マウイ沖はクジラのスープ(具だくさん!)

公開日 : 2010年03月03日
最終更新 :
筆者 : Satoko

Maui Nui(マウイ・ヌイ)という言葉を聞いたことがありますか?ハワイ州、マウイ郡は、マウイ島、ラナイ島、モロカイ島そしてカホオラヴェ島の4島からなっているんです。この四島の総称をマウイ・ヌイといいます。カホオラヴェ島というのは、あまり聞いたことがない方も多いかと思いますが、この島については、また別の機会に紹介したいと思います。

今から120万年程前、これら四島は、陸続きだったといわれています。それが、火山の噴火や海岸線の侵食によって4つの島に分かれていったのだそうです。

なぜ、この話題がホエールウォッチングに関係するかというと、この長年の地殻変動で作られた特殊な地形が、鯨たちにも鯨を見る私たちにも恩恵を与えているからなんです。

mauinui.jpg

以前、陸続きだったということは、島間は比較的水深が浅く、水が温かで穏やかなのです。マウイ島とラナイ島間の水深は、およそ100メートルから150メートル。ハワイ諸島を取り囲む太平洋の水深はおよそ3000メートルだそうです。水深100メートルは、人間にとっては深いですけど、体長10メートルにもなる鯨にとっては、暖かいバスタブのようなものでしょう。

この特殊な環境が、ハワイ諸島の中でも子作りと子育てに訪れる鯨たちにはもってこいの場所、そして、鯨を見る私たちに穏やかな海域でクルーズできるのですから、これもありがたいことです。特にラハイナ沖は、ウェストマウイの山々によってマウイ特有の貿易風もさえぎられます。

humpback4.jpg

オアフ島やビッグアイランドから来たボートのキャプテンたちは、口々にこの海域を、オーシャンアクティビティには最適な所だと言うそうです。オアフやビッグアイランドの鯨たちは、強い海流や風のため、絶えず移動しているため、キャプテンたちは追いかけるのが大変なんだそうです。マウイの鯨たちは、穏やかな海でのんびりくつろいでいるんだそうですよ。子育てに最適な場所というのもうなずけますね。

毎年、12月中旬から、5月中ごろにかけて千五百頭から二千頭のザトウクジラがマウイを訪れるそうです。もちろん、マウイの冬のアクティビティはこの鯨が中心となります。パラセイリングやジェットスキーなどのアクティビティは、冬の間は鯨たちにゆっくり過ごしてもらえるよう、お休みになります。

CIMG1734.jpg

私も、久しぶりにホエールウォッチングのボートに乗ってきました。

今回乗船させていただいたのは、ラハイナクルーズカンパニー。ラハイナのオーシャンアクティビティの老舗的存在です。このボートには、日本人の鯨ガイドさんが乗っているんです。今日のガイドさんは、Kyokoさんです。

CIMG1720.jpg

出航早々、早くも数頭のクジラを発見、と思いきや、あっちにもこっちにも、右にも左にも前方にも後方にも状態。いったいどこを見ていいのやら。

Kyokoさん、「わたしたちはここを ”クジラのスープ”と呼んでいるんです。」だそうです。まったく、具だくさんのスープです。

今回は、たくさんの母子クジラとそのエスコートのグループを見ました。母親はいつも赤ちゃんの一番近くにいて、ガード、教育しているんです。何しろあと数週間で、アラスカへの5千キロ、7週間にも及ぶ旅をしなければならないのですから、赤ちゃんも母親も必死です。ビデオにも母親の傍らで一生懸命尻尾を振っている小さな赤ちゃんが写っています。

この母子のグループには、エスコートと呼ばれるオスクジラがだいたい行動を共にしています。このオスクジラは父親とは限らないそうです。クジラたちは、婚姻関係を持たず、子供ができたら父親は母子から離れてしまうそうです。エスコートさんは、なぜ同行しているかというと、母親クジラがまた妊娠できる状態になる機会を狙っているのだそうです。ビデオでは仲の良いファミリーのように見えるのですが、実際は結構冷めた関係のようです。

ガイドのkyoko さんによると、このような親子 + エスコートのグループは比較的のんびりしているそうですが、子供のいない一頭のメスに群がるオスたちのコンペティティブグループはかなりアグレッシブだそうです。一頭のメスをめぐって、三頭から四頭、多いときには十頭ほどのオスが先を争っているそうです。

covertail1.jpg

ホエールウォッチングの注意事項!

その一、あまり写真を撮ることに夢中にならないでください。ジャンプの瞬間なんかは滅多に撮れないので、肉眼で見て、目に焼き付けて帰ってください。ツアーの終わりに記念写真とクジラの写真集のCD−ROMを売っていますのでそちらをお勧めします。上の2枚の鯨の写真もCD-ROM から拝借しました。

その二、日焼け止めを忘れずに。2日くらい顔がヒリヒリしてました。(>_

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。