英国ウェールズ、カーディフ市民のDNAこと「ブレインズ」ビール

公開日 : 2021年07月19日
最終更新 :

英国政府は、イングランドにおけるロックダウンの緩和を予定どおり本日2021年7月19日より遂行し、COVID-19に関する規制の大部分は終了しました。9月にまた現行のガイダンスが見直される予定です。

一方、先日訪れたイギリス南西部にあるウェールズは管轄が違い、最終的な緩和は来月8月の7日になるそうです。わが家が首府カーディフを訪れたときは、5月のロックダウン規制緩和により、パブや飲食店の営業が再開されてから初めての連休だったせいか、観光客で大にぎわいでした。

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そのため、夕飯場所の確保にたいへん苦労しました。ウェールズらしい食事を、と思ったものの地元に根づいたレストランやパブは軒並み満席で、初日は目についたピザ・レストランに運よく入り込めました。どう考えてもこれはウェールズと関係のないジャンルなので空いていたとしか思えず、ご当地食文化の人気っぷりを思い知りました。

食事提供するパブは少なめ

2日目こそ、と勇んでピークを避け、早めに予約を入れようと何軒も電話で問い合わせたのですが、またしても考えが甘く当日ではまったく歯が立たず、1時間以上中心街をさまよった末、諦めて少し外れの郊外に狙いを定めました。

いかにもローカルな地元客ですでににぎわっている1軒目は、ドリンクだけで食事の提供をしていませんでした。今回パブではこのケースが非常に多く、けれど厨房やメニューなどはありそうな雰囲気だったので、ひょっとしてコロナの影響でなんらかの制限をしているのかも?しれません。

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次にあたったのが、宿泊施設に併設していた「ブレインズ(Brains)」というパブ。するとなんと、空席アリ、食事アリで入店可能と言うではないですか!! ワラにもすがる思いだったので、まるで救世主のように感じて心底ホッとしました。

ウェールズで展開する地元パブ「ブレインズ」

すっかりおなじみになった、入口でのコロナアプリの登録と手指の消毒をし、席に通してもらいました。中はいかにもイギリスのパブという造りで、雰囲気も申し分ありません。

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メニューを開いて、事前に調べていた海老カクテルの前菜やtraditionalという言葉がついた料理名を見たときはさらに舞い上がるような気持ちに。このパブがウェールズで160ものパブを展開するチェーン店で、地元民に深く愛されている老舗ブランドとは、このときは夢にも思いませんでした。

創業は1882年、ブレインズさんが購入したビール醸造場に、もともとついていた1軒のパブがはじまりで、カーディフの地元ライター兼詩人のフィンチさんは「カーディフを言い表すものは、1パイントのブレインズ・ビール以外にない。この町のアイコンだ」、「ブレインズはわれわれの文化に生まれつき、カーディフのDNAだ」と熱く語ります(出典:Shuttleworth, Peter. "Brains 'is the taste of Cardiff, it's in our DNA'" BBC January 2021.)。

安心のチェーン店サービス

さすがはチェーン店で、子供向けのキッズ・メニューもありますし、店員はフレンドリー、食事もすぐに出てくるなど、特に歩き疲れた観光客にとっては安心のサービスです。

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ビールは、久しぶりに飲む「ぬるいビール」ことエールビールを。それにペコペコのお腹にうれしい、がっつりフィッシュ&チップス、本日の季節スープなどを注文しました。

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お味は......この日初めて「ひょっとして、チェーンかなぁ」と思いいたった、ザ・イギリス昔ながらのパブ飯といった感じでしたが、気持ちのいいサービスと、なによりこの、夕食難民で不慣れな観光客を無条件に受け入れてくれただけで申し分ありません。

伝統菓子がうれしいデザート・メニュー

それにデザート・メニューが自家製のビール・ブラウニーだったり、ウェールズ産のアイスクリームなど、めずらしいアイテムが揃っているのも魅力でした。一番下には、オマケのように紅茶とケーキのセットが£2.7と破格でのっており、これまた「Bara BritishかWelsh cakes」といった、伝統菓子のチョイスでした。

これは、前日からウェールズらしい食べ物をまったくとれていない観光客にとっては棚ボタ状態で、非常に迷いましたがBara Britishたるものの正体を確かめるため、泣く泣く今回未食のウェールズ・ケーキは諦めました。

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出てきたものはなんのことはない、シンプルなレーズン入りパウンド・ケーキでしたが、シナモンなどが効いた独特の風味で「これがウェールズのお菓子かぁ」と感慨深く食しました。素朴で薄いスライスなので、この値段なのも納得です。

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こちらで食べて以来、急にブレインズの看板や文字が目につき始め、翌日には町なかにも宿泊施設をともなわない独立したパブや、広告かアーティストによる作品か不明ですが、店名が書かれた高架などを見つけました。コロナ規制が完全に解かれ、日本からの観光が可能になった暁には、ブレインズを探しにウェールズまで旅してみるのはいかがでしょうか。

◼️Brains・URL: https://www.sabrain.com/

筆者

イギリス特派員

パーリーメイ

2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。

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