外出できないメルボルン⑨  コロナ禍でのビジネスの変化

公開日 : 2020年10月13日
最終更新 :
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■店舗で進むキャッシュレス化

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ロードマップは第2段階に進み、おもに外出に関する制限が緩和されましたが、学校もビジネスもいまだにリモートが続いているため、町は若干の人と交通量が増えた程度で大きな変化はありません。現在でもほとんどの店舗は閉まっていて、営業しているのは生活必需品を買うためのスーパーや肉屋、八百屋、ベーカリー、(なぜか?)酒屋、郵便局、金融機関、ニュースエージェンシーという新聞・雑誌、文房具、宝くじを売る店などのほか、飲食店はいまだに持ち帰りのみです。店の入口には店舗の大きさによって決められた入店制限が表示されており、もちろん店内へはマスクを着用していないと入れません。接客カウンターにはハンドサニタイザーと透明のアクリル板が設置され、衛生面の理由からカードでの支払い(タップ・アンド・ペイ)が急速に増えています。スーパーでは、ショッピングカートやバスケット置き場で係員が始終取っ手を消毒し、入口には自動のハンドサニタイザーが設置されているほか、店内は基本的に一方通行。商品棚を動かして通路が広くなり、ソーシャルディスタンシングを保つためのサインがいたるところに貼られています。セルフレジも各々をアクリル板で仕切ったうえで一台置きの稼働で、お客が使うたびに係員がスキャナーやピンパッドを消毒します。そしてどのスーパーでも、キャッシュレス対応機が半分以上を占めるようになりました。

■持ち帰りもオンラインで事前予約

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飲食店での店内飲食はいまだにできないので、持ち帰りが続いています。ほとんどの店がオンラインで注文と支払いを済ませて指定の時間に取りに行くか、ウーバーイーツのような出前専門業者を介してデリバリーとなります。ファーストフードもオンラインでの注文かドライブスルーのみで、カウンター越しでの接客をしないことで人との接触を避ける工夫がされています。スーパーにはない日用品や洋服の買い物はオンライン以外での方法はなく、受け取りは宅配か店頭になります。オーストラリアは郵便での配達がほとんどで、日本のように宅配業者が競合しているわけではないので、コロナ禍の需要過多で荷物の到着に通常の倍以上の日数がかかっています。しかも、8月からはステージ4の制限措置によって配送センターの人員も削減されたため、州内の店のオンラインで買った商品が、いったんシドニーの配送センターへ集められてから再びビクトリアに配達されるということもありました。そんな理由もあるせいか、「クリック・アンド・コレクト」もかなり普及してきました。

■クリック・アンド・コレクトも普及

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「クリック・アンド・コレクト」は日本ではまだあまり馴染みがないかもしれませんが、オーストラリアでもここ数年、とくに今回のコロナ禍で急速に広がってきた販売形態です。お店のウェブサイトへ行って普通に買い物をし、受け取り方法でクリック・アンド・コレクトを選択すると、外出制限の半径5km圏内の店舗リストが表示され在庫の確認ができます。都合のいい店を選んだら、あとは支払いをして受け取り準備完了の知らせが届くのを待つだけです。早ければ数時間後、遅くとも翌日には携帯電話に連絡がきます。各店ともに独自のシステムを使っていて、届いた通知に受け取り時間の予約を返信して店舗へ行くと、駐車場に専用の待機場所があり、来店を確認したスタッフが購入商品を車まで持ってきてくれます。車社会のオーストラリアで、車を一切下りずに荷物の受け取りができるので安心感があります。もちろん、店舗入口や外で受け取ることもできます。送料は年々値上がりしているうえ配送時間もかかり、しかも日本のようにていねいに荷物の扱いをしてくれるばかりではないので、利用者が増えているのも納得できます。

■リモート勤務で経費も計上

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ところで、オフィスに出社していた会社員は、早い人は3月中旬からリモート勤務に入りました。6~7月に一時期制限措置が緩和されたときも、州政府が「可能な限りリモート勤務で」としていたので、通勤しないままに2度目の外出制限措置に入ってしまい今にいたっています。2020年の確定申告(オーストラリアの年度末は6月)では、リモート勤務でかかった自宅での経費を簡易式(1時間につき80セント)、固定式(1時間に付き52セント)、追加式の3つの計算方法で計上でき、経費には勤務中の部屋の光熱費、コンピュータなどの電子機器の減価償却費、電話やインターネットなどの通信費などが含まれます。また、リモート勤務ができない人たちは、会社から発行された「就業許可証」を携帯しての通勤が義務づけられ、パトロールの警官から提示を求められたときに不携帯の場合は、本人も雇用主も罰金が科されます。

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