NYC地下鉄乗車の新しい常識【ニューヨークの新型コロナウイルス事情】

公開日 : 2020年06月13日
最終更新 :

NYC地下鉄乗車の新ルール

感染率の高さで、劣等生だったニューヨークシティは、第1段階を再開しています。仕事へ戻っているニューヨーカーはまだ第1段階の一部であり、地下鉄の利用客は前年度比の15%程度ですが、通勤の足である地下鉄はどうなっているでしょうか。現在のニューヨークの地下鉄乗車の新ルールをご紹介します。

ソーシャル・ディスタンスがマークされている

IMG_8157_3.jpg

ホームには、ソーシャル・ディスタンスを守るように、立ち位置がマークされています。他人と6フィート(約1.8m)の距離を保たなければなりません。

IMG_8166_3.jpg

隣に立つ人の間隔も空いています。今までは2〜3人横並びしていましたが、これからはひとりずつということですね。

IMG_8159_3.jpg

今はまだ第1段階のみ再開で、乗車率も15%程度でガラガラなので、楽勝で他人との距離を守れます。

IMG_8160_3.jpg

通勤の足が分散するようにバスの路線増加、マイカー通勤を推進していますが、自宅勤務が解け学校が再開したとき、どうするかですね。

IMG_8161_3.jpg

上部から見ると、こんな感じですね。また、地下鉄乗車の際は、マスク着用必須となっています。

せっせと清潔に努めるNYCの地下鉄

IMG_8162_3.jpg

ニューヨークの地下鉄は、正直本当に汚かったのです。線路にはゴミが落ち、車両内はゴミが散らかり、ホームレスが寝ていました。ニューヨーカーが黒い服を好むのは、黒がクールだからではなく、汚れがついても目立たないからが本当の理由だと思います。

クオモNY州知事は通勤者をウイルス感染から守るため、地下鉄運行は午前1時までとし、午前1時から午前5時の間、すべての地下鉄車両を消毒。ニューヨーカーが自宅待機の際に、多くのホームレスが地下鉄車両内を寝ぐらに占領しました。消毒のため、不潔なホームレスたちは車両から追い出され、今までになくきれいになりました。4年間も車両に住んでいたホームレスもいたというのですから、驚きですね。現在では、日中も駅構内掃除に努めています。

マスクとハンドサニタイザーあります

IMG_8163_3.jpg

公共交通機関は、手すりや構内入口のハンドルバーなど、他人と共有して触るものがたくさんありますね。そこで、手を消毒できるようハンドサニタイザーが置いてあります。この"NYS Clean"というハンドサニタイザーは、ニューヨーク製。ボトルへの詰め替えとパッキングのみ受刑者が行っているといわれています。MTA(地下鉄、バスなど)や学校、政府関係用向けに無料使用できるもので、市販はされていません。クオモNY州知事は、2020年3月9日の会見で、「アルコール度が75%と高く、ライラック、アジサイ、チューリップのようなフローラルの香りがする」といち押ししていたもの。

IMG_8170_3.jpg

「マスクを忘れた人&欲しい人」コーナーがあり、例のハンドサニタイザーの携帯用ミニサイズも置いてあります。無料でもらえます。このコーナーがあるので、「マスクを忘れた」という言い訳は通用しません。皆マスク着用必須です。

IMG_8168_3.jpg

さっそくもらっている人がいますね。マスクはいくらでも欲しいですから、地下鉄利用のときは、私ももらおうと思います。

IMG_8164_3.jpg

現在は新ルールもまだ試験的段階であり、今後もいろいろ変化があると思います。また、新しくルールが変わりましたら、随時お伝えいたしますね。

[All Photos by Hideyuki Tatebayashi] Do not use images without permission.

