奈良にも大文字があります

公開日 : 2018年08月23日
最終更新 :
筆者 : 大向 雅
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お盆といえば盂蘭盆会(うらぼんえ)という仏教行事からきていることは皆さま良くご存じだと思います。

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ご先祖様があの世から帰って来られるのをお迎えするためにお飾りをしたり迎え火を焚いたり、お帰りになるのを送るためのお経をあげたり送り火を焚いたりと、各地域や家庭で多少の違いはあるとは思いますが何らかの行事ごとがあるのではないでしょうか。

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中でも全国的に有名なのが毎年8月16日に執り行われる京都の五山の送り火だと思いますが、その前日、つまり8月15日に奈良でも大文字の送り火の行事が行われることはあまりご存じない方も多いのではないでしょうか。

京都の五山の送り火はとても歴史がある反面、その起源については諸説あって、いったいいつ誰によって始められたのかというような事が、実際にいまだに良く分かっていないまま現代に引き継がれているのです。。

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その点、奈良の送り火は歴史がまだ浅く、まさに8月15日の終戦記念日に合わせて、奈良県出身の戦没者29,243人の魂を供養する為に昭和35年から始められた行事なので、今年でまだ58回目ということになります。

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奈良公園の中でも鹿の運動場のような広さを持つ飛火野(とびひの)がメイン会場です。

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あたりが薄暗くなってきた18:30に慰霊祭が始まります。

先に書いたように一般的にお盆とは仏教行事ではありますが、奈良の場合はあくまでも慰霊ということに重きを置いていますので、神式と仏式の両方で行われる神仏習合の形を残した大変珍しいもので、まずは神官の祝詞が奏上された後に、僧侶による読経が始まります。

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点火は20時で、真っ暗になった高円山(たかまどやま)に大の文字が浮かび上がります。

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1画目が109メートル、2画目が164メートル、3画目が128メートルもある巨大な「大」の字は、高い建物が無い奈良市内では、けっこう離れた所からでも見ることができます。(わが家からも)

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これだけ大きいと戦没者の方々だけでなく、お盆にそれぞれのお家に戻っておられたご先祖様も、帰り道に迷わずに済みますね。京都のような華やかさはありませんが、大混雑もなくゆっくりと楽しめますので、よろしければ、また来年のお盆に奈良へいらしてください。

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