二月堂から奈良を展望

公開日 : 2017年11月02日
最終更新 :
筆者 : 大向 雅
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今回は東大寺の二月堂へ参ります。二月堂とは、旧暦の二月(現在の三月)の一日から二週間の間、修二会(しゅにえ)という行法が行われることに由来しています。

大仏殿の回廊から出てすぐ目の前の坂道を手向山八幡宮に向けて上がって行くのが一般的なルートですが、私はここを通らずに回廊に沿って大仏殿の裏手の参道から二月堂へ向かいます。

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こちらのルートはほとんど観光客が歩いていませんし、石畳と土塀の向こうに段々と二月堂が現れる感じの方が古都の風情を楽しんでいただけると思います。

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二月堂には階段が二つありますが、屋根付きの方はかなり勾配がキツイですから上る時は南側の広い石段をおすすめいたします。

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現在の本堂は江戸時代の1669年に再建されたもので、2005年に国宝にしていおされました。ご本尊として大観音(おおかんのん)、小観音(こがんのん)と呼ばれる2体の十一面観音像をお祀りされていますが、完全に秘仏となっておりますのでお堂の前からお参りするだけで、残念ながらお顔を拝することはできません。

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修二会を勤める練行衆(れんぎょうしゅう)の道明かりとして、大きな松明(たいまつ)が欄干から突き出され火の粉が舞い散る様子から、何か派手なお祭りのように思われがちですが、鎮護国家、天下泰安、風雨順時、五穀豊穣、万民快楽など、人々の幸福を願うために、私たちが日常に犯しているさまざまな過ちを、二月堂のご本尊・十一面観世音菩薩にたいして懺悔(さんげ)するというものなのです。その時に閼伽井屋(あかいや)から取った御香水を捧げる行があることから通称・お水取りとも言われています。752年に大仏が開眼されたときに始められて以来、1266回一度も途絶えることなく続けられていますので本当に歴史がある行法だといえます。

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二月堂からの眺めは最高で、大仏殿の大きな屋根をはじめとする諸堂、平城宮跡の大極殿までもが見渡せ、天平時代の風を肌で感じることができる場所ですから、ぜひ上がって頂きたいと思います。

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