外出できないメルボルン⑥  コロナ禍で日本に帰国

公開日 : 2020年09月17日
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メルボルンはステージ4の制限措置が2週間の延長となりました。外出については部分的に緩和されたこともあり、散歩やジョギングをする人たちや公園で遊ぶ子供たちが春の日差しを楽しんでいます。とはいえ、ビクトリア州の州境は閉じられたままで、国際線は減便のため日本はおろか国外へ出ることもままなりません。そんななか日本に帰国した人がいたので、出国から日本入国までの様子を聞いてみました。

■厳しい政府のガイドライン

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9月現在、日本とオーストラリアの直行便は全日空がシドニーと成田/羽田間を週3便運航しているだけの状態が続いています。そんななか、知人でシドニー在住のAさんは日本で就職が決まって日本に帰国することになりました。現在オーストラリア政府はオーストラリア国籍者と永住権保持者の出国は原則的に禁止しているので、政府機関に問い合わせをしたところ「出国許可」が必要であることがわかりました。Aさんは政府が定めたガイドラインに沿って、日本の就職先の雇用契約書といった英文の書類を添えてオンライン申請し、なかでも「3ヵ月以上の海外居住をともなう出国であること」という条件を満たしていたため、翌日には出国許可をEメールで受け取りました。そのあと、念のために日本側での入国手続きに必要な書類などについて在シドニー日本総領事館に問い合わせをしましたが、特に必要はないとの返答でした。

■マスク着用での空の旅

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■「陰性」の紙を渡されて

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翌朝、予定通りに羽田空港に到着すると機内で待機するようにとのアナウンスが入り、降機後の検査前後の流れ、入国後の滞在先などの記入用紙、今後2週間の隔離期間中の連絡先記入用紙、不調があった場合の連絡先が記された4種類の書類が配られました。数十分で乗客は飛行機を降り始め、搭乗ゲートに設けられた待機エリアで検査を待ちました。検査エリアは同じフロアにあり、誘導されて順番に移動すると各人が容器と漏斗を受け取ります。壁際に設けられた仕切りのついた場所で唾液を容器に入れ係員に渡すと引き換え番号を渡され、さらに場所を移動して検査結果を待つことになります。「1 ~2時間は待つようなことを聞いていたので覚悟していましたが、30分もしないうちに数人ずつ番号が呼ばれ、各々が別の係員のいる窓口に行くと「陰性」と印刷された紙を渡され、今後の予定について機内で記入した用紙を確認しながら聞かれました」。このエリアに来て初めて、係員はマスクに保護シート越しでの対応となり、それまではどの係員もマスク着用のみだったのが他人事ながら心配だったといいます。

■2週間の隔離とはいうけれど そのあとは、通常通りに入国審査を受け荷物を受け取りました。空港からの移動手段は1時間ごとに出発する無料シャトルバス(「陰性」用紙を掲示)、帰国者用タクシー、自宅からの迎えで、公共の交通機関利用はできません。Aさんはシャトルバスですでに予約していた隔離用ホテルの最寄り駅まで行き、バスを降りてから徒歩でホテルに着くとチェックインまで(5~6時間)は部屋に入れないとのこと。もらったミールクーポンは近所のカフェやレストランのものでした。「2週間隔離されなきゃいけないのに、出歩いていいの?って思いました」。空港では係員に、直後の滞在先ホテルは告げたものの滞在日数までは聞かれてはいませんでした。「海外からの入国者への2週間隔離を守るつもりで宿泊費にかなりの出費をしましたが、それって結局は一部の業界が潤うだけなんじゃないのかなって思いました。検査が終わって空港を出たら、そのあとはまったく知られようがないっていうのにすごく驚きましたね」とAさん。それでも入国10日後には、保健所からの確認の連絡は携帯に入ったとのことです。

〈写真提供:Aさん〉

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