【フランス旅行を夢見て】フランスのリヨンで、近未来都市型の建築物を楽しむ

公開日 : 2020年08月29日
最終更新 :

【フランス リヨン便り n°36】

皆さま、こんにちは。

8月が終わります。「夏の終わり」です。それを知らせるかのように、リヨンは急に涼しくなり、最低気温が10度前後、最高気温が20度前後で、空も曇りがちです。

フランスは9月から新学年がはじまります。子供たちは新しいかばん、新しい文房具、新しい教科書で、人によっては新しい学校でこれからの1年を迎えます。2020年は少し特別です。新型コロナウイルス感染予防の措置として、11歳以上は学校内でのマスク着用が義務づけられます。教室内でも廊下でも、校舎の外でもです。学校職員や先生、生徒を守る基本的な手段なので、予防策としてマスク着用が習慣化している日本人には納得のいく措置ですが、ずっと着用しているのは少したいへんかも。

フランスの新型コロナウイルスCOVID-19感染状況は次のとおりです(2020年08月28日14時現在)

・感染者数(累積):26万7077人(前日比 7379人増)

・PCR検査陽性率:3.9 %

・死亡者数(累積):3万596人

・現在の入院患者数:4535人

おもな県別「直近1週間の10万人あたり累積新規感染者(2020年08月19日~08月25日)」

・パリ:111.5人

・ローヌ県(リヨンを含む):70.0人

・ブーシュ・デュ・ローヌ県(マルセイユを含む):158.2人

・ジロンド県(ボルドーを含む):82.6人

・オート・ガロンヌ県(トゥールーズを含む):47.0人

・バ・ラン県(ストラスブールを含む):34.5人

ウイルスとの闘いはまだまだ続いています。

日本では、水際対策措置が9月以降も続けられることになりました。フランスからの入国者は対象となります。日本、フランスのみならず、世界全体でのウイルス終息を心から願い、「いつかフランス旅行を」と夢みて、安心して旅行ができる日を待ち続けましょう。

前置きが長くなりましたが、久しぶりにリヨンのお話。

フランスのリヨンにはふたつの顔があります。ヒストリカルヘリテージとフューチャリズム。前者はリヨン歴史地区の旧市街で、後者はラ・コンフリュアンスと呼ばれる新市街です。

ラ・コンフリュアンスの新市街は、世界遺産の町リヨンとは対照的に、前衛的建築物が建ち並び、ソーヌ川沿いのおしゃれなカフェやバーは若者たちでにぎわい、リヨンの新しい観光スポットになっています。

▼ショッピングセンター : Jean-Paul Viguier Architecture設計

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▼散歩道とマリーナ

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▼ジャン・クーティ水辺公園(Jardin aquatique Jean Coury)

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▼ソーヌ川沿いのテラス

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ラ・コンフリュアンスは、リヨンを流れるソーヌ川とローヌ川に挟まれたプレスキル(Presqu'Île)と呼ばれる中洲の南端で、20世紀はじめまで、河川港の発展で河川運輸の主要地として利用され、工場や倉庫、問屋街もあるにぎやかな地区でした。1990年代から産業の衰退にともない、老朽化した工場や倉庫がそのまま置き去りにされ、次第に廃墟となった建物や空き地が広がり、治安の悪さも問題となっていました。1995年、当時市長だったレイモン・バール(Raymond BARRE)が地域の再開発計画を打ち立て、2001年からはジェラール・コロン(Gérard COLOMB)市長が計画を引き継ぎ、ヨーロッパ最大規模の都市再開発計画へと発展させました。公園、散歩道、住宅、ショッピングセンターなどがコンペを勝ち抜いた著名な建築家や緑地や造園の意匠設計家たちによって手がけられ、近未来的な造形美の追求のみならず、環境保護のためのエネルギー基準を遵守した都市づくりが行われています。

▼Cube Orange : Jakob & Mac Farlane設計

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▼Le Monolithe : MVRDV, P. Gautier M. Gautrand, ECDM, Eric van Egeraat, West8設計

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▼Oasia : Clément Vergely Architectes設計

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▼Lyon Islands : Studio Fuksas & Amantea Architectes設計

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▼Euronews社 : Jakob & Mac Farlane設計

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ラ・コンフリュアンスへのアクセスは「ぺラッシュ(Perrache)」駅からトラムT1線を利用して「Hôtel de Région Montrochet」駅で下車するのもよし。天気のいい日は水上バス「ヴァポレット(Vaporetto)」での移動もおすすめです。ベルクール広場近くのソーヌ川沿いに乗り場があり、9時30分から21時30分まで、1時間20分おきに運行しています。船上から川沿いの町並みや景色を楽しめます!

▼水上バス「ヴァポレット」

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【ヴァポレット(VAPORETTO)】

・乗り場1: Station Confluence(14 Quai Antoine Riboud 69002 Lyon France)

・乗り場2: Station Bellecour(11 Quai des Célestins 69002 Lyon France)

・乗り場3: Station Saint Paul(1862 Quai de Bondy 69005 Lyon France)

・乗り場4: Station Vaise(9 Quai Arloing 69009 Lyon France)

・運行時期: 3月中旬~12月31日

・運休日: 5月1日、12月25日

・運賃: 大人 €5(船上で現金あるいはガード支払い)

・電話: +33 4 72 31 32 80

ラ・コンフリュアンス界隈を散策したら、ソーヌ川沿いの散歩道を歩いて2014年にオープンしたコンフリュアンス博物館(MUSEE DES CONFLUENCES)へ。オーストリアの建築設計事務所コープ・ヒンメルブラウ(COOP HIMMELBLAU)の設計で、近未来的な斬新な建物がリヨンのイメージを一新しています。

200万点以上の所蔵品を誇る博物館ですが、そのなかから3000点以上が4つの視点:「起源」「社会」「種」「永遠」で分類されて常設展として展示されています。恐竜時代から人間の進化、現在の発展まで、人類の歴史を考古学、社会学、文化人類学などの幅広い分野から、興味深くたどることができます。

また、博物館から眺めるソーヌ川とローヌ川の合流地点の美しい景色も人気を呼んでいます。

▼コンフリュアンス博物館

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▼ソーヌ川とローヌ川の合流点

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【コンフリュアンス博物館(MUSEE DES CONFLUENCES)】

・住所: 86 Quai Perrache 69002 Lyon France

・電話: +33 4 28 38 12 12

・開館時間: 火曜日~日曜日 10:30~18:30、11月5日より毎木曜日 10:30~22:00

・定休日: 月曜日(学校バカンス期間を除く)、1月1日、5月1日、12月25日

・入館料: 大人 €9

「いつかフランス旅行を」が実現できる日がきましたら、リヨンにお立ち寄りいただけるとうれしいです。皆さまのお越しを首をなが~くしてお待ちしております。まずは、ウイルスから身を守り、お身体をご自愛くださいね。

筆者

フランス特派員

マダムユキ

リヨン在住20年以上。フランス各地の魅力を文化・芸術・建築・食を中心にお届けしたい。

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