イタリアの歌劇場のジンクス

公開日 : 2013年02月14日
最終更新 :

 今日テアトロに行くと、突然メンバーの一人に曲がった釘を渡されました。古株が新入りにプレゼントするのが恒例らしく、劇場に落ちている釘を持っていると幸運が舞い込むそうです。知らなかった〜!

 曲がっているピンや釘を拾うのは縁起が良いとされていて、かのパヴァロッティも演奏前にテアトロで釘を探していたとか。舞台人は縁起を担ぐ人が多いですが、私は高校生の頃にヤクルトにいた元プロ野球選手の古田敦也氏が「ジンクスが多い程脆くなるからジンクスは持たないようにしている」と言っていたのを聞いて「なるほど〜」と思って以来、できるだけジンクスは作らないようにしていました。

 でも、こうゆう伝統的ジンクスってなんだか好きです。ただ、国によってジンクスも違うために戸惑うこともあります。たとえば家の中で買ったばかりの傘を開いて、イタリア人を慌てさせたこともありました。(イタリアで屋内で傘を開くのは不幸を招くとされています。)

 イタリアの劇場では本番前に「tanta merda(たくさんの糞)!!!!」と声を掛け合い、おしりを叩き合います。これは昔お客さんが劇場にたくさん来た際は、馬車の通った跡にたくさんの馬の糞があったため、盛会を意味するそうです。そして、ゲネプロの時には舞台裏で決して拍手をしてはいけません。

 他にも紫色は嫌われるとか、劇場によっては何番目の席は「とある幽霊」のために空けておくとか(初日にその席に幽霊が訪れた公演は成功する)いろんなジンクスがあります。

 イタリアで頻繁に口にするのが、舞台だけでなく試験の前や大切な仕事の際などに「In bocca al lupo!(オオカミの口の中に!)」という言葉で、英語の「Good luck」にあたる「幸運を」「頑張って!」を意味します。これは昔狩りをする人の間で使われていた縁起担ぎの言葉だとか。「オオカミの口へ!」と言われたら「くたばれオオカミ!」を意味する「Crepi il lupo!」と返事をします。

 ナポリにも独特のジンクスがたくさんあり、信心深いナポリ人たちはそれはもうトコトンこだわります。特に数字それぞれに意味があるらしく、テーブル番号や座席番号、受験番号を非常に気にします。

 私は古田選手の言葉以来ジンクスは打ち破れ!がモットーですが、やはり気になってしまいます。

 日本の風水は最近イタリアでも知られてきています。でも、北枕は良くないというのは知らないイタリア人がほとんど。もっといろんな国のジンクスを知りたいな〜と思っています。(結局気にしているってことなのかも...)

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