ビルの谷間で新鮮な食材を! ユニオンスクエアーの青空市

公開日 : 2005年10月17日
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米国の地方に行くと、食材の調達には大型スーパーマーケットに行くしかない。これはひとえに土地が広く、車に頼らざるを得ない環境によるものだろう。しかし、徒歩で買い物ができるニューヨークのマンハッタンとなると、スーパー以外に野菜や、肉、乳製品などの専門店がけっこうある。たとえばチャイナタウンには魚屋や八百屋、パン屋など。アップタウンにもジューイッシュ特製のベーカリーがある。42丁目のグランドセントラルターミナル構内にも、規模は大きくないが、チーズ専門店、パン、野菜や果物、肉などに分かれた生鮮食料店が軒を並べている。15年以上もマンハッタンに住む友人は、大型スーパーよりもこういう専門店で食材をこまめに買う方が好きなのだそうだ。(ものぐさな私は「いちいち財布の口を開くのは面倒じゃない」と思うのだが)そんな彼女の一押しの食材調達エリアは、ユニオンスクエアーの一角を占めるファーマーズマーケットだ。(もしくはグリーンマーケットとも呼ばれている)毎週月・水・金・土が開催日となっている。これは朝早くから、ニュージャージー州やハドソン渓谷など郊外から運搬してきた農家の人の手になる直販マーケット。アスパラガスやトマト、きゅうり、もも、りんごなど、ごく一般的なものから、料理用の様々なハーブまでも売られている。またオーガニックという表示も多いのは最近のヘルシー志向を反映してのことだろうか。こういった新鮮でクオリティーの高い食材だけに、一般人のみならず、有名レストランのシェフまで毎朝買出しにやってくるのだそうだ。また、野菜や肉類だけでなく、パンや手作りクッキーを販売しているテナントもけっこうある。パウンドケーキには、キュウリ味やにんじん味などちょっと工夫をこらしたものも多い。クッキーにいたっては、「VEGAN」つまりベジタリアン用と表示されているものも。つまり、牛乳や卵などが使われていないということだろう。そのほか、観葉植物や花の販売店もあり、ちょっとしたガーデンのようだ。青空市はアジアやヨーロッパではめずらしくもないが、大型スーパーしか知らないアメリカの地方都市からやってくる人々にとっては非常に興味深い光景かもしれない。余談だが、この間初めてニューヨークが舞台となったトム・ハンクスとメグ・ライアンの「ユー・ガット・メール」を見た。"I wanted it to be you" 最後にメールの相手が、願ったとおりトムであることがわかって幸せな表情を浮かべるメグ。ここが一番感動的シーンなのだろうが、私にはラスト手前の方で、同じような青空市で買ったりんごをベンチに座り、2人で仲良く食べている方が印象深かった。日系マートで買った最中(もなか)のチョコアイスばかりをベンチで食べるのが日課になってしまった私には、あるべき健康的、理想的な生活の一面を見せ付けられたように感じたのだ。よし、私も明日からは、青空市通い。ベジタリアンとはいかないまでも、新鮮な野菜とくだもの中心、ヘルシーライフの実践者になろう。と心に固く誓うのだったが、さてー。

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朝8時から夕方6時くらいまで。農家の人はこの準備と運搬のために3時くらいにおきるのだそうだ。

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