音楽の話

公開日 : 2012年12月21日
最終更新 :

 最近はローマのスタジオにこもりっきり。街はすっかりクリスマス。イタリアのイルミネーションは、東京のものと比べると質素なものですが、ブランド店が立ち並ぶコンドッティ通りのショーウィンドウのクリスマスデコレーションは毎年見応えがあります。見に行けるといいな。

 そして、経済危機とは思えないほどにクリスマス時期のイタリア人の購買欲はすごい!

 さて、プロデューサーやアレンジャーに託された音楽に、自分のイメージの歌詞を日本語で書いて、まず日本語でレコーディングをし、それをイタリア語に翻訳して、メロディーとともにイタリア人の作詞家に渡して、歌詞を書いてもらうという作業をしています。

 それぞれの歌詞にはもちろん思い入れがあり、ハーモニーやメロディーから感じるものを言葉にすることはもちろん、その時の季節、空の色、私の感情などが歌となります。

 それがイタリア語になって私の手元に届き、そのファイルを開く瞬間ほど胸の高まるものはありません。言語が違うとニュアンスも変わり、響きももちろん変わるので、歌の雰囲気が変わるのですが、まさにぴったりでどうしようもなく嬉しい時と、表現したかったことと微妙にずれていて、悔しい思いをする時とがあります。

 その私の感覚は日本人としてのものでしかないので、この言葉はしっくりこないとイタリア人相手に説明しても、説得力がないのです。 

 もどかしいなぁと思う時は好きな音楽を聴きます。イタリアで出会ったお気に入りグループNegramaro(ネグラマロ)。Mr Childrenのイタリアバージョンといった感じで、切ないメロディーや共感できる歌詞を、特徴ある声のボーカルがパッションたっぷりに歌いあげます。ミスチル好きな人はきっとnegramaroも好きだと思います。

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 ネグラさんは6人からなるロックバンドで1999年に発足。イタリアのかかとの部分、プーリャ地方のレッチェ出身。2005年にサンレモ音楽祭に出場して有名になりました。中でもボーカルとギター、キーボードを担当するジュリアーノのカリスマ性はすごいです。彼は作詞作曲もしています。

 中でも好きな歌を紹介したいと思います。中には考えさせられる歌詞もあり、うまくは訳せませんが、少しだけ抜粋して日本語にして紹介してみます。

Cade la pioggia(雨が降る)

雨が降って、すべてを洗う。僕のホネまでも消し去る。

雨が降って、すべてが流れ落ちる。汚い水の上を滑り去る。

そう、でもそれがどうした?リフレッシュするといい、もし望むなら。

この私自身の汚い雨。残って何になるというのだ?

遠く、静けさの中で、見る。

僕らの情熱が隅っこで消える。

僕らのことを知らない。

Solo per te(ただ、あなたにだけ)

ただあなたのためだけに、星を確信する。終わりのない空を描く星、どこか君に似ている。

ただあなたのだめだけに、肌を変えよう。季節の移り変わりを、君なしで感じることのないように。

L'Immenso(計り知れないほど巨大な)

今、君と話しているのがなんだか変な感じがする。君の手をここに握りながら、君のことを考える。苦い涙なしで僕のことを見つめることができる君のことを。

もし世界を過去に戻すことができるとしたら、僕は間違いなく戻る。そして、もちろん君を。

深い一瞬のために、永遠の一瞬のために。

ここは全てがまるで、まるで何も。何もない。

 最後に、Domenico Modugnoという歌手の曲のカバー。イタリア全土で知られています。

Meraviglioso(素晴らしい)

本当だよ、信じて。それは起きたんだ。ある夜、橋の上で、暗い水を見てたんだ。飛び込みたいという激しい欲求を覚えながら。そして誰かが背中を触れたように感じたんだ。もしかすると天使、通行人のような格好をした。こう言いながら去ってった。「素晴らしい」「なぜ気づかないの?世界はこんなに素晴らしい」

 イタリア語を勉強するために聴くにも、聴きとりやすくて心地の良い音楽です。ジュリアーノの高音も大好きです。つい先日、Rai2チャンネルで彼らの特別番組を放映していました。イタリアでの人気は男女問わず絶大。youtubeの彼らのチャンネルでチェックしてみてくださいね。

 明日もいい音楽ができるように頑張る元気をもらいました。

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