エリザベス英女王、即位70周年「プラチナ・ジュビリー」初日

公開日 : 2022年06月03日
最終更新 :

2022年6月2日はエリザベス英女王陛下の"公式誕生日"であり、即位70周年を祝う祭事期間「プラチナ・ジュビリー」の第1日目でした。

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これから週末の6月5日にかけて、毎日関連イベントが各地で目白押しです。今年2022年は、行事に合わせて2日木曜日と3日の金曜日が特別に祝日となります。初日の木曜日は、女王の公邸であるバッキンガム宮殿周辺で盛大なパレードが行われました。

現在96歳のエリザベス女王は、存命中の君主としては世界最高齢です。プラチナ・ジュビリーは、英王室の公式ウェブサイトでも「前例のない記念日」として紹介されており、この歴史的な瞬間を見届けるべく、当日バッキンガム宮殿へ向かいました。チケットがいるということも知らずに...。

置き土産は大量の馬糞

宮殿に向かう「バッキンガム・パレス・ロード」に到着したのは、11時も近く。この時点で、そもそも"本気度"がまったく見られません。お誕生日パレードは11時に始まるとあったので、もっと人でゴッタ返し、緊迫した光景が見られるかと思いきや、さほど混み合ってはおらず、行き交う人々の様子もノンビリしています。

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怪訝に思いながらも、途中から歩行者天国になっている道を歩き進めると、なにやら臭ってきます...。人と人との隙間から、ときおり見えるアスファルトの地面。必死で何かを掃いている清掃員。真ん中だけポッカリ空いている道路。

...察するに、周りでもささやかれていたとおり、どうやら馬車はすでに通り過ぎて行ってしまったようです。主役のいない空虚な場に残されたのは、大量の馬糞と、その残り香でした。

しかも、普段はなにごともなく突っ切れるはずの道が途中で閉鎖され、これ以上先は「クイーンズ・ギャラリー席のチケット」所持者しか入れないと、言い渡されてしまいました。

期間限定で開けられる宮殿ショップで、ジュビリー土産はいかが?

周囲には私と同じく呆然とし、行き止まりの壁を恨めしそうに眺める人でいっぱいでした。そんなこともあろうかと心していたので、パレードのことは早々に諦め、残る唯一の希望である王立空軍による航空ショー(flypast)を待つことにしました。

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これならたとえ一部でも、引き続き周辺で居残る限りは見えるだろうと思い、とりあえず無料のユニオン・ジャック旗をいただき、気持ちを入れ替えました。

ふと顔を上げると、普段はいつも固く閉ざされている門がこの日は開いており、人が外まで並んでいます。王室専用の厩(うまや)である「ロイヤル・ミューズ(The Royal Mews)」のショップでした。

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こちらには、いまも現役で女王とその王族関係者たちの馬車を引く馬と、その飼育員が実際に暮らしています。館内では、これらの馬を見られるだけでなく、各記念行事ごとに使われてきた、歴代の馬車や公用車の展示、ほかに馬車に座れる"試乗体験"もあるようです。

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ただし、バッキンガム宮殿同様、公開は限られた期間のみで、この日はジュビリー・ウィークのため、ショップだけが開いていました。ちょうど暇ができてしまったので、さっそく入場しジュビリー記念の限定品を購入しました。なお、対面にある別の公式ショップの方が広い分、品揃えも豊富で、前年の女王誕生日記念品がまだ売られていたりしました。

ついに!バッチリ激写できた航空ショー

土産物を購入した程度ではまだまだ時間は潰せないので、さらに周辺を散策します。エリザベス女王の愛犬であるコーギー犬をテーマにしたオブジェが、ところどころに設置されていました。

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12:50頃に再び宮殿近くの場所に戻ると、来たときより仮装した人やユニオン・ジャックを身にまとう人が増えており、皆私と目的は同じようです。この頃にはヘリコプターが2機、ホバリング(空中停止)しているのが上空に見えました。

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こうなるともはや、時計を見ている余裕もないので不明でしたが、予定通りならば午後1時より待ち望んでいた航空ショーが始まったはずです。今回は70周年に因んで70機の航空機が参加しましたが、これは前回2019年に行われた女王の誕生日式典よりも規模が倍だそうです。

観覧席チケットを購入した人たちは、隊列も数字の70を模すなど、難易度の高いショーも十分堪能できたでしょうが、"場外"であった私は、数回軍用機やヘリコプターが通り過ぎるのを見ただけでした。

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それでも機体が現れるたびに周囲は歓声に包まれ、最後は「レッド・アローズ」こと、真っ赤な機体のアクロバット飛行チームが、ユニオンカラー(赤、白、青)の煙幕を出しながら通過するのをしっかり見ることができました!

今週はずっと、朝晴れていても午後になると急に雨が降り出すことが多く、前日もちょうど13時頃に大雨が降りました。それにもかかわらず、この日は終日すばらしい天気に恵まれ、エリザベス女王の力はこんなところにまで及んでいるのだな、と敬服しました。

なお、6月3日以降の主要行事につきましては、下記のウェブサイトをご参照ください。

◼️プラチナ・ジュビリー2022(The Queen's Platinum Jubilee Central Weekend 2022)・URL: https://www.royal.uk/platinum-jubilee-central-weekend

筆者

イギリス特派員

パーリーメイ

2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。

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