イギリスの通貨と両替レート

公開日 : 2021年01月06日
最終更新 :

イギリスに暮らし始めて困ったことのひとつに、「小銭の区別がつかない」ということがありました。クレジットカードや電子マネーでの支払いにすっかり慣れた近年では、そもそも現金を使う機会が少なく、すべてのコインの見分けがつくまでかなりのときを要しました。今回はイギリスの通貨と両替レートについてお伝えします。

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イギリスで現金が必要な状況としては、青果や花などが売られている青空市場(関連記事)や観光客の多い骨董市、洋服など様々なものが売られているマーケット、地域の祭り、フェア(関連記事)などが挙げられます(カード払い可の店も有)。また、スーパーでごく少額の買い物をする際にも、カードではさすがに気が引けるので現金で買うことがあります。飲食店でも、個人経営の場合はカードを断られる場合があり、やはり現金はいくらか用意しておくと安心です。

今日のポンドの両替レートをチェック

イギリスの通貨はポンドとペンス

イギリスの通貨単位はpound ポンド(£)で補助通貨がpence ペンス(p)です。「pound」を日本語では「ポンド」と言っていますが、英語での発音は「パウンド」、複数形は「パウンズ」となります。「パウンド」の俗称で「quid(クィッド)」ということもあります。複数形は「クィッズ」。 5ポンド紙幣、10ポンド紙幣をそれぞれFiver(ファイバー)、Tenner(テナー)ということもあります。いずれも、カジュアルなお店や友人同士で使われる言い方です。

ペンスはペニー pennyの複数形なので、1ペニーのときだけがペニーで、それ以外はペンスを使うことになります。このあたりも始めは違いがわからず、混乱のもとでした。ペンスのことを単に「ピー」ということもあります。たとえば「10ペンス」の代わりに「テン・ピー」と、こちらはむしろペンスより頻繁に耳にします。

硬貨の種類

イギリスの硬貨はRoyal Mint(ロイヤル・ミント)が製造、発行しています。2ポンド硬貨が1番重みがありサイズも大きいですが、2000円札と似たような存在で少し使いづらいです。

硬貨で常に財布に入れておきたいのは、断然1ポンド。スーパーのカートはこの1ポンドを入れないと利用できない店が多く、空港のカートや駐車料金を払う機械などにも使われます。サイズ、厚み、外側がゴールドで囲まれたデザインといい、最も覚えやすい硬貨といえるでしょう。

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50ペンスは軽くて大きいので、1ポンド以下の硬貨ではわかりやすく、単位としても使いやすいです。ここからが難易度が高まってくる通貨で、20ペンスは小ぶりではありますがしっかりとした厚みがあり、裏のTwenty Penceという文字もまだハッキリと読みやすいです。

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ところが以下10ペンス、5ペンス、1ペニーとなるとそれぞれ色、形とすべて異なるのですが、5ペンスが異様に小さく、1ペニーよりもさらに小型なのでまぎらわしいです。これらの通貨になると裏面の文字もよく見えず、支払い時に後ろに人がいたりすると焦ってパニックになることもしばしば。市場でも、全然足りていない額を手渡して「は?」とあきれられることも当初はよくありました。

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なお、硬貨の写真を撮ろうとして気づいたのですが、50ペンスの裏面に「くまのパディントン」がいました! 50ペンスや2ポンドは形が大きいので記念硬貨がよく発行されるようで、有名なものではほかに「ピーター・ラビット」なども出回っているようです。

紙幣の種類

イギリスの紙幣は貨幣と異なり、イングランド銀行(Bank of England)が発行しています。どの紙幣も表に女王の写真、裏面にはイギリスの著名人の写真があります。日本にはありませんが他国では見かけることもある、プラスチックのような「ポリマー」素材が使われています。

50ポンド紙幣が最高額ですが、3年以上滞在してもこれまで一度もお目にかかったことがありません。ATMで現金を引き出す際も20ポンドや10ポンド紙幣がバラバラに混じっていたり、10ポンドだけといった同額紙幣のみばかりで、50ポンド紙幣で出てくることは普段まずありません(筆者の体験から)。

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よって、実生活においては20ポンド札が実質的な最高額紙幣となる場合が多いように思います(2020年の2月より新20ポンド札が流通開始)。それ以上ですとクレジット・カードを使いたくなってしまうので、お札は10ポンド、5ポンドをできれば多く持ちたいものです。

旧バージョンのお金は使えない?

「古い硬貨や紙幣はしばらくしたら使えなくなる」という記述をインターネット上でよく見かけますが、今回自分の財布を調べてみると20ペンスも1ペニーもそれぞれ同じ通貨でデザインが違うものがありました。女王が若い姿のものは明らかに以前のコインと思われますが、いまでも普通に使えています。

これまで受け取りを拒否されたお金はないですが、基本的には新貨幣が登場した場合、旧貨幣は半年や1年ほどすると使えなくなるようです。イングランド銀行のウェブサイトでは現時点で、「いまはまだ手持ちの£20札(つまりポリマー製でない紙製)を使えます」と記載されています。旧紙幣が使えなくなるときは、6ヵ月前より通達があるとのことです。

そのほか、交換期限が過ぎたものは郵便局や近場の銀行で交換可、あるいはイングランド銀行まで郵送を、などといった詳細も載っているので、手持ちのイギリス通貨をお持ちで気になる方は以下のウェブサイトを参照してみてください。

筆者

イギリス特派員

パーリーメイ

2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。

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