塩で食べる変わり蕎麦、湯布院の「石臼挽き手打ち十割そば 温川」

公開日 : 2020年01月10日
最終更新 :

「3年ほど前に一度来て、凄くおいしかったから」という朧げな記憶を頼りに探したことと、実際の立地が賑やかなメイン通りから一歩入ったところだったことが相まり、辿り着くのにひと苦労を要した湯布院のお蕎麦屋さん、温川(ぬるかわ)。

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わざわざ訪れる価値、大でした。

レトロとモダンが合わさった雰囲気の店内

店前には何旗もの「本家粗碾き十割そば」と書かれたのぼりが設置されており、変換困難な「碾」という字を使っていたり、十割という割合からして既に威厳が漂っています。

ガラガラと音を立てながら引き戸を開けて入ると、中は6席ほどのこぢんまりとしたお店。総座敷なので、座卓をくっつけたり離したりして、多少の人数調整は可能です。

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内装は昔ながらのようでいて、高い天井や茶色い木の梁や壁にかけられた大きな竹の網みザル、まるでインテリアのように整然と並べられた日本酒の瓶がやけにオシャレで、逆にモダンな古民家風カフェのようでもあります。

独特な食べ方をするざる蕎麦(盛りそば)

メニューは最もシンプルな10割り盛りそばをベースに、鴨南蛮盛りそば、山掛けそばなど種類も豊富です。けれど、お店の内外そちこちに貼られている案内によると、こちらのお店のウリはどうやら塩で食べる盛りそば(ざる蕎麦)のよう。食べ方の指南が書かれた紙によると、「ひと口目はそばだけで、ふた二口目にヒマラヤ岩塩、次にブラック岩塩でお召し上がりください」とあります。

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ヒマラヤ岩塩はここ数年ずっと流行っており、もはや定番ともいえるのでわかりますが、ブラック岩塩とはなんぞや⁉︎その謎を解き明かすためにも、盛りそばを。けれど欲張りな私は同時に鴨南蛮汁も味わえるよう、鴨南蛮盛りそば150g(税別1200円)を注文しました。このお店では200gが一人前なので、150gはかなり控えめな量です。足りない場合、100gより50g単位で追いそばができるのでご安心を。

不思議で美味しいブラック岩塩

座敷の奥にはガラス張りの厨房があり、中でご主人がそばを打っているところを間近に見ることができます。注文が入ってから打つのか、料理が出てくるまでは結構時間がかかりますが、その分歯応えが絶妙な茹でたて、新鮮なそばが食べられます。

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こうして心待ちにしたそばは、愛想のいいおかみさんが給仕してくれます。「食べ方指南書」同様、さらに卓上の塩を手にして実演まで交え、食べ方を説明してくれます。食べる前に、まずはブラック岩塩の味見をするよう言われます。手にとってほんの少し舐めてみると‥

硫黄のような?茹で卵のような不思議で、そして大変美味な、これまで味わったことのない塩でした。

追いそば誘惑との戦い

すぐにもブラック岩塩で食べてみたいのを堪え、まずは何もつけずにひと口目。メニューの冒頭に書かれてあった通り、10割りのそばには「味」がしっかりあり、本当にそのままだけでも十分おいしい。150gは軽いので、危うくそのまま全部食べてしまいそうになるのをこれまた堪え、ヒマラヤ岩塩、次にブラック、その一方でおかみさんに教えてもらった、七味と胡椒を自分で足した鴨南蛮と一緒に食べるのも忘れてはならず‥。ひと口ごとに残りのそばを食べきらないよう、必死でした。

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次回は絶対に200gを頼もうと誓いました。この日は天気が良かったので、外の席で食べているお客さんもいました。また、お店の奥の敷地にはご親戚がやってらっしゃる露天風呂、家族風呂つきの「ぬるかわ温泉」もあるので、宿泊、温泉とセットで再訪問する手もあります。

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店頭の旗とこだわりのある「食べ方指南書」に恥じぬ、味に自信のある本格蕎麦屋さんでした。

石臼挽き手打ち十割そば 温川住所: 大分県由布市湯布院町川上1490-1営業時間: 11:00~18:00定休日: 不定休アクセス:JR由布院駅より徒歩20分金鱗湖より徒歩約5分電話0977-85-3298

筆者

イギリス特派員

パーリーメイ

2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。

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