ピクニック大好きイギリス人

イギリスの夏は５月後半の初夏の雰囲気を経て、６月からいよいよ「夏」と皆が呼び始めます。勿論、変わりやすい天気のお国柄、まだまだ肌寒い日も多いのですが。それでも５月に入るともう、早くもこちらの人達はピクニックの事で頭が一杯になり始めます。

庶民の一般的なピクニック

私がこちらに来て初めて社交デビューしたのも、思えば７月のピクニックでした。基本的な形式は日本と同じで、自分のランチボックスに果物や野菜を入れたり、自宅で作ったサンドイッチやちょっとしたお菓子を焼いたりする人もいます。市販品ですとスーパーで買う、パックのソーセージロールやミニソーセージなど、え、これって温めなくてもそのまま食べられるんだ、と少々ビックリするようなスタイルのものもあります。イチゴなどの果物もパックの蓋をベリっとむいて、洗わずそのままでワイルドです。

場合によりますが、成り行きで色んなものをシェアする事もあります。ソーセージを焼いてきてスライス食パンを一斤丸ごとと共に、一人分ずつ「食パンドック⁈」をその場でこしらえてくれたり、スナック菓子は勿論、デザートにはチョコレートアイスと、大人にはわざわざ魔法瓶でコーヒーも（それも僅かに砂糖もしっかり入って微糖仕立て！）紙コップで振舞ってくれたりと隅々まで気が利いています〜。お供のビスケットまで出て感激。なので、そこは日本も同じでしょうが、分けあえるような物を多目に用意しておきます。

ママ達だけでなく、家族全員のピクニックの場合、もっと本格的な食器類がセットで入ったバスケットを持参し、陶器のお皿にフォークとナイフで食べているのを目の当たりにし、優雅だなぁと見惚れてしまいました。

子供達は大抵着くなり遊具の方へ真っしぐらだったり、男の子ですとサッカーやクリケットをしたりと、ピクニックそっちのけで遊びの合間に時々何かを食べに来るという感じです。イギリスの公園は芝生張りなので汚れも気にせず、どこでも座ったり寝転がったり、目一杯好きなように遊べます。

学校行事としてのピクニック

学校でももう、早くも5月に入ると今年一番のピクニックがあります。校庭など、学校の敷地内で開かれるようです。幼稚園生は、イギリス特有の恒例行事のようですが、何故かクマのぬいぐるみと一緒にするテディベア ピクニックというものが例年あります。その日は私服になるのですが、冠をかぶったりするせいか？女の子は可愛らしいワンピースを着てくる子が多いです。

セレブのピクニック

セレブでなくても、イギリスでは庶民も普通にワインをグラスつきで持参する事は普通で、学校の集まりでも必ず一組は飲んでる人がいます。カッコイイなぁ〜と思い、我が家も真似してみました。著名人ならシャンパンがスタンダード⁈

テレビ局BBCで日本庭園を紹介する番組、Monty Don's Japanese Gardens を持つイギリスの有名なガーデナー、モンティ ・ドン Monty Don 氏の場合、ピクニックにはこんな物をバスケットに入れるそうです。（イギリスではピクニック用バスケットも身近でオシャレです！）

シャンパン、チーズ、とっても質のいいゲームパイ（ゲーム肉とは狩猟肉という意味で、そのお肉が入ったパイの事を指します。通常冷たいまま食べるので、ピクニックにもよく持ってかれるそうです。）、そして美味しいサワーブレッドとオートケーキ（オーツ麦のビスケット）。ラディッシュに良いバターと塩、畑からもいだ新鮮なトマト。（出展：Waitrose & Partners FOOD- May 2019）

まだイギリスの夏は始まったばかり。これから本番に向けて、既にいくつものピクニックが平日、週末を問わず埋めています。本当に、参加表明をするそばから更に別の誘いがあり・・どれだけ⁈と思いますが、日本の飲みニケーションみたいなものですね。