あまねく光を照らす大仏様
さて、いよいよ大仏様にご挨拶に参りましょう。
受付で参拝券を買い求めていただき、いよいよ大仏殿へ続く参道へ出ますと、いちだんとその迫力が伝わってきます。
天平時代の752年に創建されて以来1265年、何度も戦火や災害に見舞われてきました。しかし先人達の血のにじむような努力のおかげで不死鳥のように甦り、現代にまでその姿を残して下さってますが、奇跡的にそれらの被害にあわずに創建当時のまま残されている遺構がいくつかあります。
その一つがこの大仏殿の前に立つ金銅八角燈籠(こんどうはっかくとうろう)で、高さは約4.6mあり、大仏殿に相応しい大きさを誇ります。もちろん各時代に修理は施されているものの、創建時の姿をそのまま留めており天平文化を現代に伝えてくれる数少ない遺構の一つであり、一級品の資料でもあることから堂々の国宝に指定されています。
国宝と呼ばれるものの多くは、博物館や美術館などで厳重に保管されていますので、あまり間近でみることができないこの燈籠は1260年以上の時を超え戦火や自然災害をくぐり抜け、こうして我々の目の前に立ってくれているだけで、もの凄くありがたい事だと思います。
火袋の東西南北は観音開きの扉になっており、それぞれの間の羽目板4面には楽器を奏でる音声菩薩(おんじょうぼさつ)像が浮き出るように鋳造されているのがお分かりいただけますでしょうか?注目して欲しいのは菩薩たちの顔です。皆さんとてもふくよかで丸いお顔立ちをされているんですよ
仏像というのは飛鳥時代、白鳳時代、天平時代というように美術的観点による造像の時代ごとに材料や技法、スタイルや顔立ちなどに特徴があります。そしてこちらの丸い顔をされた菩薩様たちは天平時代の仏像の主流だったことが分かります。このことから今の大仏様はどちらかと言えば四角い感じですが、創建当時はきっと丸く大きなお顔だったと想像できます。
4面の羽目板のうち2枚はオリジナルで後の2面は破壊されたために精巧なレプリカですが、目を凝らして見てもどれがそうなのかさっぱり分からないほど素晴らしい出来栄えです。1200年以上の時空を飛び越えて職人さんたちがコラボレーションしているなんて夢のようですよね。
大仏殿の前に立つと、大きさをより実感しますが、それは単純に高さが何m、幅が何mというような細かい寸法上のことではなく風格と威厳が放つオーラそのものであり、その圧倒的な存在感のことです。
堂内に入って大仏さまにお会いすると、これまたあまりの大きさに逃げ出したいような気持ちになりますが、よくお顔を眺めると目がとても優しく涼やかなので、思わずこちらもニッコリとしてしまいます。大仏殿は内外ともに写真撮影が許可されているのも嬉しいです。
待ち受けや壁紙にしておけばいつも見守っていただけるかもしれませんね。
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