イギリス外出制限を3週間延長【ロックダウン後1ヵ月の生活実態】

公開日 : 2020年04月17日
最終更新 :

新型コロナウイルスの影響を受け、他国に続いてイギリスもついに2020年3月23日より外出禁止のロックダウン(都市閉鎖)となりました。昨晩4月16日には、療養中のジョンソン首相に代わって職務を行うラーブ外相が、先月から続くこの厳しい外出制限の措置を少なくとも今後3週間延長することを決めました。

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ロックダウン開始より1ヵ月を目前に控え、これまでの日常生活がどのようなものだったのかを、先月より遡ってお伝えしたいと思います。

首相による緊急スピーチ

まずは3月23日、学校が全国一斉閉鎖になりました。(関連記事)その日の夜には、ジョンソン英国首相による新型コロナウイルスに関しての緊急スピーチがテレビで放映されました。ほかの人も同じだったかと思いますが、ロックダウンが始まるにあたってわが家が気になっていたのは「何がどこまで制限されるか」という点。

夜8時半から始まると聞いていたテレビの前にスタンバイし、耳をダンボにして聴いていました。それによると、最も気になっていた日々の食品の買い出しについては「必要最低限の買い物、1日1回の運動、医療上の必要、真に必要な通勤という目的」として外出が認められていたので、とりあえずはホッとしました。

スーパーでの様子

そこで、週末はいつものとおりスーパーに買い出しに出かけました。ロックダウンが始まる数日前のスーパーでは、ロックダウンがそろそろ始まる雰囲気を察した市民が、買い占めに走り始めていました。なので、この日(3月28日)もトイレットペーパーとティッシュ、消毒用品といった雑貨からパスタ類やトマト缶や豆といった缶詰、卵といった食品がなかったのは相変わらずですが、そのほかは予想以上に在庫が普通にあり、安心できました。

それでも、例えば肉類などは午後にかけて時間が遅くなるにつれ欠品する商品があると耳にしたので、以前は午後に出かけていたのを午前に出発するようにしました。この頃にはスーパーの開店時間は高齢者や病院勤務者のために通常より早く店を開けたりと不規則だったので、あまり早く行っても一般向けにはサービスしていないかもしれない、と思い10時頃に到着しました。

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すると、スーパーの周りにはビニールテープで引かれた線に沿って並ぶ買い物客の列がすでにありました。カートを先に取って並ぶと、カート1台分の距離を人と空けられるのでわかりやすいです。スーパー各社からは事前にメールにて連絡が入っていたり、ラジオなどのメディアでも盛んに放送されていたので、これは想定の範囲内でした。ただ、時間潰しのために携帯電話でネットを見ようとしたにもかかわらず、人数が集中していたせいか一時的に繋がらなかったのは想定外でした。

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例年イギリスの3月といえばまだまだコートを着込む季節。この日も3月下旬で天気もいいというのに風は冷たく、これが天気の悪い真冬でなくてよかったと心から思いました(写真は先週なので、だいぶ暖かくなり皆さん軽装です)。この日は結局30分待ちで入店、翌週4月4日は別のスーパーでまさかの1時間半待ちでした。さらにその翌週4月11日は思い切って戦略を変え、午後に別のスーパーに行ってみることにしました。すると、そこでは「1世帯につき原則1人の入店」になっていたのもあり(子供連れは別)狙いどおり15分で入れました。

運動はOK

先月の首相スピーチでもあったように、現在「1人、もしくは世帯のほかの人との1日1回の運動」は許されているので、わが家では平日は自宅の庭で週末は公園や原っぱに子供を連れて行っています。それでも、遊具の利用は禁止なのでやることが限られていて退屈なのか、すぐに家に帰るようになってしまいました。

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夫は日頃からのジョギングを続けていますが、私はスーパーまでの買い出しが唯一の「運動」となっている状況で運動不足が気になります。室内でヨガなどをしたいですが、平日は子供たちの自宅学習に手一杯でそんな時間は取れそうにありません。代わりに子供の遠隔授業である「体育の時間」に私も一緒に参加しています。

想いをひとつに、恒例化した「拍手運動」

3月26日、日本でもイギリスのジョージ王子、シャーロット王女、ルイ王子が拍手する姿がニュースになりましたが、これは新型コロナウイルスと日々過酷に戦っている医療従事者に拍手を送るClap for Carers (医療・介護従事者に拍手を)が行われた様子です。

その1週間後の4月2日にも同じく夜8時から実施され、わが家の周りでは時刻になるとどこかからか大砲のような号令が鳴り響き、何事かと始めは驚きました。それが合図だったようなので、私も窓を開けて拍手をしているとあちこちのご近所さんも同様にしている姿が見えました。なかには玄関の外まで出て来ている人たちもけっこういて、皆さん元気そうで安心しました。

 さらに翌週4月9日には誰かが車のクラクションを鳴らしっぱなしにしており、またまた驚いて窓を開けると、パチパチパチと拍手が始まりました。もはやすっかり毎週木曜日の恒例となったようです。昨夜の4月16日も、しっかり拍手で参加しました。

少し前の話ですが4月6日には官邸からボリス・ジョンソン首相名義の注意再喚起を目的にしたレターが郵便で届きました。日本と同様、気持ちのいい天気に恵まれるようになってきたこの頃では、つい外に出て人と密集してしまう傾向がまた強まってきたようで、それをいま一度引き締めるためともいえるでしょう。入院してICUにまで入ってしまった首相の容体が心配されましたが、無事退院できてよかったです。

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残念ながら昨晩の政府の発表により、学校はイースター(関連記事)の春休み以降も引き続き閉鎖となってしまいました。来週から再び始まる子供たちの自宅学習に備え、最後の週末を自宅でのんびり過ごしたいと思います。皆さまもご自愛ください。

筆者

イギリス特派員

パーリーメイ

2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。

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