ムンバイのDharavi(ダラヴィ)スラムツアー

公開日 : 2013年05月28日
最終更新 :
筆者 : 鳥巣 悠

5月のお題は"現地在住でも行きたくなる、ちょっとかわったオプショナルツアー"ということで、

以前私が参加した「スラムツアー」の体験をご紹介します。

このツアーを主催するのは、現地の「Reality Gives」というNPOで、

この団体はスラムで暮らす人たちに教育を受ける場所を与えたり、ツアーガイドという

仕事を与えることなどで、彼らが自立して生活できるよう活動をしています。

この団体では、ムンバイ市内やその近郊へ行く様々なツアーを提供しているのですが、

今回ツアーで見て回るのはアジア最大で100万人以上の人が暮らしていると言われている

Dharavi(ダラヴィ)地区。

映画「スラムドック・ミリオネア」の舞台にもなっている場所です。

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今回は午前中のショートツアーに参加したため、集合は朝のラッシュ時間。集合場所である

Mahim(マヒム)駅に行くと、ムンバイ名物!?危険な通勤列車の光景が広がっていました...。

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こちらのツアーでは、スラムで生活している人達のことを考え、「撮影禁止」が絶対です。

撮影したい気持ちは山々ですが、ツアーで生活を覗かれているだけで不快に思う人は

たくさんいると思いますし、そのうえ写真となればお金のトラブルなどもでてくることでしょうし、

仕方がないことですね...。

最初に高架の上でスラムについての説明を受けるのですが、ここからの

写真のみが許されています。

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右側の彼が今回私たちを引率してくれたガイドさん。

きちんとした格好をし、流暢な英語を話していますが、聞けば

彼もスラムで暮らしているとのこと。

この後の説明で初めて知ったのですが、このDharaviスラムに暮らせる人は

割と裕福な人で、運転手やオフィスワーカーなど、ほとんど外で仕事を持っているそうです。

そしてスラム内は「居住地域」と「仕事場としての地域」に分かれており、スラム内での

仕事は賃金も安く、それではとてもスラム内で暮らせないので、皆外から

(もっと貧しいスラムや路上生活の家から)通っているそう。

2年近く暮らしていても、知らないことがたくさんある「本当のムンバイ」。奥が深いです...。

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その後、「仕事場の地域」では、アルミやプラスチックのリサイクル業や、

皮をなめして製品にする場所、テーラーが集まって布の縫製をしている場所などを

案内してもらいました。

中でもリサイクルのためにアルミを粉状に砕いている場所は、空気中に粉が舞っており、

5分といられないほど劣悪な環境でした...。(それでも働いている人の日給は

1日100~200円だそう)

人口過密状態のムンバイでは、出るゴミの量も膨大で、リサイクル業はDharaviの中でも

重要な産業とのことです。

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(写真は以前、他のスラムで撮影したものです)

居住地域はヒンドゥー教、イスラム教などの宗教ごとに分かれており、

中には「ここもスラムの一部?」と思うほど立派な一軒家などもありました。

印象的だったのは、家の外で主婦たちが皆「パパド」を作って天日干ししていたこと。

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聞けばムンバイのスーパーなどで売られているパパドのほとんどは、

こうして主婦たちが作ったものだそう...!

1キロいくら...という形で、主婦が作ったパパドを業者が買い取るそうです。

夫が外で働いている間の内職といった感じですね^^

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最後に、こちらの団体が運営しているスラム内の学校を見学させてもらいました。

(学校内のみ、許可をもらって撮影させていただきました)

この時は英語の授業をしていましたが、その他にもスポーツやコンピューター、

お母さんへの栄養指導なども行っているそうです。

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スラムは毎日のように車から眺めていましたが、その時に感じた「貧困」「悲惨な暮らし」

という一般的なイメージとは違う、「生きる力」や「そこで暮らす人の笑顔」などに

このツアーでは出会うことができました。

それだけでもこのツアーに参加して良かったと思います。

興味のある方はぜひこちらのサイト【Reality Tours and Travel】をご覧ください。

5月のお題"現地在住でも行きたくなる、ちょっとかわったオプショナルツアー"

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