【サニタ】がいこつにお願いを。

公開日 : 2019年06月29日
最終更新 :
筆者 : Nakky

みなさん、こんにちは。

今日はサニタ地区で一番有名な場所「CIMITELO DELLE FONTANELLE」(チミテーロ・デッレ・フォンタネッレ)をご紹介します。

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巨大な空洞の中にがいこつが所せましと並んでいます。というのもここはもともとは建物を建てる時の素材を掘り出しいました。

町の中心のすぐ外にあり、場所的にも適していたため、その素材を掘り出した空洞を共同墓地として使っていました。

もともとは入って左側が教会の神父さんなど教会関係者、右側は一般の人の骨を置いていましたが、1656年のペストの大流行で大勢の人がなくなり、その後1836年のコレラでさらになくなるとお墓を作るスペースもないのでここに大量の骨が置かれることになりました。

1800年代には800万の骨があったといわれていて、今でも3000平方メートルと世界一大きな中に4万の骨があるといわれています。

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今では観光客に人気の場所なんですが、どうして有名になったのかというと、キリスト教にはダンテの神曲にもある天国と地獄の間に煉獄というのがあり、煉獄で長い間苦罰を受け罪を清めた後天国に行けるという考えがあります。

煉獄にいる魂をANIME PEZZENTELLE(アニメ・ペッツェンテッレ)といって、不幸な(不運な)魂と呼ばれていました。

人々は好きながいこつを一つ選び、煉獄にいる魂はのどが渇いてるのでお水をあげたり、パンなどをあげたり、がいこつ用を入れ物にいれきれいにしたりして大切にします。そうやって大切に大事にされると煉獄にいる期間が短くなり天国に早く行けると思われていました。

大事にしてあげるからその代わりに私のお願いもきいてと。お願いをします。

魂を天国に早くいかせてあげるというのは違いますが、お地蔵さんに洋服を着せてあげたりお金をあげるのにちょっと似てますかね?

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箱に入れたり、各々好きながいこつを大切にしてました。

ここにはいくつかの伝説があり、CAPITANO(隊長)と呼ばれているがいこつがあり、目の部分が黒くなっています。

これは女の人が一生懸命このがいこつを大事にしてお願いごとをしていました。その恋人があまりに女の人が大事にしているのでやきもちを焼き竹の棒で目を突き刺しました。

そしてその二人の結婚式の時、国家警察の制服を着た謎の人が現れます。誰だかわからず、誰ですか?と聞いたところ、帽子を取るとあの目を突き刺したがいこつでした。新郎新婦、招待客みんな怖さのあまりに死んでしまいました。

チミテーロ・デッレ・フォンタネッレの中にケースの中に二人の骨が入っているのがありますが、それはその時の新郎新婦だといわれています。

もう一つは汗をかいているがいこつで、コンチェッタさんと呼ばれていて、この人は一人ではなく何人ものお願いを叶えたために汗をかいているといわれています。

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ちなみに1960年代にこの行為は禁止されているので、今はがいこつにお願いごとはできません。

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信心深いカモッラ(ナポリのマフィア)の集会の場所でもあったようです。

世界一大きな共同墓地、圧巻です!

歴史中心地区からも近いので、一度行ってみてください。見る価値ありです。

しかも入場無料!

バジリカ・サンタ・マリア・デッラ・サニタのあるサニタ広場から橋の下をくぐりサニタ通りをまっすぐ歩き、Via Sanita(サニタ通り)が途中からVia Fontanella(フォンタネッラ通り)に名前が変わるので、フォンタネッラ通りをひたすらまっすぐ歩いていくと着きます。

住宅街を歩いていきますが、途中途中にストリートアートを見たり、雰囲気を楽しんで歩いてみてください。

地下鉄MATERDEI(マーテルデイ)からも徒歩10分くらいで行けます。

マーテルデイの駅を出てVia Guglielmo Appulo(グリエルモ・アップーロ通り)を少し歩くとVia Bartolomeo Caracciolo Detto Carafa(バルトロメオ・カラッチョロ・デット・カラーファ通り)をひたすらまっすぐ行き階段を降りるとフォンタネッラ通りに出るので通りを左に歩くと着きます。

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筆者

イタリア特派員

Nakky

2006年からイタリア在住。色んなナポリを紹介したいと思っています。

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