NYCでは2020年6月7日(日)まで夜間外出禁止令【ニューヨークの新型コロナウイルス事情】

公開日 : 2020年06月03日
最終更新 :

ブラックアウト・チューズデー(Black Out Tuesday)

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@Tachi NYC  インスタグラム所有者の許可を得て、使用しています。

2020年6月2日のSNSは、黒い画面で塗りつぶされました。2020年5月25日ミネソタ州のミネアポリス市で白人警官に押さえつけられ、黒人男性のジョージ・フロイド氏が死亡した人種差別事件に遺憾と追悼を示すため、ブラックアウト・チューズデー(Black Out Tuesday)として、暗闇で沈黙を守りました。米音楽業界の呼びかけから始まったそうです。

人種差別の抗議活動に紛れ込む略奪者

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マンハッタン ミッドタウンの日系スーパー。投石で割られたガラスドア。(C) Linda

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マンハッタン ミッドタウンの銀行。ガラスを木板でガードしている。 (C) Linda

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マンハッタン ミッドタウンにあるGAP(カジュアルウェア)。ガラスを木板でガードしている。 (C) Linda

拙記事にも書いたとおり、人種差別反対を訴えるグループのデモは、暴力的ではありません。警官が人種差別反対に賛意を見せれば、心が寄り添うものです。ただし、この抗議活動を利用して、破壊や強盗を行う犯罪者が紛れ込んでいます。彼らは暴動を煽り、抗議グループとは違った目的を持っているのです。

クオモNY州知事は、下記のように語っています。

抗議者は略奪者とは別

人種差別反対の抗議者とはまったく関係がない、異なる状況があります。今回のデモを利用して、状況につけこむ悪い奴がいます。破壊などの犯罪行為や略奪を行います。店の窓を壊し、中に入って盗みを行う悪者です。それは明らかに犯罪行為です。彼らには、フロイド氏の殺害に対する抗議のデモに加わる権利はありません。彼らはフロイド氏の殺害を犯罪の機会として利用して、デモの品位をおとしめているのです。(意訳 青山沙羅)

There's a totally different situation that has nothing to do with the protesters. People see this moment and they exploit it. And that is criminal activity and that is looting. That is people breaking store windows, going in and stealing. That's called criminal activity. They have no right to wrap themselves in the flag of righteous indignation of Mr. Floyd's murder. They demean Mr. Floyd's murder by using this as an opportunity for criminal activity.

Governor Cuomo Responds to Escalating Violence and Looting Amid Otherwise Peaceful Protests- NYS GOV  2020年6月2日

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ニューヨーク市では夜間外出禁止令を発令

ニューヨーク市では今回のデモの抗議者と略奪者を分けて暴動を止めるため、6月1日に引き続き、夜間外出禁止令が発令されています。前日は夜11時からでしたが、午後8時からと開始時間が早まっています。破壊や強奪は夜間に紛れて行われているため、略奪者を見張るためです。現在はウイルス感染防止のマスクで顔が隠れているので、犯罪者にとって好都合な時期ともいえます。夜間外出禁止令が功を奏したのか、TVのニュースを見ると6月2日現在、状況は改善しているようです。

ニューヨーク市の外出禁止令:2020年6月2日午後8時から3日午前5時まで(2020年6月7日(日)まで継続)

全米で183万1821名、アメリカは世界一の感染者数。

NY時間2020年6月3日午前 3:33:13 時点の、感染症研究のエキスパート米ジョンズ・ホプキンス大学Johns Hopkins Universityの公式ウェブサイトによると、世界の感染者数は638万5902名。アメリカの新型コロナウイルス感染者数は183万1821名で、世界最多の感染国。アメリカはダントツの1位で、2位のブラジルの約3.3倍の感染者数。3位ロシア、4位英国、5位スペイン、6位イタリア、7位インド、8位フランス、9位ドイツ、10位ペルー。アメリカ、ブラジル、ロシアがワースト3を占めています。ロシアは死亡数が少なく回復数が多いのに対し、英国は死亡数が多く回復数が少ない、逆のデータが出ています。また、インド、ペルーの感染者数が増えています。

