ブラックカルチャーを体感するならゴスペルを聴こう

公開日 : 2018年07月16日
最終更新 :

3か月ぶりの更新となってしまってすみません。

ブルックリン図書館でボランティアとして教えていた日本語クラスも終了しましたので、もう少しちょくちょくニューヨークの話題を取り上げられるようにがんばります!

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日ごろは会社も住居もあるミッドタウンを徘徊しているだけの私。地下鉄もめったに乗らない。

これではいけない、せっかくニューヨークにいるのだから、まだやっていないことをしなくちゃ。

と、知人でライター仲間の堂本さんが主催するゴスペル鑑賞とウォーキングのツアーに参加せてもらうことにした。

参加方法など詳細はこちら(↓)

集合場所は125丁目のハーレム目抜き通りーーではなくそこから南に下がった110丁目とレノックスアベニューが交差するところにあるダンキンドーナツ。ちょうどセントラルパークの北側にあたる。(ミッドタウンからは地下鉄の赤ラインで2番、3番のアップタウン方面に乗る。日曜日は、工事などでホームが変わったり、止まるところが違ったりとかなり苦労させられるので、乗る前に駅員に行き先を確認しよう。)

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ここで簡単なツアーの説明を受け、さあ出発。

ところでハーレムと言っても、今は大規模な再開発が進み、あちこちでコンドミニアムや商業用のビルが増えてきている。ゴミゴミしたミッドタウンを避け、まだ閑静さの残るこのハーレムエリアに居を構える有名人も多数いる。

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ちょうど待ち合わせ場所で、見上げたところにあるこのビルもラグジュアリーなコンドミニアム。ヤンキース時代のイチローもここに住んでいたそうだ。(巷では1か月の家賃が250万円とか!)まさにハーレムの再開発を目の当たりにできるロケーション。

再開発はここから125丁目の目抜き通りにかけて、ありとあらゆるところで進んでおり、数年もすればさらなる変貌を遂げていると想像できる。

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天気も良くブルーカラーのシティバイクと白い花が空の青さに映えている。1区間30分ごとの貸し出しバイクだが、ここからセントラルパークを走り回ってみるのは爽快だろう。

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グラフティーの前でワンポイント解説をする堂本さん。

開発が進む中で、昔ながらの低所得者用のアパートも立ち並ぶ。お金持ちと貧困の共存している実に不思議なエリアだ。

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ツアーは110丁目から北上して徒歩でゴスペル礼拝堂へ向かう。周辺に立ち並ぶ、無数の教会や東海岸特有の重厚なブラウンストーンの家々は相変わらずため息が出るほど美しい。ハーレムには大小合わせて200以上の教会があるとのこと。

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再開発の高層コンドミニアムも良いが、昔ながらのこのブラウンストーンの家に住み、古き良き時代のニューヨークを偲ぶ生活にもあこがれる。

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素敵な窓(↓)

GOS 素敵な窓.jpeg

さて、いよいよゴスペル鑑賞の時間。

ゴスペルはミッドタウンの教会でも聴けるが、ここはやっぱりハーレムでローカルの信者と時間を共有してみたい。

今回の鑑賞場所は、「ベッセル・ゴスペル・アセンブリー」。堂本さんと同様、10年以上もハーレムに住み、ゴスペルやスピリチュアル系の音楽プロデューサーとして国内外で活躍している打木希瑤子さんの計らいでツアーが実現したそうだ。

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(↑)正面からみた建物。プロテスタントの流れを組みいたってシンプル。ドイツ人によって運営が始まったものの、最近はフランスから聴きにくる観光客も多いとか。ゆえに英語、スペイン語の他、フランス語でのスピーチもあり。

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さすがに、日本語のスピーチはないが、日本人にはこの新約聖書日本語版が貸し出される。分厚い!

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みるみる人が埋まっていく。教会というより、近代設備を備えた講堂のような仕様。実は、もともとの礼拝堂は別にあり、日曜日朝8時と11時の2回にわけてゴスペルとミサを行っていた。が1回の収容人数は800名。2回で1600名。実際はそれ以上の人が押し寄せ外まであふれ出たために、この新しい礼拝堂を設立したそうだ。ここでの収容人数は2000名近くとのこと。いかに地元信者と、ゴスペルに興味のある観光客が多いかを物語っている。

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ゴスペルの時間が着た。初めてゴスペルを聴きに来た人は一様に起立し皆と抱擁したり握手したりする。ひとときの親交の時間だ。

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パフォーマンスは決して派手ではないが、教会での定番である賛美歌やオルガン、チェンバロの旋律しか聞いたことのない私には別の角度から「ハレルヤ」と「キリスト教」を体感できた貴重な時間だった。ゴスペル終了後、退出時には封筒に献金し(ツアー参加者は費用に含まれている)、静かに出ていく。(信者の方々はこれから礼拝の時間にはいる)

最後に別の部屋で打木さんより簡単な聖書にまつわるお話を聞く。世界史に登場するマルチン・ルターの宗教改革とその意義、また日本にまつわる話ではイエズス会の布教活動と信者の葛藤など私たちの国での実話もあり。

GOS 聖書の話.jpeg

その中で興味深かったお話は、「祈れば救われます」という儀式だけで解決に導くのではなく、地域の人々の生活に関わり、悩みを聞き、共に考える。そして皆で協力し、学び、お互いに役立つような行いへと繋いでいく、いわば地域密着型の社会・文化交流が教会の目指すものということだ。

ゴスペル+礼拝に参加して何を感じるとるかは人それぞれだ。この体験によって、人生をもう一度見つめなおそうという人も中にはいるのかもしれない。

ゴスペル/スピリチュアル音楽プロデューサー打木希瑤子(うちききょうこ)さんのサイトはこちらから(↓)

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