中、2020年の今年は劇場はオープンしない予定。劇場街の地下鉄のホームで電車を待っていると、上下ホームとも見事に人がいません。私が電車を待っている間、とうとう乗客はひとりも現れなかったのです。

マンハッタンはお金持ちと観光客が支えているのだと実感しました。お金持ちも観光客もコロナ禍によりマンハッタンを去ったいま、町はガランとしてしまいました。

コロナ禍で42万人のニューヨーカーが減少

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人が少ないユニオンスクエアあたり 2020年6月下旬撮影

2020年5月15日のニューヨークタイムズによると、お金持ちが住むアッパーイーストサイド、ソーホー、ウエストビレッジ、ブルックリンハイツなどの高級住宅エリアからは、居住者の40%以上が減少したそうです。ウエストビレッジやソーホー、ユニオンスクエアは、恐ろしく高い授業料で知られるニューヨーク大学の学生が住むエリアでもあり、裕福な家庭の子女である学生たち(ほとんどが外国や他州から来ている)も、オンライン授業に切り替わったタイミングで学生寮は閉鎖になり、アパートやコンドから出て、自国や地元の州に帰ったのでしょう。

コロナ禍以来、2020年3月から5月の間に人口の5%にあたる42万人がニューヨーク市から去り、他国や他州へ去ったそうです。ニューヨーク市の新型コロナウイルスの感染率は世界最悪だったためでしょう。ニューヨーク市5区の中で、マンハッタンの感染率が低かったのも、マンハッタンの人口がすでに減少していたからです。自宅勤務が推奨され、観光業が停止し、デブラシオNY市長によるとレストランの店内飲食が2020年内は行われない予定なので、ニューヨーク市に住む意義がなくなったこともあります。ニューヨーク市は家賃が高いことから、仕事がなければ、人口流出は当然の流れともいえますね。

マンハッタンの新規賃貸契約は23.4%減少し、リモート業務によりオフィスの不動産価値は約10%下落したと言われています。ただし、この機会に安く不動産を買う、コロナ禍でもビクともしない資金力のあるお金持ちもいます。羨ましいですね......

この次は、私のような一般庶民の住むクイーンズ区はどうなのか?ということを書きたいと思います。

■参照記事

All Photos by Sara Aoyama

筆者

アメリカ・ニューヨーク特派員

青山 沙羅

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

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