うだつの上がる町並み(岐阜県美濃市)は必ず訪れたいお薦め観光スポット!

公開日 : 2019年06月24日
最終更新 :
筆者 : hossie

 こんにちは。「地球の歩き方」名古屋・愛知特派員ブログ担当のhossieです。

 今回は美濃和紙で全国的に有名な、岐阜県美濃市の「うだつの上がる町並み」をご紹介致します。

 遠い昔、中学校の地理の授業で「hossie、和紙作りで有名なとこ、どこか知ってるか?」と先生にあてられ、自信は無かったものの、「美濃です」と答えたことを、今でも何故かはっきりと覚えています。

 あれから約40年が経ちましたが、本日初めて岐阜県美濃市を訪ねて来ました。

 美濃市が「うだつの上がる町並み」として国内外から大きな注目を集めていることを、読者の皆さんはご存知ですか?

 美濃市街地には江戸時代中期から明治初期に作られた「うだつ」の上がる家を中心とした古い町並みが保存された区域があり、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

 うだつとは、「うだつのあがらない」の語源となった防火設備で、屋根の両端を一段高くして火災の類焼を防ぐために作られた土造りの防火壁のことを言います。

 当時「うだつ」は大変高価でしたが、美濃市街では財産を築いた商人たちが富と粋を競って贅沢な「うだつ」を構えるようになり、逆に「うだつ」の上げられなかった商人を称して「うだつの上がらない」人と呼ぶようになりました。

 豪商が建てた伝統家屋に備え付けられた豪華な「うだつ」の装飾は圧巻で、最近では日本国内のみならず、海外からも多くの観光客が訪れるようになりました。

●「うだつの上がる町並み」です。旧商家の家並みが整然と軒を連ねています。

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●「うだつ」の画像です。後から作られた右の「うだつ」の方が高いのですが、次の画像を見ていただくと...

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●真下から見た画像です。右側の高い方の「うだつ」を奥に引っ込め、高さを目立たなくしています。隣人に対する気遣いとしてこうした造りにしているそうです。日本人の奥ゆかしさですね。

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 美濃市は名古屋の中心部から車で1時間ほどの所に位置しています。

 美濃に到着してまず、「美濃和紙あかりアート館」を訪れましたが、ここで美濃和紙で作られたあかりアートの幻想的な雰囲気にすっかり魅せられてしまいました。

 館内には光で映し出された和紙のオブジェが沢山飾られており、本当に美しかったです。

 イベント情報ですが、「うだつの上がる町並み」に美濃和紙によるあかりのオブジェを展示する「美濃和紙あかりアート展」が2019年10月12日(土)、13日(日)に開催されると聞きましたので、私も是非足を運んでみたいと思います。

●美濃和紙あかりアート館の2階に展示されているオブジェです。

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●10月のアート展では、画像奥のような幻想的な景色が見られます。

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 「美濃和紙あかりアート館」を出て次に向かったのが、旧今井家住宅です。

 旧今井家住宅は、和紙産業で財を成した今井家の旧家を生かした史料館で、江戸時代中期(18世紀末)に建てられた美濃市で最も古い「うだつ」が上がる町家です。

 日本建築ですので、パッと目に派手さはありませんが、最も格式の高い奥座敷には、床の間や違い棚、付け書院があり、欄間には見事な装飾が施されています。

 また、是非注目してみていただきたいのが、室内にある障子です。和紙を重ねる部分をあえて格子中央に持ってくる独特の千鳥張りと言う技法が施されています。

 この障子は、国の重要無形文化財でもある澤村正さんによるものです。

 澤村さんは、全国の和紙職人の中でも、技術の高さから唯一無二の存在で、90歳近くになった今も現役として活躍されています。

 京都の迎賓館に使われている障子紙はすべて澤村さんの手によるもので、それと同じものが旧今井家住宅に使われているのです。

●迎賓館でも使われている千鳥張り技法で作られた障子

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 また、美しく整備された庭園には水琴窟があり、水を掛けると穴から落ちた水が瓶の中で反響し、琴のような涼やかな音を聞くことが出来ます。

 こうした様々な技法が盛り込まれた旧今井家住宅は、今の貨幣価値で億単位のお金をつぎ込んで作られたと言われています。

●「日本の音風景100選」に認定されている水琴窟。美しい音色が印象に残ります。

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 美濃市を代表する商家である旧今井家住宅は、「うだつの上がる町並み」観光で外すことの出来ない観光スポットです。

 最近は海外からの旅行者も数多く訪れているほか、メディアでも大きな注目を集めており、つい先日もNHKのBSプレミアムで特集が組まれ、大きな反響を呼びました。多くの芸能人や文化人もこの街を訪れています。

 旧今井家住宅、美濃和紙あかりアート館、美濃和紙の里会館の3館共通チケットが800円で売られています。

 これらの施設をじっくり見ると、たっぷり半日以上は楽しめますので、是非皆さん「うだつの上がる町並み」(美濃市)に足を運んでみて下さい。

 なお、今回、旧今井家住宅でガイドをして下さった館長の古川英孝さんのお蔭で、「うだつの上がる町並み」の訪問が何十倍も中身の濃いものになりました。

 この場を借りて御礼申し上げます。有難うございました。

●美濃和紙あかりアート館

住所:岐阜県美濃市本住町1901-3

電話:0575-33-3772

開館:4月~9月=9:00~16:30、10月~3月=9:00~16:00

※入館は閉館時間の15分前まで

休館:12月~2月の火曜日、国民の祝日・休日の翌日、12月29日~1月3日

※火曜日が祝日・休日の場合は開館(12月29日~1月3日は除く)

入館料:大人(高校生以上)200円、団体(20名以上)150円

●旧今井家住宅・美濃史料館

住所:岐阜県美濃市泉町1883

電話:0575-33-0021

開館、休館等は美濃和紙あかりアート館と同じ

入館料:大人(高校生以上)300円、団体(20名以上)250円

●美濃和紙の里会館

住所:岐阜県美濃市蕨生1851-3

電話:0575-34-8111

開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

休館日:毎週火曜日・祝日の翌日(火曜日が祝日の場合はその翌日/祝日の翌日が土・日曜日の場合は開館)

入館料:大人500円(450円)/小・中学生250円(200円)( )内は団体料金

筆者

東京特派員

hossie

世田谷区在住のhossieです。皆様に楽しんでいただける記事を書いていきたいと思います。

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