カレッジ巡りがたまらない、英国ケンブリッジ

公開日 : 2022年05月16日
最終更新 :

友人にすすめられた、イングランド東部に位置するケンブリッジいちばんの名所ともいわれる「キングス・カレッジ」のチャペルも、お隣さんに「はずせない」といわれた「パンティング」という川下りもせずに帰ってきてしまった、ケンブリッジ観光。

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ではいったいなにをしてきたのか?というと、ひたすら"カレッジ"巡りをしていました。

大学なのにカレッジ?

その肝心のカレッジですが、私は大学(University)に対してカレッジ(college)は短大のよう別物の機関だと思っており、名前もまったく異なるため、まさかケンブリッジ大学の一部とは露知らず、現地では「ケンブリッジなのに全然ケンブリッジ大学出てこないんだなぁ」などと間抜けなことを思いながら過ごしていました。

教育機関、制度に関しては世界各国独自のものがあり、ここイギリスでも来た当初より、あらゆる呼び名が異なり戸惑いの連続でしたが、それが観光にまで(私だけでしょうか?!)影響するとは。

大学のなかにカレッジがあるのだとしたら、それは学部(faculty)のことだろうか、とも帰宅後に考えたのですが、ケンブリッジ大学のウェブサイトで確認したところ、学部どころか学科(department)もあるといいます。

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きっとオクスフォードなどほかの名門大学でも同じでしょうが、ケンブリッジ大学でいいますと、同大学(The University)はSchools(大学院), Faculties, Departments, Collegesがすべて合わさった(confederation)総称のようなもののようです。

2022年5月現在の同校ウェブサイトによると、2万人超えの生徒と1万1千人以上のスタッフがおり、すべての学生はそれぞれ独立した31から成るカレッジのいずれかに所属し、勉学だけでなく全寮制なので、寝食もともにします。この学生寮こそがカレッジなんですね。

一般開放されているカレッジは観光にうってつけ

と、おぼろげながらも同大学の概要をいまごろ把握したところで、実際に訪れたカレッジを2ヵ所紹介します。まずはじめに忍び込んだ(どこも学生がおらず、ヒッソリしているのでそう言いたくなります)のは、31のカレッジのなかで3番目に歴史のある「ペンブルック・カレッジ(Pembroke College)」。

オクスフォード大学もそうであったと思い出しましたが、どこのカレッジにもまずは入ってすぐに、見事に整えられた芝生が美しい中庭が出現します。この時期は真っ赤なチューリップなどの花で彩られ、より一層輝いていました。

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2代目ペンブルック伯らしき銅像や三日月のモニュメントがあり、チャペル前の看板には合唱と夕べの祈り、聖餐式のを案内が貼り出され「どなたも歓迎」とありました。

このように、敷地内は基本的に一般開放されていますが、関係者以外立ち入り禁止の場所や、時間によって閉鎖中のところもあります。

アメリカと繋がりの深いエマニュエル・カレッジ

1620年代にはケンブリッジ大のなかでも最大級の規模を誇っていたエマニュエル・カレッジも、はじめに通りかかったときは閉まっていたのですが、別の時間にまた戻ってきてしまったときに覗くと、運よく開いていました。

相変わらず中庭のフロント・コートが立派で、芝は縦縞模様になっているのがまたカッコいいです。

プロテスタント聖職者の養成機関として設立された同カレッジには、1666年のロンドン大火によって焼失した50を超える教会堂の再建や、かのセント・ポール大聖堂の修復をも手がけた建築家、クリストファー・レンの設計による礼拝堂がありますが、格子柄の床がやけにモダンで厳かな雰囲気のなかにもオシャレさが漂っていました。天井もご多分に洩れず、とても華美です。

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初期の卒業生にはアメリカに移住した人が多く、アメリカ最古で最高峰のハーバード大学はマサチューセッツ州の「ケンブリッジ」市にあり、その名は創業者ではないにもかかわらず、エマニュエル・カレッジの卒業生であるジョン・ハーバードから名づけられました。

エマニュエルでは、「彼は新天地を目指してアメリカに渡った単なる卒業生のひとり」(出典:""JOHN HARVARD (1607 - 1638)" Emmanuel College)としか認識されておらず、彼の実態については確かな記録がさほどないそうですが、1638年に400もの大量の図書と遺産の半分を大学に寄付したため、それを記念してハーバード大学という名になったそうです。

お子様セットが秀逸なシーフードレストラン「Loych Fyne」

途中、冒頭で触れたキングス・カレッジは外観だけ撮影し、さまざまな国の屋台や手作り品が軒を連ねる「マーケット・スクエア」でドリンク休憩を取るなどし、夕食はこじゃれたシーフード・グリルのレストラン「Loch Fyne」を予約しました。

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ロンドンやそのほかの地域にもあるチェーン店ですが、フィッツウィリアム美術館の向かい側の路面にあってわかりやすく、たまたま子供メニューがひとり分無料になるキャンペーンしていて、お得でおいしかったです。

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生牡蠣が品切れだったのは残念でしたが、子供用のメニューが£7.95という値段のわりには大人と同じサイズのハンバーガーが出てきましたし、デザートのアイスクリームを味見してみると、チョコレート味にはチョコのかけらがザクザク、ヘーゼルナッツ味にはナッツがゴロゴロと入っており、味と量に妥協がない、子供用とは思えないクオリティでした。

向かいのフィッツウイリアム美術館もケンブリッジ大学の一部で、"ミニ大英博物館"とも描写されるほど世界各国、新旧のコレクションが集まっているようです。しかもこれまたイギリス、入場無料なので入らなければ損なほどです。

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カレッジも31もあるうちのほんの一部しか回れませんでしたし、現地の見どころを把握したいま、再度訪れたい町のナンバーワン候補です!

◼️Loch Fyne Restaurant・住所: 37 Trumpington Street, Cambridge, Cambridgeshire, CB2 1QY・アクセス: 電車Cambridge駅から徒歩15分・営業時間:  毎日12:00〜22:00・URL: https://www.lochfyneseafoodandgrill.co.uk/locations/cambridge/

筆者

イギリス特派員

パーリーメイ

2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。

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