禁じられた公園(?) 〜 グラマシーパーク&ホテル

公開日 : 2006年10月06日
最終更新 :
グラマシー.jpg

レキシントンアベニューをどんどん下がると突然21丁目で公園につきあたる。その公園を突っ切ろうにも門が立ちふさがり、いつもロックされた状態だ。ごく普通の公園のようなのになんなのこれは? 実はこれが有名なグラマシーパークなのだ。何が有名なのかというと、一般人の立ち入りが禁じられていること。公園に入る権利を持っている人びとは、周囲に家を持っている住民のみ。「何々ブロックまでの人が、公園の鍵を持つ権利がある」ときちんと決められているそうだ。いつ見ても、中にはほとんど人がいないので権利を持っている人はほんとうに限られた人だけなのだろう。うらやましい。

ところで私たちでもひとつだけ中に入れる方法がある。21丁目の公園の前にたつグラマシーパークホテルに滞在すること。宿泊者には公園の鍵を貸してくれるのだ。

先日この内部を見る機会があったが、これぞまさにNYならではのホテル。扉をあけてもらうと(ドアマンやベルボーイの白人男性は皆モデルのようにハンサムぞろい!)そこからもう西洋館にお招きを受けた客人のような気分になった。高い天井、少し古めかしくもノスタルジックな雰囲気の漂うインテリア。重そうなどっしりとした木製のテーブルは一瞬「ここでタロット占いをやるのか」といった錯覚をおこしてしまう代物だ(ホテルのロゴマークGPHからして「マジナイの館」というイメージなのだ)。

ペントハウススタイルを含むトータルの部屋数は185室。薄暗い廊下だけに、部屋の扉をあけると窓の日差しが幾分まぶしい。ここから眺めるグラマシーパークは、外を柵越しから眺める分にはわからなかった美しいレイアウトを垣間見ることができる。

部屋の内部は住居デザインを手がけるイアン・シュラガーのこだわりで、どこもかしこもアートづくし。シャワー室に置かれた2枚の巨大な熱帯葉。さめの歯のようなランプ。洗面台の天井両端からは、シャボン玉のように透明な大小の球状バルブが、ブドウの房状に垂れ下がっている。クオリティーの高そうなオフホワイトのベッドカバーの上には、ネイビーカラーのベルベットのドレープが、さりげない装いで斜め掛け。アートのセンスのない私は最初、お掃除の人が置き忘れた(!)布地かと思った。革張りのテーブルの上で取るブレックファーストはどんな気分だろう。ソファーにもショールのような布地が片側だけに敷き詰められ、座るのがもったいないようだ。

一昔前までは安かったルームレートも今では1泊$400をくだらないこのホテル。それでも、ハンサムな男性にドアをあけてもらい、公園の鍵を受け取り、西洋のお屋敷にお呼ばれされた気分も味わえるのだったらそんなに高い買い物ではない?

Gramercy Park Hotel

2 Lexington Ave (21st at Lex AVE)

TEL; 212-920-3300

http://www.gramercyparkhotel.com/

写真はいつも鉄門で閉じられたグラマシーパーク。

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