オンライン料理教室で「台湾バーチャル美食旅行」

公開日 : 2021年01月18日
最終更新 :

新型コロナに見舞われた昨年2020年は、予定していた旅行を延期、あるいは完全にキャンセルしたという方がたくさんいたのではないでしょうか。イギリス在住のわが家もご多分にもれず、あらゆる予定が軒並み消滅、要調整となり今年2021年にいたっては新年早々、1月5日より昨年来3度目のロックダウンに突入しました。

さすがに年も越せば旅行に、いや、せめて外食ぐらいは行けるだろうという淡い期待もむなしく、1月18日現在「ステイ・ホーム」は続いており、先週からは学校閉鎖による家庭学習(関連記事)まで始まりました。

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©Kummy's Kitchen

そんなやるせない状況下でふと見つけたのが、「Kummy's Kitchen」というオンライン料理教室。それはまるで、先行きの見えない暗闇に、ひと筋の光が差し込んだかのようでした。

世界中どこからでも、いつでも参加可!オンライン教室のよさ

コロナ以来インターネットを使ったサービスは盛況で、ちまたにはあらゆる種類のオンライン講座やセミナーがあふれています。ですが、いくら「場所は問わない」ものであっても、近隣のアジア諸国などと比べても圧倒的な時差があるイギリスでは、「開催時間」がネックになって参加できず、所詮自分には関係のないことだとこれまでは思ってきました。

それでもいちるの望みを胸にKummy's Kitchenに問い合わせてみると、月2回のライブ配信(2ヵ月間、計4回分)は無理な時間だったもののアーカイブ(録画保存)をのちに視聴できるとのこと。材料、レシピも事前に知らされるので当日までに買い出しをし、好きなときにゆっくり作れそうでした。

海外仕込みの先生による本格派料理

場所、時間をなんとかクリアし、次に気になったのは教えてくれる先生について。Kummy's KitchenことKummy先生は食だけでなく、料理に合わせた季節のフラワー・アレンジメントまでトータルで教えることができる、「Food&Flowerデザイナー」。幼い頃より海外在住歴があるなど、世界各地で覚えた、自宅で作れるオシャレな料理を伝授してくれるそうです。

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©Kummy's Kitchen

昨年来のコロナ禍にもうってつけの「料理で世界一周旅行!」をコンセプトに、今回先生が連れて行ってくれる国はグルメ大国、台湾。現地で習得した本場の味と、日本が誇るおもてなし文化まで花と一緒に学べてしまうという、お得なオンライン・コースとなっています。

よみがえる戸棚の食材

4回に渡って送られるレッスンの記念すべき初回は、この時期らしい台湾の正月料理だという「獅子頭(シー・ズー・トウ)」。日本で肉団子といえば、通常ひと口サイズの小ぶりなものが一般的ですが、こちらの料理はその大きさから「獅子の頭」ほどという大胆なサイズが特徴です。

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©Kummy's Kitchen

白菜と一緒に煮込むのですが、肉だねにはキクラゲ、干ししいたけ、タケノコも入ります。海外在住者にありがちですが、私にはせっかく日本から持ち込んだ日本製品を、もったいなくてなかなか使えないという悪い癖があります。

今回必要なこれら食材も、運よくすべてストックがあったのですが、戸棚を開けてみればどれも封すら開けておらず、キクラゲにいたってはなんと来英以来1度も使ったことがありませんでした! もともと日本でも使い道があまりわからなかったので、今回のレッスンでこれら「戸棚温存食材」が日の目を見ることができたのも、うれしい収穫でした。

家族もよろこぶ一家団らん教室

日本との時差が激しいため、ライブ中継ではなくあとから録画されたものを見ながら参加した今回のレッスン。肉団子を揚げる油の音や、芳ばしい香りに誘われて「なんだ、このうまそうな匂いは?!」、「なに作ってるの?」とステイ・ホーム中の家族がわらわらと台所に集まってきました。

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なかでも娘はあろうことか、華麗な包丁さばきを披露している先生に向かって「指切っちゃうよ」と茶々を入れたり画面に向かって手を振ったりと、もはや完全に「参加」しています。実際、私は肉団子を丸めた手がベトベトだったので、娘にフライパンの火加減を見てもらったりと案外助けられました。

現地のエピソードや料理のコツが聞けちゃう、お役立ち情報

Kummy先生が教えるレシピは、実際にその土地に出向いて習得したものが多いので、今回も台湾での思い出エピソードや台湾人の太っ腹なおもてなし方式など、テーマ国の見どころや文化風習まで学べてしまいます。

また、現地では香りを楽しむためにショウガは皮ごと使ったり、原案レシピでは肉団子だけでなく白菜までも素揚げするといった予備知識、野菜のみじん切り方法、油の温度といったちょっとしたコツも聞けました。

特に驚いたのが「肉だねは混ぜれば混ぜるほど、ふんわり柔らかくなってよい」というアドバイスですが、先生は巧みな話術で豊富な話題を提供している間中、ずーーーっと光の速さでなにげなく手を動かしており、私が普段かき混ぜる10倍ぐらいは混ぜていました。

混ぜ方も、私はこれまで横着をして木ベラなどでチョチョイとしていただけでしたが、先生は素手でされており、こういったテクニックはレシピを見るだけではわからず、動画配信ならではの魅力だとあらためて感じました。

盛りつけの際は、テーマに合わせて中国で入手した器を今回は使用したことや、薬味を入れる小皿は調理器具や食器など、なんでも揃う東京・浅草の「かっぱ橋道具街」で入手したプチプラなものであることなど、最後までお役立ち情報満載でした。

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コロナ疲れともいえる人が増えた昨今、いつでもどこでも参加できるKummy's Kitchenは、今後も多くの人を癒やし続けることは間違いない、と思えた料理教室でした。今回はまだまだ第1回目。予告では、日本でもよく知られている台湾式そぼろ丼こと「ルー・ロー・ハン(魯肉飯)」も作るそう。あともうしばらくは、味気ないロックダウン生活においしい彩りがそえられそうです。

筆者

イギリス特派員

パーリーメイ

2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。

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