ニューヨーク州がマスクや医療用の手袋の買いとりを希望しています【ニューヨークの新型コロナウイルス事情】

公開日 : 2020年03月21日
最終更新 :

2020年3月20日現在ニューヨーク州感染者数8516名

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2020年3月20日 タイムズスクエアの様子。様変わりしたニューヨークを眺める人々。

2020年3月20日付在ニューヨーク日本国総領事館の「総領事館からのお知らせ」メールによると、現在のニューヨーク州の感染者数は8516名。死亡数は44名。気になっていたニューヨークシティ5区の感染者数の内訳が、明示されるようになりました。

ニューヨークシティは、感染者数が多い順番は、ブルックリン、クイーンズ、マンハッタン、ブロンクス、スタテンアイランド。ブルックリン、クイーンズ、マンハッタンの3区は、人口密集地であることから、感染者数が増加しています。

ブルックリン区:1,518名(1,030名)

クイーンズ区:1,406名(980名)

マンハッタン区:1,314名(976名)

ブロンクス区:667名(463名)

スタテン島区:242名(165名)

詳細につきましては、在ニューヨーク日本国総領事館の新型コロナウイルス関連情報で確認することができます。

3月20日現在,当館管轄内における新型コロナウイルスの感染者数及び死者数は以下のとおりです。( )内は前日の数

○ニューヨーク州:感染者数8,516名(5,298名),死者数44名(35名)

・感染者数内訳(主なエリア)

ニューヨーク市:感染者数5,151名(3,615名)、死者数29名

NY市の内訳

ブルックリン区:1,518名(1,030名)

クイーンズ区:1,406名(980名)

マンハッタン区:1,314名(976名)

ブロンクス区:667名(463名)

スタテン島区:242名(165名)

ウエストチェスター郡:1,091名(798名)(ニューロシェル「封じ込めエリア:3/15ー25」は現在も有効)

○ニュージャージー州:感染者数890名(742名),死者数11名(9名)

○ペンシルベニア州:感染者数268名(185名),死者数1名(1名)

○デラウェア州:39名(30名)

○ウエストバージニア州:8名(2名)

○コネチカット州フェアフィールド郡:122名(69名),死者数2名(2名)

○プエルトリコ:14名(6名)

○バージン諸島:3名(3名)

■ 在ニューヨーク日本国総領事館

299 Park Avenue, 18th Floor, New York, NY 10171

100%在宅勤務で在宅推奨、自宅外の家族や友人にも会えない

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2020年3月20日 店舗閉鎖のお知らせを貼るジーンズ・ブランド。

連日増加する感染者数と比例して、厳しく変わっていく行政命令。飲食系やスーパー、医療関係などのライフラインのビジネス以外は、すべて出勤禁止。在宅勤務、もしくは自宅待機という名の失業で、ニューヨークの非雇用者は半数以上に上るものと思えます。非常事態が解除されたとき、その企業やお店が営業再開できる保証もないのです。公共交通機関(地下鉄や電車、バスなど)は、現在はほぼ乗車する人がおらず、こんなことなら今月の定期(マンスリーパス)は買わなきゃよかったとニューヨーカー全員が後悔しています。同居していない家族や語り合いたい友人とも、会うことは控えるように命令が出ています(家族の集会により感染者が増えた例があるため)。

【2020年3月20日発表 クオモNY州知事の行政命令】

●州民サービスに必要不可欠な機能(飲食系やスーパー、医療関係)以外の、全労働者は在宅勤務とする。(前日の会見で労働者の25%以上を出勤させてはならないという行政命令を、100%出勤禁止に変更)

●自宅に留まり、戸外の活動は真に必要な活動に限る。

●公共交通機関(地下鉄や電車、バスなど)をできる限り使わない。

●必要不可欠な食料品等の買い物は可能とする。

●レストラン(持ち帰り、宅配のみ)や食料品店、薬局、医療機関、ガソリンスタンド、ドライクリーニング、郵便局、公共交通機関などの営業は継続する。

●屋外の散歩や自然のなかで運動はできるが,基本的には単独行動で、ほかの人から6フィート(約1.8m)の距離を保つ。

●緊急ではない限り、(同居していない)家族や友人と会うのはどのような規模であっても控える。

ニューヨーク州が、マスクや医療用の手袋の買いとりを希望しています

ニューヨーク州で感染者が急速に増加しているため、医療従事者の使用する医療用の手袋、マスク、ガウン(治療の際に着るもの)が、深刻な品不足になっています。ニューヨーク州知事は、在庫を持つ業者や販売元に、ニューヨーク州が医療用の手袋、マスク、ガウンを買い取ると呼びかけています。また、医療用の手袋、マスク、ガウンを製造する希望のある会社または会社設立希望者に資金提供ができるので、会社を設立して医療用の手袋、マスク、ガウンを製造するようにと呼びかけています。

