モッツァレッラはチーズ?【モッツァレッラ】の正体とは?

公開日 : 2020年05月27日
最終更新 :
筆者 : Nakky

皆さん こんにちは!

最近は新型コロナウイルスの話題が続いていたので、今日はちょっと違う話題を。

カンパーニア州の有名な食べ物といえばたくさんあります。

グラニャーノのパスタ、サン・マルツァーノのトマト、ソレントやアマルフィ海岸のレモンなどなど。。

そのなかでもやはり有名なのはモッツァレッラ・ディ・ブーファラではないでしょうか。

私はアレルギーというわけではないのですが、乳製品があまり好きではありません。

お店にたくさんの種類のチーズや乳製品が並んでいると「好きだったら幸せだろうなあ。全制覇するのになあ」といつも思います。

ワイン同様にチーズ類も場所によっていろいろあるので旅行に行ったとき、その土地の特産チーズ類を食べてみたいといつも思いますが、今は食べられず残念です......。

ところで、よくこちらの人が外国人や北イタリアの人に問題することがあります。

「モッツァレッラはチーズ?」

「モッツァレッラはどこで保存する? 冷蔵庫? 冷凍庫?」

皆さんはわかりますか?

正解は、モッツァレッラはチーズ(FORMAGGIO‐フォルマッジョ)ではありません。

乳製品(LATTICINO‐ラッティチーノ)です。

そして保存する場所はどっちも不正解。常温で保存します。

私もナポリに来たばかりのとき、サルメリーア(SALUMERIA。ハムやチーズ、乳製品を売ってるお店)でモッツァレッラを買ったときに、お店の人に「冷蔵庫に入れちゃダメだからね!」といわれました。

これはモッツァレッラだけじゃなくてプローヴォラやフィオルディラッテなども同じです。

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写真はイスキア島で買ったポルタ・モッツァレッラ

モッツァレッラを買うとき、モッツァレッラを保存してるお水を少しビニールに入れてそのなかにモッツァレッラを入れて売ってくれます。

家に着いたらポルタ・モッツァレッラにお水ごと入れて保存をし、食べるときに上にのせてお水を切って食べます(食べるときに冷水で洗ってから食べる人とそのまま食べる人とがいます)。

カンパーニア州といっても大きいのですが、モッツァレッラの有名な場所はアヴェルサ(AVERSA)とバッティパリィア(BATTIPAGLIA)です。

アヴェルサはカセルタ県にあり、バッティパリィアはサレルノ県にあります。

アヴェルサの方が弾力性があり、バッティパリィアの方が柔らかいけど切り口はよく軽いそうです。

それぞれ好みが分かれるようです。

モッツァレッラ・ディ・ブーファラといっても100%ブーファラ(水牛)の牛乳を使ってるものばかりではなくブーファラにヴァッチーノ(牛)を混ぜて作っているものもあります。

ブーファラ100%だと味にくせがあるようで、マイルドにするためにヴァッチーノを混ぜてあるところもあるそうです。

やはりブーファラは高めなのでヴァッチーノを混ぜるということもあるみたいです。

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上がモッツァレッラ・ディ・ブーファラ、下がプローヴォラ。

プローヴォラは切り売りして売ってくれます。ちなみにこれは350gです。モッツァレッラは250gです。モッツァレッラはいろいろな大きさがありますが、大きい方がおいしいそうです。

ヴァッチーノ(牛)の牛乳100%で作っているのがフィオル・ディ・ラッテです。

最初の搾乳を24時間以内に使用しているのでとてもフレッシュです。

ナポリ県にあるアジェーロラ(AGEROLA)が有名ですが、同じナポリ県のヴィーコ・エクエンセ(VICO EQUENSE)のはアジェーロラよりも味もよく値段も高価です。

味もモッツァレッラ・ディ・ブーファラよりも軽い感じです。

フィオル・ディ・ラッテはピザにとても合うのでよく使われています。

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写真左上がフィオル・ディ・ラッテ、右上がスカモルツァ。

下にあるのが時計回りにオリーヴェ・アッラ・カラブリセッラ(カラブリアの女の子という意味のオリーヴ料理。パプリカオイル漬けを入れてピリ辛にしたオリーヴ。ナポリのオリーヴの食べ方ですが、カラブリア州の料理は辛い料理が多いので、ピリ辛のオリーヴにピリ辛なカラブリアの女の子という名前をつけたんですね!)、そして、ナポリの野菜のフリアレッリ、カルチョーフィ(アーティチョーク)、ドライトマトです。

プローヴォラはモッツァレッラを熟成させたものです。

熟成期間は24時間から10日間くらいが通常で、6ヵ月くらい熟成させたものもあるそうです。

カンパーニア州ではブーファラで作るものが主流ですが、プーリア州などはヴァッチーノで作るようです。

プローヴォラで有名なのはフィオル・ディ・ラッテと同様アジェーロラ(AGEROLA)です。

私は乳製品が苦手なのでこの3つのなかだと一番プローヴォラの味が一番牛乳くさくなくて好きです。

なので私は料理にはプローヴォラを使うことが多いです。

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夏の昼ご飯。甘くて大好きなダッテリーニのトマト。こちらのオリーヴも有名なカンパーニア州のオリーヴェ・ヴェルデ。

プーリア州のアルタムーラのパンもおいしいですが、ナポリのパーネ・カフォーネもおいしいですよ。

パンも地域によって種類や味が違うのでいろいろな場所で試してみてくださいね!

以前サレルノに行ったときにサレルノ人の友達数人とヴェネト州のイタリア人の女の人とバールで飲む機会があったんですが、ヴェネト州から来た人が「サレルノに来たのにまだ1度もモッツァレッラを食べてないわ!」といったら、サレルノ人の人が「モッツァレッラは夕方なんてもう古くて食べないよ。朝作ってるんだから作りたてを食べないと」といってました。

私はナポリとサレルノと電車で1時間くらいなのにこんなにもモッツァレッラに対する考えが違うんだ!と思って私の彼に「サレルノってそうなんだねー」といったら「北イタリアの女の人とか外国人がいると盛り上げるために多少話を盛るんだよ」といってましたが。

やはりナポリよりもフレッシュなモッツァレッラを食べることが多いサレルノはちょっと違うかもしれませんね。

同じイタリアでも中部、北イタリアなどではなかなかフレッシュなモッツァレッラは食べられないのでぜひともカンパーニア州に来た際には食べてみてください!

筆者

イタリア特派員

Nakky

2006年からイタリア在住。色んなナポリを紹介したいと思っています。

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