ファミリー席で楽しむ競馬「英エプソム・ダービー」

公開日 : 2022年06月07日
最終更新 :

2022年6月4日は、英エリザベス女王の即位70周年を記念して、同月2日から4日間にかけて行われる「プラチナ・ジュビリー」の祝賀行事、3日目でした。王室主催の競馬レース、「ロイヤル・アスコット」にほぼ毎年出席するというほど無類の馬好きで知られているエリザベス女王は、ロンドン南部サリー州で同じく6月に開かれる別のレース、「エプソム・ダービー」にも足繁く通われていました。

今年2022年は、ジュビリー関連の目玉祭事のひとつとして例年以上に盛り上がったはずですが、女王はこの日も前日に続いて行事には参加されず、レースはウインザー城でテレビ観戦されました。

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ロイヤル・アスコット同様、観客席のクラスによっては厳格なドレスコードが求められるエプソム・ダービーですが、この日開催された「ジュビリー・ファミリーフェスティバル」ではそんな心配も不要、子連れ家族でも気兼ねなく、この歴史的な行事を楽しむことができました。

ファミリー席の位置

今回オンラインで購入した席は、「ヒルサイド・エンクロージャー」という敷地内にあるファミリー・ゾーンで、ほかにもうひとつ、ガーデン・パーティーというエリアがあります。

どちらもレースの様子が間近でよく見えるグランド・スタンドや、ドレスコードがもっとも厳格なクイーンズ・スタンド、食事を楽しみながら観戦できるテラス席などがあるメイン会場からははるか遠く、外野のそのまた外野席といった感じの場所にあります。

「ヒルサイド」というだけあり、丘になっているので辛うじてレース場を"見下ろす"形にはなりますが、馬も人も豆粒程度にも見えない距離なので、観戦は敷地内の大型スクリーンでとなります。

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ウェブサイトで予約完了後、しばらくすると紙に印刷された立派な入場券が自宅に届きました。いまどきはなんでもeチケットで済まされることが多いなか、このようにカジュアルな席でもわざわざ郵送されてきたことに驚きました。

大人も子供も大満足、充実のエンタテーメント

当日は朝から雨で、野ざらしのファミリー・ゾーンはいったいどうなることやらと気をもみましたが、幸いにも午後には晴れたので助かりました。1日のうちに何度も天気がコロコロと変わるイギリスでは屋外の場合、特に着るものに悩みます。

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入口でチケットを提示して柵内に入るとそこはもう、お祭り状態。数ヵ所に設置された大型スクリーンでレースを観戦しながら、レジャーシートや折りたたみ椅子、クーラーボックスの上に座るなどして、各家庭でピクニックを楽しんでいます。

レースの合間には舞台でバンド演奏やダンスなどのライブステージがあり、子供も大人も一緒になって踊っていました。

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腹ごしらえして会場内を周ると、競馬場ならではのシミュレーション型乗馬があったり、馬に触って実際に乗ることができるコーナー、フェイスペイント、工作など、競馬に興味のない子供でも楽しく過ごせる工夫が随所に見られました。

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遊園地の乗り物ともども、追加料金がかからないのもうれしいサービスですが、チケットの元をとろうと頑張っても、行列がすごいので2時間以上並んで、結局ひとつしか乗り物には乗れませんでした。

馬券の購入方法

子供たちがもっぱら乗り物に並ぶのに夢中ななか、大人はというと...なにやら電光掲示板の前に並んでいる姿があちこちで見られました。

そうでした、ここは競馬場、彼らは馬券を購入する人たちでした。せっかくの機会なので、私も本場ダービーで生まれて初めての馬券を買ってみました。

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購入方法は、ブックメーカーと呼ばれる賭け屋が各自屋号のついたブースを出しているので、好きなところに出向き、賭けたい馬(番号)を選択、掛け金を払います。

するとアラびっくり。それまで何気なく見ていたレースの中継が急に自分ごととして身近になり、「イケ〜〜!!モダンニュース!ゴー!!4番4番!」と、我を忘れるほど熱狂してしまいました。

ビギナーズラックは特に持ち合わせていなかったようで、1分足らずで£20を喪失しました。下手に勝ってしまうと味をしめ、より高値を狙ってハマりそうなので、かえって安全だったのかもやしれません。

私が買った「アラン」では最低賭け金が£5でしたが、£2からのところもあるので個人的には"盛り上がり賃"としてチマチマたくさん買った方が、より手に汗握る体験ができて楽しめるのではないか、などと思いました。

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実際ひとりで何枚もの紙切れ(馬券)を手に、毎回絶叫しているお父さんもいました。が、人格が変わりそうなので?やはりギャンブルは中毒性があって怖いと感じました。ホドホドがちょうどいいですね!

競馬大国日本

この日の最終レースで驚いたのが、「JRA Tokyo Trophy Handicap (Class 2)」というものがあったことです。どんなレースなのか、日英両方の言語で調べてみましたが、レース結果ばかりで詳細はわからずじまいでした。

けれどその過程で、どうやら日本の競馬は売上規模、競走馬の質、レース内容などなど?全体的にレベルが世界規模で高いらしく、イギリスで行われるこのようなレースに、来賓として日本人関係者が招かれることもあるようです。

また、JRAの広報ニュースによりますと、今回のプラチナ・ジュビリーに際し、「英国競馬界よりエリザベス女王杯優勝馬主に対する記念品の贈呈(出典:JRA「JRAニュース」2022年6月2日)」があり、日本の競馬会とイギリスのそれには長年の親交がありそうな様子でした。

ちなみにこの日のJRAを冠したレースを制した馬はMr Wagyuでした!

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ダービー終了間際には、メイン会場で爆竹が打ち鳴らされ、カラフルな煙が辺りを包み込みました。プラチナ・ジュビリーの祝賀行事は翌6月5日にもありましたが、わが家のトリはこのダービーで締めくくられました。今後も毎年行われるレースなので、本場の競馬をぜひイギリスで観戦したい、という方は以下のウェブサイトをご参照ください。

◼️エプソム・ダウンズ競馬場(Epsom Downs Racecourse)・住所: Epsom Surrey KT18 5LQ・アクセス: 電車Epsom Downs駅より徒歩30分・URL: https://www.thejockeyclub.co.uk/epsom/

筆者

イギリス特派員

パーリーメイ

2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。

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