ナポリの日常

公開日 : 2012年11月29日
最終更新 :

 運試しのイタリア生活。同じお金を払って、同じ時間の電車に乗っても、日によって電車の種類やきれいさが全然違ったり。バスが時間通りに着いたり、一時間遅れたり。郵便局の窓口できのうできなかった手続きが今日はできたり。同じBARの同じ店員が淹れたエスプレッソがきのうはおいしかったのに、今日はまずかったり...。

 一定でなければいけないはずのサービスが、その日の天候やその人の機嫌や、その時の雰囲気などでガラリと変わってしまう国なのです。

 銀行の長蛇の列。やっと順番が回ってきたと思えば、コーヒー休憩→妻からの電話→子供が風邪だと知らされる→もう仕事が手につかない、なんてよくある話。

 今日は本当にストレスを感じた!という日もあれば、今日は信じられない程いろんなことがうまくいった!という日もあるので、嫌な日は次のいい日のための札を手に入れたとでも思うようにしています。

 さて、いろいろ揃えなければいけない楽譜があったので、きのう音楽院の図書館に行きました。もちろんここではコンピューターで検索もできません。昔ながらの厚紙ラベルの中から楽譜の番号を見つけて、用紙に書いて、図書館の(全然音楽の専門知識のない)係員に渡すのです。本や楽譜は自分で探せません。

 そこに教員が来たり、来賓があったりすると、もちろんそちらが優先になってしまいます。長く待たされた挙句、遅くなったから今日はもう閉館にします、と13時に言われると言葉を失います。閉館が13時半なのですが、ここでは閉店や閉館の30分前にはみんなそわそわし始めます。きっと何食べようかなーなどと考え始めるのでしょう。でもそこでたとえ正当であっても口答えしたりすると、次から冷たい態度を取られることもあるので、ここはぐっと我慢。明日また来ますと笑顔で退散。

 今朝の9時半のレッスンの前に、と思って行くとまだ閉まっている...!開館時間が短すぎると怒っても無駄なパワーを使うだけなことは分かっているので、レッスン後に出直し。

 驚いたことに、きのう用紙に書いていた楽譜を用意してくれていました。ただし、貸出のできないこの図書館。それなのにコピー機すらありません。13時までに返却の条件で持ち出し許可をもらい、外にコピーへ。日本人は態度が良いなどとたくさん褒められ、なぜかまた来なさいと言われ、ようやく必要な楽譜を手に入れました。きのう我慢した甲斐がありました。(ちなみにイタリアでは自分でお店のコピー機を使えません。店員にコピーしてもらうので、またさらに時間がかかります。)

 日本では簡単な書類手続きなども、ここでは大変な忍耐強さを強いられるため、達成感もひとしおなのです。

 「今日は電車が遅れなかった」「今日の車内は危ない人がいなかった」「今日はおつりを間違えられなかった」そんなレベルのことで胸を撫で下ろす日々です。ちょっと私疲れています(笑)

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おじさんのアコーディオンに癒されたりもします。

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元気がない時果物をサービスしてくれたりします。

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