【新型コロナウイルス感染国ワースト5】2020年6月3日

世界の感染者数 6,385,902名(死亡380,384名)(回復2,732,976名)

1.アメリカ 1,831,821名(死亡106,181名)(回復463,868名)

2.ブラジル 555,383名(死亡31,199名)(回復223,638名)

3.ロシア 423,186名(死亡5,031名)(回復186,602名)

4.英国 279,392名(死亡39,452名)(回復1,208名)

5.スペイン 239,932名(死亡27,127名)(回復150,376名)

■参照記事

Johns Hopkins University. NY時間2020年6月3日午前 3:33:13 時点のデータによる

2020年6月2日現在 ニューヨーク州感染者数37万3040名

2020年6月2日付在ニューヨーク日本国総領事館の「総領事館からのお知らせ」メールによると、現在のニューヨーク州の感染者数は37万3040名。死亡者数は2万4023名。ニューヨークは世界の感染の震源地となり、アメリカは感染国ワーストワン(恐怖)。

ニューヨークシティで、感染者数が多い順番は、クイーンズ、ブルックリン、ブロンクス、マンハッタン、スタテンアイランド。いずれも人口密集地であることから、感染者数が連日増加しています。私の住むクイーンズ区は、人種のるつぼニューヨークシティの中でも、特に多様な人種が集まるエリア。6万2000人を超え、感染率はNYCの中で約30%とトップ。しかもエルムハースト病院(Elmhurst Hospital,Queens,NYC)の医療現場の惨さが世界中に伝わっています。いわば、世界一の感染拡大地域で、私はまだ生き延びています(泣)。マンハッタン区の感染者数が少ないのは、お金持ちはすでに、セカンドハウスを持つほかの州や、他国へ移動済みだからです。( )内は前日の数。

クイーンズ区:62,293名(62,094名)

ブルックリン区:56,242名(56,053名)

ブロンクス区:45,466名(45,359名)

マンハッタン区:26,814名(26,721名)

スタテン島区:13,562名(13,537名)

詳細につきましては、在ニューヨーク日本国総領事館の新型コロナウイルス関連情報で確認することができます。

6月2日現在、当館管轄内における新型コロナウイルスの感染者数及び死者数は以下のとおりです。( )内は前日の数

○ニューヨーク州:感染者数 373,040名(371,711名),死者数 24,023名(23,959名)

・感染者数内訳(主なエリア) 

ニューヨーク市:感染者数 204,377名(203,764名),死者数 15,308名(15,283名)

NY市の内訳

クイーンズ区:62,293名(62,094名)

ブルックリン区:56,242名(56,053名)

ブロンクス区:45,466名(45,359名)

マンハッタン区:26,814名(26,721名)

スタテン島区:13,562名(13,537名)

ナッソー郡:40,572名(40,479名),死者数 2,622名(2,619名)

サフォーク郡:39,980名(39,705名),死者数 1,957名(1,954名)

ウエストチェスター郡:33,633名(33,552名),死者数 1,506名(1,501名)

ロックランド郡:13,223名(13,185名),死者数 463名(458名)

○ニュージャージー州:感染者数 161,545名(160,918名),死者数 11,770名(11,721名)

○ペンシルベニア州:感染者数 72,894名(72,282名),死者数 5,667名(5,567名)

○デラウェア州:感染者数 9,685名(9,605名),死者数 373名(368名)

○ウエストバージニア州:感染者数 2,041名(2,017名),死者数 77名(75名)

○コネチカット州フェアフィールド郡:感染者数 15,776名(15,709名),死者数 1,287名(1,288名)

○プエルトリコ:感染者数 3,935名(3,873名),死者数 138名(136名)

■ 在ニューヨーク日本国総領事館

299 Park Avenue, 18th Floor, New York, NY 10171

筆者

アメリカ・ニューヨーク特派員

青山 沙羅

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

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