●ニューヨーク州で、感染者の治療にあたる医療従事者の医療用の手袋、マスク、ガウンなどの製品(感染を防ぐ保護具をPPEと呼ぶ)が不足しているなかで、知事は、すべてのPPE製品提供者に、必須ではないまたは現在使用されていない製品を州に販売するよう求めています。

州への製品の販売に関心のある企業は、Simonida Subotic 646-522-8477またはcovid19supplies@exec.ny.govに連絡してください。

●ニューヨーク州知事は、適切な機器または人員を備えた企業に、可能であればPPE製品の製造を開始するよう奨励しています。ニューヨーク州は、企業に資金を提供する用意があります。

PPE製品を製造するために州の資金を受け取ることに関心のある企業は、EricGertlerの212-803-3100またはCOVID19supplies@esd.ny.govに連絡してください。

Additionally, amid a shortage of personal protective equipment -- or PPE -- products in the state, including gloves, masks and gowns, the Governor is asking all PPE product providers to sell to the state any products that are not essential or not currently being used. Businesses interested in selling products to the state should contact Simonida Subotic at 646-522-8477 or covid19supplies@exec.ny.gov.

The Governor is also encouraging any company with the proper equipment or personnel to begin to manufacture PPE products if possible. The state is willing to provide funding to any company to obtain the proper equipment and personnel. Businesses interested in receiving state funding to manufacture PPE products should contact EricGertler at 212-803-3100 or COVID19supplies@esd.ny.gov.

■参照記事

Governor Cuomo Signs the 'New York State on PAUSE' Executive Order - New York State

@NYGovCuomo

無神経なトランプ大統領の態度にうんざり

連日、トランプ大統領やニューヨーク州知事、ニューヨーク市長の会見が行われ、庶民は動向を見守っています。そのなかで、いまだに新型コロナウイルスのことを「チャイナウイルス」と失言を繰り返し、記者団の質問を遮り、的を得ない回答をする大統領に、庶民は大きく失望しています。自分は関係ない、よく知らないから側近が代わりに答える、アメリカの経済はすぐ回復するなどの連日代わり映えのしない態度に、うんざり。ニューヨーク州知事やニューヨーク市長が、皆が不安を感じるのはよく理解できる、皆同じ状況だから精神的には寄り添おうという人間的な発言をするのに対し、大統領からは国民をいたわるような発言は出ません。現在の国民の関心は、アメリカ経済にはなく、ただ不安を感じているのです。人間的な優しい言葉、一緒に乗り切ろうという発言があれば、どんなに励まされるでしょう。

3月18日にドイツの首相が行った新型コロナウイルスに関するスピーチをすばらしく訳してくださっている方がいます。興味のある方は、ご覧になってください。国民は、不安を落ち着かせてくれる指導者の言葉を待っているのです。

新型コロナウイルスの影響について、ニューヨーカー(日本人男性)に聞きました

新型コロナウイルスの大流行は、現在全世界で一番の関心事で、大きなダメージです。玉石混交の情報が飛び交うなかで、実際にニューヨーカーはどう考え、行動しているのか伺いました。回答してくれたのは、50代の日本人男性Hさん(フォトグラファー)。

進行していた多額の報酬のプロジェクトが氷結。経済的に大打撃。

1.あなたの新型コロナウイルス対策について教えてください。

外出する時は、マスクの上にバンダナをして怪しい人になる。手をよく洗い、外ではなるべくものに触らない。帰宅後はうがいをして、アルコール(ビールかワイン)消毒。そのうち完全外出禁止になると思うので、最終的には籠城になるでしょう。

2.仕事や生活に対する支障はいかがですか。

進行していた多額の報酬のプロジェクトが氷結してしまい、期待していただけに、大きな打撃。ほかのプロジェクトについても、どうなるのか現在は不明。

3.新型コロナウイルス情報を何から得ていますか。

テレビのニュース(CBS,ABC,NBC)とニューヨーク州知事と市長の会見や公式Webサイト。

4.アジア人に対する差別を感じますか(新型コロナウイルスが発生した中国人およびマスクの習慣があるアジア人に対して)。

トランプ大統領が先陣を切って、新型コロナウイルスのことを「チャイナウイルス」と発言する様子を見て、大統領支持者のヘイトクライム(憎悪犯罪)を煽っているのではないかと思う。

5.新型コロナウイルスはいつ終結すると思いますか。

今(2020年3月20日)から4〜6週あたりで発病者が減れば、8週(5月中旬以降)で見通しがつくと思う。

まだ先の見えない、新型コロナウイルスの終結。ニューヨーカーはどう感じているのか、引き続き生の声をお届けしたいと思います。

[Photos by Hideyuki Tatebayashi] Do not use images without permission.

筆者

アメリカ・ニューヨーク特派員

青山 沙羅

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

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