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【フランス ノルマンディ地方】馬が好きならドーヴィルへ行こう(第4回)

カテゴリー:イベント・行事・お祭り / スポーツ・観戦 / レストラン・料理・食材 / 文化・芸術・美術 / 旅行・ツアー・ホテル / 見所・観光・定番スポット 投稿日:2021年7月15日

【フランス リヨン便り n°57】


こんにちは、マダムユキです。リヨンからお届けしています。


ドーヴィル観光局のステファンさんのお誘いで、リヨンからパリを経由してイギリス海峡の海辺の町ドーヴィルへやってきました。ドーヴィルはクロード・ルルーシュ監督作品『男と女』(1966年)のロケ地となった場所で、フランス映画ファンの巡礼地でもあります。


これまでの経緯は過去のブログをご訪問ください!
第1回:【ウイズコロナの旅】リヨンからドーヴィルへ(第1回)、海が見たくて旅に出た
第2回:【ウイズコロナの旅】リヨンからドーヴィルへ(第2回)、木組みの街並みに魅せられた
第3回:【フランス ノルマンディ地方】やっと海岸に到着!ドーヴィルからイギリス海峡を臨む感動の日(第3回)


海辺に沿って板張りの遊歩道を歩き終えると、ステファンさんがいつものニコニコ顔で「さあ、これからとっておきの場所に案内するよ、オニヴァ(訳:行くよ)」と号令をかけたので、みんな笑顔を交わし合って「OK」と大きな声で返事をしてから、ステファンさんのあとについて歩き始めました。


どこへ行くのか気になったので、ステファンさんに尋ねると、


ステファン:マダムユキはきっと気に入るよ
マダムユキ:え~、気になるなあ、どこに行くの?
ステファン:ドーヴィルの領主モルニィ公が建設した場所だよ、教会よりも先にね
マダムユキ:ドーヴィル競馬場だ!
ステファン:そのとおり、マダムユキは競馬ファンだろう


そうなんです。日本に住んでいた頃、競馬に夢中でした。正確にいえば、サラブレッドに夢中でした。筋肉質のボディとスリムに伸びた四肢。しなやかな脚の動きで疾走するサラブレッドの神がかった美しさを見たくて、競馬場に足を運んだものでした。そういえば、しばらくサラブレッドを見ていないなあ。


▼途中で見かけたサラブレッドの彫刻オブジェ
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小雨が舞ったり、止んだりするなか、海岸から15分ほど歩くと、長く続く1本道の通りに入り、しばらくすると競馬場の入口が現れました。「東京競馬場とは雰囲気が違う」と日本語でつぶやくと、ステファンさんが「なにか言った?」と反応したので、「おしゃれなところですね」ってフランス語で答えると、「ねえ、そうだろう」って、ほめられた子供のように満面の笑みを浮かべるステファンさん。


▼ドーヴィル競馬場の入口
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ドーヴィル競馬場の営業主任のエリックさんが私たちを迎え入れ、まず、競馬場の本棟に案内してくれました。19世紀に流行ったエンパイアスタイル(帝政様式)を彷彿させる、シンプルでありながらも重厚感と均衡のとれた落ち着きのあるファサードの建物です。この建物の向こう側に本馬場が広がっています。


▼ドーヴィル競馬場本棟
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森林に恵まれたノルマンディ地方だけあって、内装に木材が豊富に使われていました。
入口右手のスペースは「トリビューヌの間」と呼ばれ、ジョッキー(騎手)のユニフォーム(勝負服)のデザイン画が壁を飾り、重厚感のあるカフェの木製カウンターや勝馬投票券販売窓口の木製ボックスが、創業当時の姿のまま残されていました。レースのある日は馬券を握りしめ、壁にかけられた画面をにらみ観戦する人たちでにぎわいます。レースがない日はカクテルパーティルームとして貸切で利用することができます。場内馬券売り場とは思えない、ベルエポックの古きよき時代の趣きが漂う、とってもおしゃれな空間です。


▼トリビューヌの間(Salle des Tribunes)
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エリックさんが「密を避けるためにエレベーターは利用せずに階段で3階までのぼるよ」といって、入口横の階段をのぼり始めました。慌ててあとを追って、息を切らしながら最上階の3階までのぼり終えると、一面ガラス張りのレストランに到着。馬場を一望するすばらしい景色が現れ、「うお~」とみんな一斉に感嘆の声を発してガラス窓に走り寄りました。


「エリックさん、ここはVIP専用レストランですね」と尋ねると、「ちがうよ、予約をすれば誰でも利用できるよ」ですって。「食事をしながらレース観戦できるなって最高です!」「レストランの下が観戦席だからね」


すると、横からウクライナ出身でカンヌで旅行会社を経営しているイェウヘンさんが、「ぼくのお客さんにプライベートレースとランチをオーガナイズしたいんだけど、そんなことできる?」と興味津々な顔つきで登場すると、エリックさんが「もちろんだよ、プライベートレースで人気ジョッキーの騎乗を希望する場合は早めにスケジュールをおさえる必要があるけどね」、夢のような話が繰り広げられました(プライベートレースだって、いいな~、嫉妬気味のマダムユキ)。


▼馬場を一望するレストラン
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ドーヴィル競馬場はドーヴィルの領主モルニィ公によって建設され、最初のレースは1864年8月に開催されました。日本は幕末で3年後に大政奉還が行われたという時代にドーヴィルでは、夏の避暑地としてやってきたパリの上流階級の人たちが、優雅に競馬を楽しんでいたんですよね。


