イギリス版児童館〜プレイグループ〜

公開日 : 2019年02月10日
最終更新 :

お陰様で晴れて「卒業」する事ができましたが、まだイギリスに来てまもない頃の昨年度は、本当にこちらにお世話になりました。各地の教会が運営する、イギリスの児童館とも言うべき、プレイグループ playgroup。学期期間のみの開催が殆どなので、自然と幼稚園前までの子供を遊ばせに来るお母さんが多いですが、young children であれば細かい縛りはなく、生後間もない赤ちゃんから、就学前までのちょっと年齢が高めの子供まで、誰もが利用する事ができます。

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日本の児童館との違い

日本との最大の違いは、日本の児童館が行政機関による公共の施設とサービスであるのに対し、イギリスのそれは教会のホールを解放して、主に各教会の信者とその他教会とは関係のない、有志のボランティアによって運営されている事です。初めはそこの違いがよくわからず、「アレ、お金かかるのか」と軽く驚きましたが、利用してみるとナルホドナルホド、有料とは言っても教会によって細かく分かれますが、せいぜい1ポンドから最高でも2ポンド(約150円から300円)。教会ではなく、個人で運営しているところもあるそうで、その場合は5、6ポンド(約750円から900円)だそうなので、誘ったママ友も「え、そんなんでいいの?個人のとこだと一人で大変だから、後片付けも参加者全員で本気で全てするけど、ここはそこまで本格的にしなくてもいいし、安いネ!」と驚いていたくらいです。

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ママも大満足

しかも、イギリスのプレイグループには、ママに嬉しい事が沢山。まず、食べ物とドリンクが振舞われます。子供にはジュース、大人にはコーヒーか紅茶を、それも、スタッフがご丁寧に一杯ずついれてくれるサービスつきです。それに日替わりのビスケット、誰かの差し入れがある日は別に、様々なお菓子をお裾分けして貰える教会もあります。季節の果物やお菓子の場合もあり、特に印象深いのはまだ参加したての夏の頃、苺とホイップクリームが出された事です。

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何故に?と不思議だったのですが、その頃は丁度テニスのウインブルドン大会が開催されている真っ只中。イギリスでは大会を観戦しながら、このストロベリー クリームを食すのが慣例なんだそうです。また、スコーンも出た事があり、ド定番にこれまたクリームと苺ジャムを塗って食べた時の美味しさ。こちらもまだイギリスに来たてホヤホヤで、本場のスコーンを食べるのも初めてだったので、余計感動しました。

別の大きい教会では、参加費が1.5 ポンドと、他の1ポンドのところより若干多い分予算があるのか、ビスケットの他にバターやジャムをつけ放題のトーストがあり、ドリンクもセルフ式なので、遠慮なく頂けちゃいます。子供を大量のオモチャに溢れた広いホールで遊ばせながら、親はノンビリ朝からティータイム、としけ込む事ができるのです。(実際は子供が常にまとわりついたり目が離せなかったりで、そんなには悠長にしてられないのですが。)

目移りするアクティビティ

食べてばかりではありません。オモチャとは別に、毎回どこも子供向けに工作などのアクティビティを用意してくれるのですが、これもまた参加費を取っているせいか、材料が本格的で立派。手形を押すのに使われるのは、単なる紙ではなくれっきとしたキャンパス地、クリスマスのリースを作る時には、本物の松ぼっくりに可愛らしいキスチョコまで仕上げに挿してくれたりと太っ腹です。出来上がった作品は、家に持ち帰ってもしっかり飾れるレベルです。

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変わり種としては、後にも先にもないのではないかと思いますが、公開散髪がありました。スタッフの中に美容師さんがいて、ボランティアで髪を切ってあげる、と言うのですが、さすがに皆遠慮して誰も手を上げない。そこで、まだ参加したての私達親子に白羽の矢が当たり、我が子二人共前髪などを少し切って貰いました。すると、それをキッカケに他の親子たちもワラワラと並び始め、にわかに床屋さん状態、と、こんなユニークな体験も出来ました。

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クリスマスパーティーまで

クリスマスの時期になると、そこはチケット制でしたが、チケットとは言っても単に予約すれば良いだけで、お代は普段の参加費以外は完全無料のパーティーが開かれました。その日ばかりは時間もお昼まで延長で、ランチとして軽食以上のご馳走が並び、親の分までタップリ用意されいています。サンタさんと一人ずつ写真を撮り、帰りがけにはお土産まで。

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イギリスに来たばかりで知り合いなど誰一人いない時期、自分の繋がりも求めてはいましたが、何より就学前の子供達に少しでも新しい環境、英語に慣れて貰いたく、文字通り雨の日も風の日も、教会巡りをしていました。正直毎週行くのも親としては面倒だったりもするのですが、天気の悪い寒い日に入る暖房の効いた教会、出されたアツアツの本場ミルクティーを手にする時の温もりを求めて通いました。

毎回終わりの時間が近づくと童謡を歌うのですが、初めは知らない歌ばかりでサッパリついていけませんでした。それも、毎週耳にするうちにすっかり覚え、親子共々良い英語の勉強に。たった2ポンド足らずで、文字通り「美味しい」体験をできるプレイグループ、教会の掲示板やウエブサイトで詳細を確認する事ができます。

Purley United Reformed Church住所: 906 Brighton Road, Purley, CR8 2LN開催日時: 毎週木曜日9時半〜11時15分

筆者

イギリス特派員

パーリーメイ

2017年よりロンドン南部で家族と暮らしています。郊外ならではのコスパのよいレストラン、貴族の邸宅、城めぐり、海沿い情報などが得意です。

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