英語の勉強にも役立つデモ参加〜子供達による気候変動ストライキ〜

公開日 : 2019年03月17日
最終更新 :

語学学校の課外授業として、本来子供達による抗議活動である、気候変動問題に関するデモ、通称 Youth Strike 4 Climate に紛れ込んできました。このデモは温暖化や資源枯渇といった、世界全体的に共通する環境問題に関する各国政府の対応が不十分という理由で、昨年の9月よりスウェーデンのとある高校生がたった一人で始めたのを皮切りにドイツやベルギー、スイスといったヨーロッパの周辺諸国、今年に入ってからは先月15日にイギリスでも各地で大規模なデモが繰り広げられました。今やこの活動は大陸を超え、オーストラリア、アメリカ、カナダ、ウガンダといった100カ国以上の国々にまで及び(出展: The Guardian 電子版)、ロンドンでは今月3月15日に再びこの大規模デモが敢行されました。

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キーワードは金曜日

この先月と今月のデモ、どちらも日にちが同じですが、単に一月後でキリがいいという事ではなく、どちらもむしろその曜日の方に重要な意味が込められていそうです。というのも、この活動の創始者であるグレタ Greta さんが抗議する日が金曜日なのです。それも毎週。この活動は Fridays for Future として、今回開かれたような大規模なものではなくても、週ベースで「最寄りの市役所前」でプラカード等を持って、世間にアピールする事を推奨しています。

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学校の授業をボイコット

この活動にはもう一つ特徴があり、それは学校を休んで参加するという事です。現在20歳以下の子供達が背負わなければならない環境問題について、真面目に真摯に取り組んでくれない大人による教育など、どうして受けてられよう、(出展: The Guardian 電子版)当事者である自分達の世代が今動かなくて一体誰が将来の地球を守れるんだ、といった考えなどに起因しているようです。

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当然授業を行う教師やストライキに送り出す保護者といった大人にとっては、複雑な心境です。実際、今回ウエストミンスター駅 Westminster の国会議事堂前広場で行われたデモで見掛けた大人達は、保護者らしき人、報道陣といった程度でとても少数でしたが、皆一様に険しい何とも言えない顔付きをしていました。

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これに関してはイギリスのメイ首相も「教師がせっかく用意した授業時間を無駄にしている」(出展: sky news 電子版)と苦言を呈しています。そのせいか、今回のデモでの掛け声には、首相をあからさまに批判するものもあり、「出て行け! Theresa May has got to go!」や、もっと過激な言葉でヒートアップしていたりもしました。

デモの掛け声でリスニングと言い回しの勉強

この掛け声ですが、初めはあまり聞き取れなくても、子供達は一体感を出し気勢を上げる為に何度も繰り返して同じフレーズを叫んでくれるので、聞き漏らした箇所だけに耳を集中させ、最終的には完成されたフレーズを理解する事が出来るので、英語のリスニングに丁度いいな、なんて一人で思っていました。以下、この日に習得したフレーズの一例です。

We say NO to climate change!

We won't change!

System change not climate change!

Climate Justice!

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これらの掛け声に合わせて途中、「ノー!」だの「チェンジ!」と合いの手を入れます。この他にも、語感を良くする為に韻が踏まれる事が多く、Solution NOT Pollution! や、Save the planet not too late 2 4 6 8! といったフレーズがありました。ソルーションとポルーションについてはよくわかりましたが、次の最後につける数字が意味不明で不思議に思っていたのですが、そこは語学学校生徒の特権、先生引率なのでその場で聞くことができました。

曰く、最後の8番、エイトが not too late のレイトと韻を踏ませている、との事でした。その他の数字は単に耳障りが良い、リズム的に良いといった理由で選ばれているようです。

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うーん、とっても勉強になる。家畜の飼育が環境破壊に繋がる、との理由でベジタリアンを推奨しようと、肉、魚、卵料理ではないパンや果物が無料で置かれていたりと、予想外に腹ごしらえも出来ましたし、他の生徒もその先生に「今日、このイベントに連れてきてくれて、本当にありがとう!」と大喜びでしたので、動機がいささか不純かもしませんが、これに限らず他のデモ行進を目にした際などは、注意を払って見ると色々学べそうです。

筆者

イギリス特派員

パーリーメイ

2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。

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