ロンドンのバス利用「コロナ前と後の違い、および注意点」

公開日 : 2021年06月07日
最終更新 :

イギリスの電車は運賃が高いうえに遅延、キャンセルが多いと国民や在住外国人、観光客にもなにかと不評ですが、市バスならロンドン周辺では2021年6月現在、距離にかかわらず一律£1.55で都心の場合は本数も多いですし、行き先によっては夜行バスが運行されているので重宝します。特に私のように、郊外でも車の運転をしない者にとっては、生活に欠かせない市民の足です。

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ただし、イギリスで快適にバスを利用できるかどうかは、運転手の良し悪しにかかっているかもしれません。親切な運転手ですと、乗り遅れそうになりバス停前から走っている人を認識すると、待っていてくれたりします。乗り遅れてしまったときでも、渋滞中でバス停を越えて少し先に停まっていたりする場合、ドアをノックした乗客を入れてあげるなんてこともあります。 しかしこういったケースは安全上でもまれで、どちらかと言えばお世辞にも愛想がよいとは言えない運転手が目につきます(私個人の体験です)。

コロナ前の様子

まだコロナ前の話ですが、わが家の地域では満員の場合、停車せずに通過してしまいます。定員があるのでしょうからそれは致し方ありませんが、日本人の感覚からするとまったく混雑していないにもかかわらず、2台連続でスルーされることも1度や2度ではなく、これには参りました。

かろうじて乗せてくれても、誰もが身動きできないような状態のなか、「通路中ほどまでお詰めください」という自動アナウンスを無言で執拗に連発して発車せず、降車口付近にいた乗客が渋々降車してくれたお陰で発車したこともありました。

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運転手にはせっかちな人が多いのか、乗客がまだ全員降り切っていないにもかかわらず、さっさかドアを閉めて発車してしまうことも珍しくありません。実際私も子連れでなかなか降車口にたどり着けず、それでも出発されてしまった際、ほかの乗客が大声で「まだいるからドア開けて‼︎」と叫んでくれたから助かったものの、同じ状況でも無視してドアを開けず、哀れにもひと駅ぶん歩く羽目になった乗客もいます。また、降車駅の案内が電光板に表示されず、停車ボタンを押しても作動せず、同様にひと駅先まで連れて行かれたこともあります。

雨天時は要注意

雨の日のバスも注意が必要で、特に朝など渋滞するせいか、決まって(毎回ではありませんが......)行き先が乗っている途中で変更になり、乗客全員がポーンと降ろされたりします。渋滞しているので次のバスも延々と来ませんし雨のなか、ホトホト困り果てます。

こういった場合に限らず、こちらのバスでは1時間以内であれば乗り換えが無料です。次の乗車時に同じ乗車カードを再度かざすだけで簡単にできるのですが、はじめはそれを知らず、運転手に途中で降ろされた経緯を口頭で説明しても理解してもらえず、右往左往しました。

コロナ後の様子

いまとなっては、上述したいずれのことも懐かしいほどです。昨年2020年に初めてロックダウンをしたあともバスは電車同様、間引き運転で走ってはいましたが、ほとんどの車内で乗客はごくわずかで、あれほどぎゅう詰めだったのが嘘のようでした。

その後同年9月より、夏休み明けに再開された学校に通う児童のために、ラッシュ時の学童向け専用バス('School Service' bus)を走らせるなど、乗客数は徐々に回復していきました。

それでも社会的距離をとるため、また、そもそも政府が不要不急の交通機関の使用を推奨しないため、現在にいたるまでわが家の近辺では、バス車内はまだまだ空きが目立ちます。

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バスに限らず電車やほかの交通機関でも、マスクなどのフェイスカバー着用は特別な事情がない限り義務で、違反者には最大£6400の罰金が科されます。

ちなみに、ロンドン都心部でなにか特段バスの利用で困ったことはないので、今回取り上げたような事態は地域によるものかもしれません。日本でもあることですが、こちらでも降りるときに「運転手さん、ありがとう」と挨拶していく乗客がけっこういます。

運転手への呼びかけは、直訳そのままに「ドライバー(driver)」でいいようです。コロナ前でもあとでも関係なく、前線で通常通りの運行を続けてくれる運転手に感謝しながら、これからも状況に応じて便利なバスを利用していきたいと思います。

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なお、記事中運賃は「オイスターカード」という交通カードを使った場合で、そのほか路面電車(バス)トラムの料金や電車など、交通機関全般に関しては以下のウェブサイトを参照ください。

◼️ロンドン交通局(Transport for London、略称: TfL): https://tfl.gov.uk/fares/find-fares/bus-and-tram-fares

筆者

イギリス特派員

パーリーメイ

2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。

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