伊賀国・忍者(其の六)の巻  ~忍者の七変化~

公開日 : 2017年09月24日
最終更新 :
筆者 : な*る

~忍者の七変化~

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江戸時代になると、徳川幕府は権力固めのために、反発心を持つ大名をとりつぶしていきました。

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その口実、あるいは情報を得るために伊賀忍者も幕府の命令を受けて、暗躍しました。

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ただ大名たちも無作為だったわけでもありません・・・忍者の侵入を塞ぐために城下町の出入りを厳しくチェックし、情報流出の対策を講じていました。

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その関門を突破するために、忍者達は全国各地に派遣されるにあたって、様々なものに扮装し、潜入していったといいます。

(忍者の任務は各地に潜入し、情報収集やあるいは情報のかく乱、密書の運びや受け渡しなど。)

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奉行所発行の「往来手形」や「通行手形」がなければ、国境(くにざかい)に設けられた関所を通ることも出来なかった時代・・・国を超えて自由に行動することが許されていた職業人に扮装しました。

この職業人たちは、徳川幕府に各地の情報を提供することを約束に関所も楽々、通ることが出来たのです。

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自由に行き来が出来る職業・・・国を巡り歩いても怪しまれない姿・・・彼らが使った隠れ蓑とは・・・

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よくなりすました七つの職業は、「出家」「虚無僧」「山伏」「商人」「放下師」「猿楽師」「常の形」だそうです。

これら七つの職業姿なりすましを「七化(ななばけ)」と呼んだそうです。

要は【七変化】ですね。

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「出家」・・・・・・・俗世を捨て、家を出て仏門に入った人。お坊さん。

「虚無僧」・・・・・・天蓋という深編み笠をかぶり、尺八を吹いて米銭を乞い、諸国を行脚し修行してまわった僧。

「山伏」・・・・・・・野山中を歩いて修行していた修験道の行者。

「商人」・・・・・・・薬や魚、あめ等、ものを売り歩く行商人。

「放下師」・・・・・・手品師、軽業師、猿回しなどの大道芸人。

「猿楽師」・・・・・・歌や踊りを行う旅芸人。役者。

「常の形」・・・・・・ふつうの農民や武士。方言も話さなくてはならない難しさがあった。

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現在のお話ですが・・・暗殺されたさる有名なアジアの歌姫・・・真偽のほどは不確かですが、スパイ説がありました。

これは伊賀忍者で例えると・・・「猿楽師」にあたりますね。

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昔、イスラエルの諜報局である(モサド)の話を落合信彦氏の著作で読んだことがあるのですが、諜報部員(スパイ活動をする際)は、まさかと思うほど有名な職業人であったり、逆に全く目立たないどこにでもいる市民の形が多いとあったように記憶しています。

どこにでもいる市民の姿・・・これは伊賀忍者では「常の形」です。

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古今東西、宗教を隠れ蓑に使うのも常套手段ではないか?と思われます。

(もちろん、本物の方もいらっしゃる中での話ですが・・・。)

これは伊賀忍者流で言えば、「出家」「虚無僧」「山伏」にあたります。

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また上記に挙げた職種やそれに近いものは、今でも充分、現在忍者(諜報活動に従事している者)の隠れ蓑としても機能しているであろうと想像かたくないものがあります。

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(伊賀上野にある俳人・松尾芭蕉の生誕300年を記念して建築された【俳聖殿】)

(因みに俳聖殿は上野城の元、忍者博物館の近くにあります。)

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因みにやはり伊賀のスター(著名人)でもある俳人・松尾芭蕉、この有名な芭蕉が伊賀出身であることもあり、実は伊賀忍者だったという一説もあります。

松尾芭蕉とその俳句はもちろんのこと、この松尾芭蕉伊賀忍者説もまた後の号で取り上げてみたいなぁと思っています。

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次号(忍者の七変化②)に続く・・・

筆者

三重特派員

な*る

三重県在中27年から見た三重の良さをお伝え出来たら幸いです。

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