黄色いベスト=Gilets jaunes

公開日 : 2018年12月14日
最終更新 :
筆者 : Satchi

 ノエルを迎えようと、楽しげな雰囲気と背中合わせに常にデモ行動が目立つフランスです。リヨンの中心部も、先週土曜日には火を付け、一部が火事になるという騒動も起こりました。

 このデモ行動の内情はもつれ合った糸のようにとても複雑で、マクロン大統領の最低賃金の引き上げや増税の一時凍結では収まりそうにはないのではないかと、思われます。

 これらの抗議行動で、市民生活、学生生活には十分に影響が出ています。

 ガソリンスタンドが閉鎖していたり、ロータリーの真ん中で黄色いベストの集団が片道を封鎖。それにより突然現れた渋滞。学校は生徒の安全のためという名目で休校になり、交通機関は遅れ、私の場合は避けるためにも早めに出たにも関わらず結果、2時間遅れという事態にあいました。

 交通機関の乱れから、店には商品が並ばないという事態もあるそうです。

 もし、フランスへの渡航をお考えの方は時間に余裕を持ち、週末の遠出は控えるような計画を組んでみてください。抗議行動、集会のほとんどは週末に行われています。

 外国人からすると、個人の主張が大きな潮流になっているように見えます。同じ黄色いベストを着ながら、片やフランスの国歌を高らかに歌い上げる市民もいれば、サンタの帽子をかぶりながらバイクに乗る抗議行動?にも出くわしました。

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 始めのデモは、都会に通う地方出身者による燃油の高騰に対する抗議行動からでした。普段の生活に自動車が欠かせず、低所得者、子供のいる家族が郊外に住むことが多く、仕事に行くだけで交通費が高くなる。元を正せばパリのように行き過ぎた暴動を起こす抗議行動ではなかったはずなのである。暴れたい人が、黄色いベストの抗議行動に乗っかり騒ぎ始めたという。という側面と、現在の政治、政権に対して不満が募っているという意思表示でもある。

 そして、11日にはストラスブールでの銃撃事件。ニュース紙面は混沌としています。

 ただ、個人主義という国柄なだけにそのニュースと「私」は関係なく、良くも悪くも我が道をゆくフランス人。ノエルを心待ちにする家族のためにプレゼントを大量購入するご婦人、特別の包装してもらうジュエリーショップに買物に来ている紳士やカップル。ノエルのメニューのために食材を注文をする料理人たち。学校が冬休みに入り帰省する学生たち。それぞれの場所で、その日の為に準備をしています。どうか、この日だけはみんなが笑いながらその時、その1日を幸せな気分で過ごせますように!

 ストラスブールの銃撃事件に遭われた方、テロで亡くなった方 心よりご冥福をお祈りいたします。そして、一日も早く平和な日が訪れますように。

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