【サニタ地区】セレブのための地下墓地
みなさん、こんにちは。
今日はバジリカ・サンタ・マリア・デッラ・サニタの地下にあるカタコンベ・ディ・サン・ガウディオーソ(聖ガウディオーソの地下墓地)をご紹介します。
サニタにはこのサン・ガウディオーソの他に、カタコンベ・ディ・サンジェンナーロ(聖ジェンナーロの地下墓地)と現在公開されていないカタコンベ・ディ・サン・セヴェーロ(聖セヴェーロの地下墓地)の三つがあります。
地下墓地をご紹介する前にちょっとバジリカ・サンタ・マリア・デッラ・サニタをご紹介させてください。
こちらは今の場所に5世紀くらいから小さな教会があったのですが、今のような形になったのは17世紀になってからです。
クリプタ
教会の一番奥のクリプタの一番奥の左側にある絵はナポリでも一番古いと言われているマリア様の絵です。
1809年にプレビシート広場にある王宮からカポディモンテに行くためにこの教会を壊して橋を作ろうと計画があがりましたが、幸い教会の回廊を半分壊すだけにとどまりました。
教会を入って奥の回廊に行くと中に橋の柱があるんです。
教会が壊されなかっただけ良かったですが、その橋ができたのでサニタ地区はカポディモンテへ行く通路ではなくなり町は栄えなくなっていきました。
教会の中にボクシングジムがあるっていうのもサニタらしいといえばサニタらしいですね。
そして、ここには日本26聖人の絵があります。
遠いイタリアの地で長崎の絵を見るのは感慨深いものがあります。
日本人を見たことのない外国人が想像で書いたであろう日本の風景、服装、顔立ちなど興味深いですね。
地下墓地のチケット売り場の後ろなのでわかりやすいので見てみて下さいね。
さて、カタコンベ・ディ・サン・ガウディオ―ソのお話に。
ここは5世紀くらいにはもう地下墓地がありました。
聖ガウディオーソは南アフリカ出身(現在のチュニジア)の聖人でナポリで亡くなり、この場所にお墓をたてられました。
今あるお墓がそうではないかと言われはています。
今見れる地下墓地はほんの一部で昔はとても大きかったようです。
その後この地下墓地は忘れ去らり、17世紀にドミニコ会が教会を作る際お金が必要なので、お金持ちの為の地下墓地を下に作りました。
この写真にあるのはかめを置きその上に死体を座らせ、長時間かけて内臓などをかめにいれ、骨だけの状態にしました。
そのあと、がいこつを取り、壁に穴をがいこつを入れる穴をあけ、その下に洋服とその人の名前を書きました。
今はがいこつはなく穴があいているだけですが、少し形跡を見ることができます。
こちらは剣を持っている人が騎士、黒い服を着ている人は裁判官だったようです。
生前のその人の特徴や職業などを絵に描いています。
教会の建築をした建築家もセレブではなかったですが、無料で建築したかわりにここに埋葬してもらったそうです。
ちょっと絵はごついですが、スカートを履いていて女性のお墓です。
男性が左の壁、女性が右の壁と別々なのですが、この壁だけはカップルで一緒にいます。
フィレンツェのウッフィツィ美術館にも描いた画家ジョヴァンニ・バルドゥッチもここに埋葬されています。
彼が描いた、シエナの聖カタリナの絵はこの湿気のある場所で一度も修復されず今でも綺麗な状態で残っています。
この場所が湿気が少ないのではないかとも言われてますが、奇跡だと思う人も多いようです。
チケットは9ユーロ2日間有効でカタコンベ・ディ・サン・ジェンナーロも同じチケットで見学することができます。
午後も見学可能な時もありますが、だいたい13時までです。
色々な所にカタコンベはありますが、こういうカタコンベはなかなか見られないと思います。
とても興味深いのでぜひお薦めです!
筆者
イタリア特派員
Nakky
2006年からイタリア在住。色んなナポリを紹介したいと思っています。
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