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過去を忘れないための「アンザック・デー」

カテゴリー:イベント・行事・お祭り 投稿日:2021年4月25日

main.jpg 4月25日は「アンザック・デー(ANZAC Day)」という祝日です。もとは第一次世界大戦中に戦死したオーストラリアとニュージーランドの兵士を追悼する日でしたが、現在ではふたつの大戦以降の戦没者を追悼する特別な日となっています。多民族・多国籍国家のオーストラリアでは、さまざまな国のさまざまな人々が過去を忘れずに(Lest We Forget)平和を願う日です。


■アンザック・デーとは?

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ANZACは、Australian and New Zealand Army Corps の頭文字を取ったものです。第一次世界大戦中にトルコのガリポリへの上陸作戦(「ガリポリの戦い」1915年)に英仏の連合国軍側として初めて参戦したオーストラリアとニュージーランドの兵士たちのことです。この戦いで1万人以上が戦死したと言われるアンザックへの追悼の日がアンザック・デーです。余談ですが、筆者が大昔に参加したヨーロッパをバスで横断するキャンピングツアーにもガリポリが旅程に入っていました。エーゲ海を見下ろす丘にはアンザック兵の眠る墓地があり、いつもはふざけてばかりのオージーやキウイのツアーメイトたちが帽子まで脱いで、墓標の一つひとつを真剣に見て歩く姿がとても印象的だったことをいまでも覚えています。4月のアンザック・デーと11月のリメンバランス・デー(Remembrance Day)」は、第一次世界大戦以降に亡くなった兵士たちを追悼する特別な日として国内各所で式典が行われます。


■国内各所で日の出前から追悼式

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メルボルンでは例年、当日の日の出前に市内を見下ろす戦争慰霊館(Shrine of Remembrance)で、「ドーン・サービス(The Dawn Service)」という追悼の儀式が行われます。ビューグルのあとに黙とう、続いて出席者による献花、市内ではバンドや退役軍人らによるパレードも行われます。国内各所の「RSL(Returned Services League、退役軍人連盟)クラブ」でも追悼式典が行われます。各州都市ではクリケットやオーストラリア・ルール・フットボール(AFL)、ナショナル・ラグビー・リーグ(NRL)の特別試合もあり、ハーフタイムには追悼式や軍楽隊による演奏なども行われます。また、パブでは「ツーアップ(Two-up)」というギャンブルで盛り上がります。大戦中の兵士たちが戦場で遊んだ簡単なコインゲームで、アンザック・デーの日だけ合法になります。昨年はコロナ禍のロックダウンだったため、慰霊館での一連の儀式は初めて中止になり、すべてビクトリア州総督のみで行われオンラインやテレビで中継されました。


■コロナ後の今年は制限付きで

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今年は例年通り、午前5時40分から戦没慰霊館でドーン・サービスに始まる一連の儀式が執り行われましたが、コロナ後の対策としてチケット制の入場制限となり、州では各家庭でのロウソクによるサービスを推奨していました。また市内を歩くマーチの参加人数も制限されていました。ところで、アンザック・デーの象徴といえば、赤いケシの花とビスケット。第一次世界大戦中、激戦地となったフランス北部からオランダ、ベルギーにわたるフランダース地方では、戦闘後に辺り一面に赤い(死傷者たちの血の色とも)ケシの花が咲いたとされ、その様子を描いた詩が世界に広まり、以来赤いケシの花は戦没者慰霊の象徴になったといわれています。オーストラリアでも毎年この時期になると、町角で戦没被害者の基金集めのために赤いケシの造花が売られています。また、「アンザック・ビスケット」は、アンザックの家族や恋人たちが手作りして戦場に送ったビスケット。材料は傷みにくく崩れにくい工夫がされていて、オーツやココナツが香ばしい素朴なお菓子です。


■「おうち時間」に手作りビスケット

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アンザック・ビスケットはオーストラリアでは市販品もありますが、もちろん手作りでも簡単です。


・材料: 無塩バター 65g、ゴールデンシロップ(ハチミツでも代用可) 大さじ1、重曹 小さじ4分の1、砂糖 75g、薄力粉 50g、押し麦 50g、ココナツファイン 50g

・準備: 粉類はあわせてふるい、オーブンは150℃に温めておきます。

・作り方: バターとシロップを鍋に入れて火にかけ、バターを溶かして火から下ろします。大さじ1の水に溶かした重曹を入れて混ぜたあと、砂糖、麦、ココナツを入れて全体を混ぜます。生地をスプーンですくって丸くしトレイに並べ(広がるので間隔をあける)20分焼きます。焼き上がったら網などにのせて冷まします。


新たな緊急事態制限下での自粛生活。「おうち時間」にぜひ試してみてください。


〈参考サイト〉

・URL: https://www.army.gov.au/our-heritage/traditions/red-poppy

・URL: https://anzacday.org.au/the-poppy-is-for-sacrifice

・URL: https://www.governor.vic.gov.au/all-news/anzac-day-2020

・URL: https://www.vic.gov.au/anzac-day-2021

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加藤 伸美 さん

オーストラリア・メルボルン特派員の加藤 伸美 さんが現地からオセアニア地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

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名前:加藤 伸美 さん

加藤 伸美 さん

神奈川県藤沢市出身。1999年に結婚を機に来豪し、パース、シドニー、メルボルンと転居。以来ライター兼翻訳者として働きながら、実はパティシエへの野望を抱いて資格を取得。大昔に旅行記、少し昔に翻訳児童書を出版。数年前から学生時代の続きとして海外旅行を再開し、おもに現地発着ツアーへの参加を趣味としている。特技は似顔絵ケーキ作りで、オーストラリアのスイーツに造詣が深い。
Instagram: https://www.instagram.com/noboo2017/ DISQUS ID @disqus_5AFVjJFvWv

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