コロナ禍イタリア歌劇場内最初のコンサートに出演

公開日 : 2020年09月21日
最終更新 :
筆者 : ピッパ

Ciao a tutti!

さて、2020年9月5日モデナ歌劇場でルチアーノ・パヴァロッテイ没後13年目コンサートが歌劇場内で実験的に行われました。

これまでは、世界レベルで有名なミラノスカラ座はドゥオーモ広場やドゥオ―モ大聖堂の中など、そのほかのイタリア全土の歌劇場でも野外でコンサートやオペラ公演が再開されましたが、歌劇場内ではまだだったため、この筆者が偶然働いている歌劇場が最初にする試みとなり、約千人程度の観客が収容できる小さな歌劇場にもかかわらず、イタリアのトップニュースにもなる大イベントとなりました。

さすが、モデナ出身世界の大テノール歌手、ルチアーノ・パヴァロッテイの偉大さは亡くなったあとも年々増しています。

稽古中、歌劇場従業員入口では体温計モニターが設置され、そこでマスクを着用し体温を測ってから仕事ができる状態で、歌劇場内の通路では立ち止まることは不可能。限られた場所にしかいることができず、稽古場所でもマスク着用、稽古中のみマスクは外して歌うことができました。

なんとも張り詰めた状況でした、そのうえ合唱団員に椿姫のアンニーナ役(ソプラノ歌手)のオーデイションの権利が与えられ、オーデイションを受けていた人たちはいつも以上に緊張していて、結局ソプラノ歌手は選ばれず、コントロアルト歌手が選ばれるというなんともいえない結果となって、ソプラノ歌手で受けた人たちはがっかりしていた様子でした......。

でも仕方がありません、主役のソプラノ役の声とうまく調和できる人が必要で、同じソプラノですと、バランス的に難しい場合もあるのです。

そんななか、今回居候していたところで稽古の初日ハプニングが......苦笑

相変わらずなのですが、ドアが開かなかったのです、どうしようこれでは初日から遅刻になるだなんてもってのほか。歌劇場は遅刻厳禁なので、これだけは避けたかったのです。でもなかなかドアが開かず、合唱のマエストロにワサップで連絡をし、万が一遅刻をしてしまったら、申し訳ありませんと先に謝っておいて......(恥ずかしながら)それから悪戦苦闘で15分後やっとドアが開いてくれて無心で早歩きをし、なんとかギリギリ歌劇場へ到着できました......もう汗だくでした......

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これがなかなか開かなかったドア。

まさかロックされてしまい、解除するのにひと手間かかるという新しいドアだと安全なのですが頑丈すぎて不便なときもありますね......

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いつも感謝とお礼をして稽古へ向かいます!

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歌劇場舞台上で全体のオケ合わせ

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オケ合わせ休憩中同僚たちと!!!(もちろんマスク着用しています!)

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こちらはコンサート本番

ドニゼッテイのレクイエムを歌いました。

見てください、きちっとソーシャルディスタンスしています!

画像:モデナ歌劇場合唱団提供

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画像:モデナ歌劇場合唱団提供

ソーシャルディスタンスの方が個人的には気持ちよく歌えました。

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画像:モニカ・マンフレディ―ニさん提供

稽古はとてもハードスケジュールで、こんな少ない稽古日数では本番きちっと仕上がるの!?と毎回想像し、人件費削減、日数削減と、ますます仕事がしにくく厳しい状態ですが、それでも好きな仕事ができる喜びには代えられません......

それにしてもイタリア人たちはすごいのです、ラストスパートのパワーが半端ないです。

本当に本番に強く堂々としていてあっという間にやれちゃうのです。

これは日本人として見習わないといけない貴重な部分ですね。

そんなこんなで無事に本番は終わりました。

現在のところこの歌劇場側からコロナに感染されたという報告はありませんので、実験的に行われました歌劇場内での公演は成功したことになります。

しかしながらこれから秋になり、冬になり、寒くなる季節になりますと、どうなるのか予想もつきません。

まだまだ油断は禁物ですが、個々人が意識をして最低限のコロナ対策を続けていくことが必要だと思いました。

コロナが終息し、再びイタリアへ旅行が気軽に可能となればぜひ歌劇場へお越しくださいね!

現在このコンサートの模様はYouTubeから聞くことが可能です。

https://www.youtube.com/watch?v=wpzrbviPAhc

ピッパ

筆者

イタリア特派員

ピッパ

イタリアミラノへオペラ留学後日伊間を往復する暮らしを初め、結婚後はイタリア各地に移住。

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