■参照記事

Governor Cuomo Announces State Will Provide Alcohol-Based Hand Sanitizer to New Yorkers Free of Charge-NYS GOV 2020年3月9日

全米で204万8986名、アメリカは世界一の感染者数。

NY時間2020年6月13日午前 3:33:17 時点の、感染症研究のエキスパート米ジョンズ・ホプキンス大学Johns Hopkins Universityの公式ウェブサイトによると、世界の感染者数は765万3993名。アメリカの新型コロナウイルス感染者数は204万8986名で、世界最多の感染国。アメリカはダントツの1位で、2位のブラジルの約2.5倍の感染者数。3位ロシア、4位インド、5位英国、6位スペイン、7位イタリア、8位ペルー、9位フランス、10位ドイツ。アメリカ、ブラジル、ロシアがワースト3を占めています。ロシアは死亡数が少なく回復数が多いのに対し、英国は死亡数が多く回復数が少ない、逆のデータが出ています。また、インド、ペルーの感染者数が増えています。

【新型コロナウイルス感染国ワースト5】2020年6月13日

世界の感染者数 7,653,993名(死亡425,903名)(回復3,632,190名)

1.アメリカ 2,048,986名(死亡114,669名)(回復547,386名)

2.ブラジル 828,810名(死亡41,828名)(回復445,123名)

3.ロシア 510,761名(死亡6,705名)(回復268,862名)

4.インド 308,916名(死亡8,884名)(回復154,303名)

5.英国 294,402名(死亡41,566名)(回復1,282名)

■参照データ

Johns Hopkins University. NY時間2020年6月13日午前 3:33:17 時点のデータによる

2020年6月12日現在 ニューヨーク州感染者数38万1714名

2020年6月12日付在ニューヨーク日本国総領事館の「総領事館からのお知らせ」メールによると、現在のニューヨーク州の感染者数は38万1714名。死亡者数は2万4442名。ニューヨークは世界の感染の震源地となり、アメリカは感染国ワーストワン(恐怖)。

ニューヨークシティで、感染者数が多い順番は、クイーンズ、ブルックリン、ブロンクス、マンハッタン、スタテンアイランド。いずれも人口密集地であることから、感染者数が連日増加しています。私の住むクイーンズ区は、人種のるつぼニューヨークシティの中でも、特に多様な人種が集まるエリア。6万3000人を超え、感染率はNYCの中で約30%とトップ。しかもエルムハースト病院(Elmhurst Hospital,Queens,NYC)の医療現場の惨さが世界中に伝わっています。いわば、世界一の感染拡大地域で、私はまだ生き延びています(泣)。マンハッタン区の感染者数が少ないのは、お金持ちはすでに、セカンドハウスを持つほかの州や、他国へ移動済みだからです。( )内は前日の数。

クイーンズ区:63,573名( 63,432名)

ブルックリン区:57,733名( 57,605名)

ブロンクス区:46,396名( 46,316名)

マンハッタン区:27,452名( 27,384名)

スタテン島区:13,800名( 13,780名)

詳細につきましては、在ニューヨーク日本国総領事館の新型コロナウイルス関連情報で確認することができます。

6月12日現在、当館管轄内における新型コロナウイルスの感染者数及び死者数は以下のとおりです。( )内は前日の数

○ニューヨーク州:感染者数 381,714名(380,892名),死者数 24,495名(24,442名)

感染者数内訳(主なエリア) 

ニューヨーク市:感染者数 208,954名(208,517名),死者数 15,503名(15,479名)

NY市の内訳

クイーンズ区:63,573名( 63,432名)

ブルックリン区:57,733名( 57,605名)

ブロンクス区:46,396名( 46,316名)

マンハッタン区:27,452名( 27,384名)

スタテン島区:13,800名( 13,780名)

ナッソー郡:41,114名(41,060名),死者数 2,667名(2,654名)

サフォーク郡:40,559名(40,512名),死者数 1,994名(1,994名)

ウエストチェスター郡:34,175名(34,106名),死者数 1,533名(1,531名)

ロックランド郡:13,396名(13,385名),死者数 466名(466名)

○ニュージャージー州:感染者数 166,164名(165,816名),死者数 12,489名(12,443名)

○ペンシルベニア州:感染者数 77,999名(77,313名),死者数 6,162名(6,113名)

○デラウェア州:感染者数 10,173名(10,106名),死者数 414名(414名)

○ウエストバージニア州:感染者数 2,249名(2,212名),死者数 88名(85名)

○コネチカット州フェアフィールド郡:感染者数 16,178名(16,155名),死者数 1,337名(1,333名)

○プエルトリコ:感染者数 5,536名(5,352名),死者数 146名(144名)

■ 在ニューヨーク日本国総領事館

299 Park Avenue, 18th Floor, New York, NY 10171

筆者

アメリカ・ニューヨーク特派員

青山 沙羅

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。