現在、ドーヴィル競馬場では、ジャン・プラ賞、ロートシルト賞、モーリス・ド・ギース賞(あるいはモーリス・ド・ゲスト賞)、ジャック・ル・マロワ賞、モルニィ賞、ジャンロマネ賞の6つのG1レースが開催されています。なかでもジャック・ル・マロワ賞は芝1600mの直線コースのレースで、ムーラン・ド・ロンシャン賞と並びフランスのマイル戦の最高峰レースです。1998年に岡部幸雄騎士が手綱をとったタイキシャトルが優勝しました! また、モーリス・ド・ギース賞は芝1300mのコースで、パリ・ロンシャン競馬場で開催されるアベイ・ド・ロンシャン賞と並ぶフランス短距離路線の最高峰レースです。こちらも、1998年に武豊騎手のシーキングザパールがコースレコードで優勝しましたね(懐かしい! 興奮気味のマダムユキ)。


ドーヴィル競馬場のおも主なコースは、一周2200mで直線450mの右回り芝コース、直線1600mの芝コース、ファイバーサンドのオールウェザーコースです。


写真をご覧ください。
手前が芝コースです。馬場は平たんで、青々と茂った芝は弾力に富んでいるのがおわかりいただけるでしょう。
「平坦性を保つための芝の手入れは費用もかかるたいへんな作業です。最高の走りを保証するために芝管理はとても重要で、ドーヴィルの競馬場が最も力をいれている点です」と熱く語るエリックさん。


その芝コースの内側にファイバーサンドを使用したオールウェザーが設置されています。2003年に導入されました。オールウェザーコースのおかげで芝コースが使用できなくなる冬季でもレースを開催することができます。また、競走馬のトレーニングにも使用されています。


中央に見えるのがポロ競技場です。1950年からクープ・ドール(黄金杯)が開催され、世界中から有名なプレーヤーがドーヴィルに集まり、熱戦が繰り広げられています。2021年のクープ・ドールは8月16日から29日です。リアルでポロの試合を見たいですよね~。


▼レストランから本馬場の眺め
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▼ドーヴィル競馬場は年間を通じてレースが開催されます
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エリックさんが、パドック(本馬場に向かう前に出走馬が一周する場所)の横を抜けて、ノルマンディー地方固有の瓦屋根にティンバーフレーミング(フランス語でコロンバージュ)と呼ばれる木組みの建物に案内してくれました。検量室や更衣室など関係者控え室として使用されています。


▼関係者控え室のある建物
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建物内に入って驚いたのが木材を使用した見事な天井です。船底を見ているようです。


▼木板が敷き詰められた天井
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騎手控え室と検量室を見学しました。通常、関係者以外は入れない場所です(ラッキー!)。ドーヴィル競馬場では女性騎手も活躍しています(控え室は男女混合のようです)。検量はレース前の前検量とレース後の後検量が行われ、デジタル計量秤が使用されています。検量は、結果によっては失格となるため、緊張した雰囲気のなかで行われるとても重要なプロセスです。


▼関係者(騎手・調教師・厩務員など)控え室
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▼歴史を感じる計量秤
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続いてエリックさんが装鞍所に案内してくれました。装鞍所は出走馬の馬体、蹄鉄、馬の健康状態を検査する場所です。馬体重の測定も行われます。装鞍所を取り囲む建物は馬房で、検査後の出走馬は馬房に収容され、水や肥料、禁止薬物が与えられないように監視されます。


▼装鞍所
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▼馬房
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エリックさんがていねいに説明してくださっている間、ときどき抜け出して写真を撮るマダムユキ。それを見逃さないステファンさん。「ごめん、ごめん」といって駆け寄るマダムユキ。本当にごめんさい。この場を借りて再度のお詫びを申し上げます。


▼ステファンさん、ごめん、ごめん
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ドーヴィル競馬所には調教センター(トレーニングセンター)が設置されています。内馬場の調教用トラックが使用され、著名な調教師が馬房を借りてトップホースを養成していることで知られています。競馬場内の厩舎では馬と寝泊まりをともにする調教師もいらっしゃるそうです。


▼厩舎
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ドーヴィルは競馬場だけでなく、サラブレッドオークションの開催地としても世界に名を広めています。最初に開催されたのは1887年。現在、アルカナ社がオークションをオーガナイズしていますが、オークションの売上げ実績は欧州第2位を誇り、フランス競走馬流通市場の一大拠点となっています。毎年8月に世界各国から一流馬がドーヴィルに集結し、なかでも1歳馬セールはG1を制したトップブリーダーによる選りすぐりの1歳馬が揃うことで有名です。2021年は8月14日から16日まで開催されますので、馬主になるチャンスをお見逃しなく(なんて、真夏の夢だよね~)。


見学を終えて、エリックさんが馬との交流の時間を設けてくれました。馬の鼻筋に触れ、言葉を交わし、コロナ禍を忘れて心が和むひとときを過ごしました。エリックさん、ステファンさん、ありがとうございました。


▼潤った目で遠くを見つめる「優駿」
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次回は、「ドーヴィル フランシスコ会女子修道院リニューアルオープン」をお届けいたします。


引き続き、皆さま、お身体ご自愛くださいませ。
マダムユキより


【基本情報】
HIPPODROME DE DEAUVILLE-LA TOUQUES(ドーヴィル-ラ・トゥク競馬場)
・住所: 45 Avenue Hocquart de Turtot - 14800 Deauville France
・電話: +33 2 31 14 20 00
・URL: https://www.france-galop.com/en/hippodromedeauville
 
 

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マダムユキさん

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マダムユキさん

リヨン在住20年。リヨン第二大学で美術史専攻。中世からルネサンス期の美術品・絵画・建築を得意とする。ワインとビールが生活の友。フランス現地手配会社を経営する。フランス リヨンの文化・芸術・建築を中心に、リヨン情報をお届けしたい。ツアー情報などのお問い合わせはこちら
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