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クリスマスにボランティア活動

カテゴリー:イベント・行事・お祭り 投稿日:2020年12月27日

Christmas.jpg 筆者のオーストラリアでのクリスマスは今年2020年で20回目を迎えました。オーストラリアのクリスマスは、家族や親戚と過ごすのが習慣です。家族が遠方にいる筆者は、友達家族に招待されたり、友達を招いたりしてクリスマスを過ごしてきました。そして今年は長年の間ずっと参加してみたかった「スープキッチン」を体験してきました。オーストラリア人にとっては、日本のお正月・元旦のように特別なクリスマスの日。たくさんのボランティアが参加して、ゲストたちを温かな料理と気持ちでもてなしました。


■「スープキッチン」とは?

毎年クリスマスの日には「スープキッチン」の様子がテレビで中継されます。スープキッチンについて日本にいる友達に説明しようと検索したところ、和訳で「炊き出し」と出てきました。避難者や生活困窮者に無償で食事や食料品を提供するボランティア活動のことです。18世紀にイギリスに設立された生活困窮者のための公的な支援施設「救貧院」がスープや粥を提供していたことを受けて、19世紀初頭にロンドン市内各所で、生活困窮者にスープの無料配布をしたのが始まりとされているようです。メルボルンでももちろん、クリスマスに限らず、毎日の食事や食料品・日用品を教会系の団体が無償提供しています。教会だけでなく、個人の慈善活動家が運営している場合もあります。筆者は今年に入ってからちょっとしたきっかけから、こうした教会系の団体でボランティアをはじめ、その流れでのクリスマスのスープキッチンを手伝うことになりました。


■準備は2ヵ月以上も前からmenyu.jpg

毎年その地区の市役所のホールを貸し切って、300人規模で行われるスープキッチンでしたが、今年はコロナ禍の影響で、地区内2ヵ所の支部のレストランでのクリスマス・ランチの提供となりました。コーディネーターを中心に10月のオンラインでのミーティングに始まり、12月のクリスマス当日までに担当を決めて準備が進んでいきます。たとえば、ゲストへの招待電話、寄付の受け取り・仕分けと包装、クリスマスカードの作成、ランチに来ることができない人たちへのプレゼントの配達に加え、当日は「メリークリスマス」の電話、レストランへの送迎、そしてもちろんランチの準備と配膳など、すべてボランティア主体です。分担が発表されると、自分が手伝いたい役割に登録し配置されます。荷物の仕分けや包装のようにオフィスに行って手伝うものもあれば、カード作成のように自宅で作業できるものもあります。筆者はクリスマス当日のキッチンスタッフに登録しました。


■豪華3コースでおもてなし

当日の仕事は、エントランスでの案内や調理・配膳、キッチン清掃、フロア、フロアメインテナンス、ゲストの送迎など、合計20人のボランティアスタッフが配置されました。ランチは午前11時半と午後1時15分からの2回に分けられ、各々事前予約した25人のゲストを迎える予定です。メニューは前菜、メイン、デザートの豪華3コースランチで、ベジタリアンメニューもあります。まずは9時にキッチンスタッフが集まると、キッチン専属のシェフから簡単な説明があり、カナぺの盛りつけが終わると、メニューやお皿の最終チェックをしてスタンバイ。10時にフロアスタッフが到着したところで全体の顔合わせをしますが、細かい作業指示などはなく「すてきなクリスマスにしましょう」といった感じです。ボランティアスタッフも、60~70代を中心に20代の学生や親子での参加もいます。11時30分にゲストの来場が始まると案内係が名札のついたテーブルにゲストを案内します。ゲストのほとんどはひとり参加なので、案内係はそのまま隣りに座って話し相手をしている光景がとても印象的でした。


■特別な日を特別な人たちのために

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前菜はブルスケッタとゴートチーズのミニタルト。サンタクロースが来たり、クリスマスのクラッカーを開けたり、たまにのぞくダイニングは和やかな雰囲気です。メインディッシュはクランベリーソースが敷かれたお皿の上にマッシュドポテトを配し、ピーマンとナスのロースト、ニンジン、ブロッコリー、カリフラワーの温野菜を添え、最後に分厚いローストターキーをのせてグレイビーソースをかけるという、ホテルレストラン並みの豪華なメニュー。キッチンで器への盛りつけが終わると、フロアスタッフが順に給仕していきます。メインのあとには、クリスマスプディングにバニラアイスクリームとカスタードを添えたデザートが配られ、食後のコーヒーの頃には到着時に受け取った抽選券での抽選会も開かれました。2回目の部も終わってゲストが帰ると、キッチンもフロアも総出で後片付けをし、ボランティアスタッフ全員で遅めのクリスマスランチで乾杯しました。その日初めて会う人たちがほとんどでしたが、この特別な日を特別な人たちのためにともに過ごしたという一体感でランチのテーブルも大いに盛り上がりました。午後4時過ぎの解散時にはスタッフ全員に手土産が渡され、その内容にまた驚きました。

いままで決して経験することのなかった、20年間で最高のクリスマスでした。


〈参考サイト〉

・URL: https://www.unitingvictas.org.au/

・URL: https://en.wikipedia.org/wiki/Soup_kitchen

・URL: https://www.facebook.com/UnitingVic.Tas/

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加藤 伸美 さん

オーストラリア・メルボルン特派員の加藤 伸美 さんが現地からオセアニア地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

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名前:加藤 伸美 さん

加藤 伸美 さん

神奈川県藤沢市出身。1999年に結婚を機に来豪し、パース、シドニー、メルボルンと転居。以来ライター兼翻訳者として働きながら、実はパティシエへの野望を抱いて資格を取得。大昔に旅行記、少し昔に翻訳児童書を出版。数年前から学生時代の続きとして海外旅行を再開し、おもに現地発着ツアーへの参加を趣味としている。特技は似顔絵ケーキ作りで、オーストラリアのスイーツに造詣が深い。
Instagram: https://www.instagram.com/noboo2017/ DISQUS ID @disqus_5AFVjJFvWv

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